【相談事例】宮城県の運送事業者様 狭い幅員の車庫で認可が取りたい!

公開日:2022年5月28日 / 更新日:2022年6月15日

ご相談内容
良い車庫が見つかったのですが幅員が6mありません。
別の行政書士に相談すると、幅員は6mなければ認可されないと言われましたし、いくつかのホームページでも同じように書いています。目の前の道路はすれ違うには狭いですが、道路幅は4mほどあるので十分に通行は可能です。また、この車庫ではトラック10台を停めたいのですが、面積が足りているのか不安です。高速のインターからも近いし、形も良いし、賃料も安いのでここで認可が取れたら嬉しいのですが、営業所からの距離も5km無いのではないかと心配です。もし認可される可能性があるならばお願いしたいです。

行政書士の回答
幅員が6m未満だと認可されないということは全くありません。車庫の出入口の幅員については車両制限令というルールで判定されます。幅員証明という書類を役所の道路管理者から取得して、そこから判断します。面積については現地調査で実際の寸法を計測してから確認しましょう。それでクリアできるようであればぜひ進めてみてはいかがでしょうか。

車庫の認可には営業所からの距離や幅員の調査が重要です

車庫の認可と言っても車庫だけでなく前面道路やそこに置く車両のことも考えなければならず、いくつもの複雑な要件があります。

それを知らずに契約してしまって認可が下りないのも困りますが、一見無理な場所でも合法的に別の手段を駆使して認可を下せる場合もあります。

いきなりダメと言わず、お客様の状況を深くヒアリングして、いろいろなケースを提案してくれる行政書士に相談するのが良いでしょう。

調査

車庫の認可を得るにはまず車庫の契約をしなければなりませんが、認可が下りなければ意味がありません。

認可を得るのに必要ないくつかの要件について事前調査が必要です。

営業所からの距離の調査

そもそも営業所からの距離がルールの範囲内であればどうしようもありません。東北運輸局は営業所と車庫の距離は直線で5km以内と決められています。

お客様は5kmギリギリくらいかなと心配されてましたが、実際に走る道路の距離ではなく直線距離で考えるので、5km以内に収まっている可能性も考えられるのではないでしょうか。

農地ではないか

車庫の地目が田か畑だとそもそも認可になりません。

ちなみに営業所は市街化調整区域では原則認められませんが、車庫については市街化調整区域でもまったく問題ありません

市街化調整区域は車庫もダメと思い込んでいる方もいらっしゃいますがそんなことはありませんのでご安心ください。

幅員の調査

前面道路の幅員というのは見た目だけではわかりません。

もちろん片側3車線の幹線道路であれば問題になるようなことはありませんが、普通にすれ違える道路で一見すると十分な幅がある道路でも、一部が私道のために公道部分の幅は狭いという場合もあります。

だから実測の数字はあまり意味を持ちません。

役所には道路を管理している部署が必ずあり、それを道路管理者と言います。たとえば横浜市では土木事務所がその役割を担っていますが、多くの役所では道路管理課というような部署が担っています。

道路管理者に相談すると、幅員証明もしくは同等の書類を発行してくれます。名称が違う役所も少なからず存在します。申請してから大体1~2週間で発行されるところが多いです。

幅員について、ご質問とほぼ同様のケースで以前に許可取得まで至ったケースがありますので、例として1つご紹介します。

(幅員3.8mでも大丈夫だったケース)

本件の車庫前面道路は乗用車はすれ違えますが、少し大きなトラックはすれ違うのは厳しいという幅員の道路でした。

幅員証明は申請から1週間程度で発行されました。すると道路の幅員は3.8mと書いてありました。

幅員証明の書類には車両制限令の区分は書いていませんでしたが、道路管理者に電話して確認すると、車両制限令第6条第1項の道路でした。

車両制限令第6条第1項の道路は、道路幅員から0.5mを引いた数字の車両幅まで通行可能です。従って3.3mの幅まで大丈夫ということです。

そのお客様は大型トラックがメインでしたが、十分な幅員がある道路ということになりました。

車庫の面積

今回のご相談は、借りようとしている車庫に車両を10台置きたいと言うことが、車庫には単にトラックが置ければいいわけではなく、土地の境界とトラック同士で前後左右50cmの余裕を持たなければなりません。

従って、形の悪い車庫の場合は、実際には置けるとしても三角に尖っている箇所などかなりの面積がデッドスペースになってしまうので要注意です。

今回は車庫の申請なので、車庫の図面作成が最も大切な仕事です。

場所によっては車両が入るかどうかギリギリのときもありますから、我々行政書士が調査する場合はCADソフトを使い、10cm単位で収納可能かを一生懸命パズルすることもあります。

認可が下りたあとのお手続き

今回は車両を10台導入するとのことですので、その後の連絡書発行、車検証書換、そして今回の案件は管轄が変わる場所だったのでナンバープレートの変更をする必要があります。

行政書士にご依頼いただく場合は、土日などで車庫に集めてもらって一気にナンバー取り外し~取付~封印まで行えます。

トラックのナンバー取り外しはかなりの重労働です。ネジがスムーズに外れれば良いですが、ネジザウルスを使うときもあります。錆びてると簡単に折れます。折れるともう大変です。ドリルでネジに穴をあけて粉砕したり完全に肉体労働です。

※写真はお客様のご協力のもと、出張封印を行っている風景です。

※写真はお客様のご協力のもと、出張封印を行っている風景です。

終わりに

別の行政書士には認可されないと言われ、ダメ元でトラサポを頼っていただく運送業者様も多々いらっしゃいます。運送業の手続き経験に乏しい事務所では、形式的に「許可は下りません」と回答してしまう場合もあるようですが、知識や経験に基づくアドバイスのできる事務所であれば、回答は全く逆になるケースもよくあります。

お客様にはリーズナブルな車庫で正しく認可を取っていただき、スムーズな手続き進行で新しい仕事にも余裕をもって対応していただきたい。トラサポのメンバーである行政書士は、常にその思いの下、業務に対応しております。

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