【相談事例】他の都道府県に営業所を作りたいのですがダメな場所や建物の要件などはありますか?

公開日:2022年8月18日 / 更新日:2022年8月25日

ご相談内容
今、大阪府と兵庫県に営業所がありますが、お客様から引き合いがあり、福島県にて営業所を作る予定です。ダメな場所や建物の要件などはありますか?また、車庫や運行管理者、整備管理者、トラックについての要件も知りたいです。

行政書士の回答
高速のインター近くに物流拠点が新たにできたりして、他府県に拠点を増やすお客様が多いです。その際の物件選びについてのご質問にお答えします。
営業所を作るためには事務所だけでなく当然トラックを置く車庫も必要です。用途地域によっては認可が取れない場所もあるので要注意です。
車庫と営業所は当然同じ場所が理想ですが、離れたところで借りても認可は下ります。
不動産屋に運送業の要件を伝えて安心の物件を見つけてもらうことが大切です。

運送業の営業所としてNGな場所とは?

一番大切なのは用途地域です。工業地域とか第一種低層住居専用地域とかのことです。運送業の営業所は建築基準法上は「事務所」に該当するので、適法に事務所として大丈夫な用途地域の中で選ぶ必要があります。
まず、市街化調整区域は無理と思って差し支えありません。
次に第一種低層住居専用地域などの〇〇住居専用地域は原則として事務所兼用住宅でないと認められないのでなかなか難しいでしょう。また、マンションやアパートの集合住宅も原則的には〇〇住居専用地域で事務所として使うことは認められていません。
安心なのは商業地域とか工業地域という場所ですが、基本的には第一種住居地域以上は安心と言っていいでしょう。
ただ、都市計画法や建築基準法はとても複雑なので専門的な知識が必要になります。
設備や広さの要件は特にありません。実際に運送業の業務を行える場所であれば問題になることはないでしょう。

運送業の車庫としてNGな場所

まずトラックを最低5台格納できることが必要ですから十分に広い車庫を探してください。前面道路の幅員についても車両制限令で最低幅員が定められているので、それをクリアできる道路幅の車庫を探してください。
車庫を営業所と異なる場所で借りる場合も、営業所と車庫の距離は各管轄各地域によって定められた直線距離で制限されていますからその範囲内で探すようにしてください。

運行管理者、整備管理者、車両

運行管理者と整備管理者は1つの営業所につき、1名必要ですから既存営業所とは別に最低1名ずつ必要です。ただし運行管理者と整備管理者は1人で兼任することは可能です。トラックも1営業所に最低5台必要です。

だから3台が荷主のところに常駐してるのを営業所にしたいんだ、と言っても5台に足りないので営業所にすることはできません。営業所を作るには、事務所と車庫だけでなく人とトラックもあわせて必要なのです。

終わりに

営業所と車庫の要件はたくさんの法律が複雑に絡み合ってかなり難しく、運送業許認可の中でも最も注意すべき点になります。

運輸支局でもらえる申請用紙を埋めるだけであれば誰でもできますが、結局それが認められなければ意味がありません。運良く認可されることもありますが、他の運送会社さんがもし「あんなの自分でやっちゃったよ」と聞いたとしても、それはたまたま運良くその場所が問題なかっただけで、あなたもそうなるかどうかは別の話です。

運送会社様がなにも考えずに物件を借りてしまって、いざ運輸支局に申請したら「その場所はダメだよ」となってしまうことも少なくありません。せっかく高い保証金などを払って借りた物件がもったいないです。

専門の行政書士であれば「全然お話にならない」か「たぶん大丈夫」というところはすぐにわかります。もちろんその調査から行政書士の業務は始まっているので無料でお調べするわけにはいきませんが、リスクを回避するためには専門家の力を借りることをためらわないでいただくのが経営上の安心を得られるのは間違いありません。

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