霊柩車の緑ナンバーの取得要件と方法

公開日:2018年3月3日 / 更新日:2020年2月17日

【350社実績行政書士による一般貨物自動車運送事業解説】霊柩車も緑ナンバーが必要です。霊柩車と寝台車の違い、二種免許が必要か、緑ナンバー取得の流れ、費用、条件などわかりやすく丁寧に解説します。取得のお手伝いは専門行政書士が45万円~サポート

緑ナンバー 霊柩車

【目次】

霊柩車は緑ナンバーの許可が必要
普通のトラック一般貨物自動車運送事業との法律上の違い
霊柩車とは?(定義、車種、寝台車との違い、架装について)
どういう会社が霊柩車緑ナンバーを取得するの?
緑ナンバーの取得要件と流れ
その他よくある質問

霊柩車は緑ナンバーの許可が必要

霊柩車を管轄する法律は貨物自動車運送事業法です。

霊柩事業を行うには一般貨物自動車運送事業の許可が必要です。

寝台車で緑ナンバーを取得する場合も同様です。

人は亡くなると法律的にはモノとなってしまいます。

モノを運ぶから「一般貨物自動車運送事業」となるわけです。

「運賃をもらわなければ事業用じゃないから白ナンバーでもいいんだよ」と適当なことを言う人もいますが、実際、警察の取り締まりで多くの白ナンバー霊柩がよく捕まっていますよね。

たしかに葬儀屋さんの葬儀の売上に比べると霊柩搬送の売上はかなり小さいので「葬儀という本業に付随するもの」ということで白ナンバーでできてもいいような気もしますが、現在の法律では緑ナンバーであることが決められています。

貨物自動車運送事業法の法律で管理されるので、普通のトラック運送事業者と同じように

・日報(乗務等の記録)
・点呼記録簿(対面点呼)
・運転者台帳の作成
などの帳簿を揃えたり、

・初任運転者適性診断の受診
・毎年の事業報告書、事業実績報告書の提出
などをしたりする必要があります。

では、同じ一般貨物自動車運送事業でも霊柩車と普通のトラックの緑ナンバーは、法律上ではなにが違うのか見てみましょう。

普通のトラック一般貨物自動車運送事業との法律上の違い

霊柩車も一般貨物自動車運送事業であると言いましたが、普通のトラックでの一般貨物自動車運送事業と比べるとこのような違いがあります。(細かく言うと法律でなく、公示基準等で決められていることです)

・5台でなく1台からでも緑ナンバーの許可が取得できる

・1営業所ごとに4台までならば運行管理者資格者証を持っている運行管理者の選任は不要

・営業区域が原則、都道府県内に限定される

・(通常は)標準霊きゅう運送約款を利用する

・車体に「限定」と表示しなければならない

もちろん、1台で緑ナンバーをつけられたからと言って、2台めを普通のトラックで増車などはできません。

なぜなら、許可に「霊柩限定:霊きゅうの運送に限る」という条件がついているからです。

霊柩の許可書

それ以外の営業所や車庫などの要件はトラックの一般貨物自動車運送事業と同じです。

これで、事業許可としての違いはわかりましたね。

霊柩車、霊柩車と当たり前のように言っていますが、次はどんな車両が霊柩車として認められるのかについて見てみましょう。

霊柩車とは?

霊柩車の定義

つまり、霊柩車とは「お金をもらってご遺体を搬送するための車両」ということになります。

構造的な要件としては『「自動車の用途等の区分について(依命通達)」の細部取扱いについて』にてこのように解説されています。

貨物自動車運送事業法に基づく一般貨物自動車運送事業の許可を受けた者等が、専ら柩又は遺体を運搬するために使用する自動車であって、柩又は遺体を収容するための担架を収納する専用の場所(長さ1.8m以上、幅0.5m以上、高さ0.5m以上)を有しており、かつ、柩又は担架を確実に固定できる装置を有するものをいう。
(留意事項)
柩又は担架については、その重量を100kg として安全性等の確認をする。この場合において、当該重量は車両重量には含めないこととし、また、積載量も付与しないこととする。

 

留意事項のために、霊柩車は最大積載量がハイフン(ゼロ)のものと数字が入っているものの両方があります。

貨物自動車運送事業なのに最大積載量がゼロというのは面白い話ですが、それはここから来ているのですね。

これで一般的な霊柩車の構造的要件はわかりましたね。

では次に、実際どんな車種が霊柩車で使えるのか見てみましょう。

霊柩車に使える車種は?

霊柩車の区分は申請上は「宮型」「洋型」「バン型」「バス型」があります。

それらどれでも大丈夫です。

バス型は身内の方なども一緒にご遺体と乗れるようになっている少し大きな霊柩車ですね。

実際の一般貨物自動車運送事業許可申請でよく使われる車種は、アルファード、エスティマなどが多いと思います。

それにストレッチャーを架装して、ご遺体を搬送できるようにする寝台車として利用する。こういう場合も緑ナンバーが必要です。

それらはバン型で申請します。

もちろん、これらは緑ナンバーの霊柩車になるときは8ナンバーになります。

センチュリーなどで霊柩車申請するケースもありますね。

「霊柩車」と「寝台車」の違い

霊柩車と寝台車に貨物自動車運送事業法上、法的な区分はありませんが葬儀業界の中では慣習として呼称の違いがあります。

霊柩車と寝台車の違い

多くの葬儀業者、霊柩事業者から聞いたところ、

『霊柩車と言うのは葬儀場から火葬場等にご遺体を運ぶためのご遺族の目に触れる儀礼の流れで使用する車両』

と定義して大きな間違いはないと思われます。

また、構造的な話をすれば、寝台車はストレッチャーを載せやすくしていて、霊柩車は棺を載せやすくしていることが多いようです。

警察から病院、ご遺体保管場所から葬儀場など、ご遺族の目に触れない流れの中でご遺体を運ぶための「霊柩車」が「寝台車」と言われているようです。

車検証上は緑ナンバーであればいずれも「霊柩車」です。

霊柩車の架装について

アルファードなどを寝台車にするときはストレッチャーを取り付けます。

それを「架装」と言います。

ご自身でストレッチャーとストレッチャーレールを購入して取り付ける強者のお客様もいますが、大体は架装業者と言われる自動車屋さんに依頼をしているようです。

ストレッチャーはネットとかで安いものもあるらしいです。

簡単に探しただけでもFERNOの中古ストレッチャーが数万円で売っています。

霊柩車用ストレッチャーの図

だからすべて自分で改造して、自分で検査を通すのであれば格安の寝台車のできあがりです。

でもその際は運輸支局・登録事務所の検査担当と事前相談しながら改造することをオススメします。

構造変更検査に受からなければ、二度手間三度手間になってしまいますからね。

架装業者もピンキリで、やはり値段が高いところは仕事が丁寧で、ストレッチャーの施工などがものすごくキレイということです。

だから、キレイな寝台車にしたいのか、ほんとに最低限ご遺体を搬送できればそれでいいのかによって自分でやるか、架装業者を使うのか、架装業者もどのようなところにお願いするのかを決める必要があるようです。

どういう会社が霊柩車緑ナンバーを取得するの?

霊柩車の緑ナンバー取得のための許可申請をする会社さんは主に以下の通りです。

1.葬儀会社で今まで霊柩車、寝台車を外注していたが、その金額もバカにならなくなってきた。いっそのこと自社で取ってしまおう。

2.長く葬儀業界にいた、独立して寝台車の仕事を専門にやっていこう。

3.貸切バス事業をしていて、葬儀会社への送迎もあった。霊柩車のニーズも出てきたので緑ナンバーを取得しよう。

という3パターンがほとんどだと思います。

特に1の会社は、1カ月の外注代で行政書士の報酬などペイしてしまうので、早めに取ることをオススメします。

2の会社もしくは個人事業主の方は、長年葬儀業界にいたのでコネクションが強く、かなり忙しく仕事をするようになる人が多いです。

昼間でも夜中でも構わず電話が鳴ってしまうので不安定な生活にはなってしまうようですが、みなさん元気にお忙しく事業を続けている方が多いです。

では、緑ナンバーを取得するには何が必要か、見ていきましょう。

緑ナンバー取得の要件と流れ

車両

寝台車・霊柩車として検査が通る車両。1台以上で大丈夫です。

営業所

仕事ができる環境であればそれほど厳しい基準はありませんが、市街化調整区域はほとんど即NGです。

車庫

車両の駐車スペースですが、前後50cmずつ(合計1mずつ)の余裕が必要です。

月極の車庫だと少し広めでないと許可されません。

運転資金

運転資金の6か月分、事務所・車庫の賃料12カ月分、保険関係1年分を運転資金として、それらの合計金額以上の残高証明書が必要です。

役員法令試験

申請月以降の奇数月に、登記されている常勤役員の一人が法令試験を受ける必要があります。

法令試験について詳しくはコチラをご覧ください。

これらの要件をクリアできそうであれば、ぜひ緑ナンバーの取得にチャレンジしましょう!!

また、難しくて全然わからない場合はお気軽にご連絡ください。

霊柩車で一般貨物自動車運送事業許可をご依頼の場合はクリックしてください

緑ナンバーを取得するまでの流れ

営業所所在地管轄の運輸支局輸送担当に申請します。

標準処理期間は3~4か月ですが、実際は混み具合や申請書の精度によってそれより伸びることもよくあります。

流れはこのようになっています。霊柩車 緑ナンバー 新規許可の流れ図

普通トラックの緑ナンバー取得の流れとほぼ同じですが、運行管理者と整備管理者の選任届が不要です。

よくある質問

霊柩車でも運行管理者は必要か?

霊柩車の場合は、1営業所に4台までであれば運行管理者資格者証を持っている人がいなくても大丈夫です。

1営業所に5台以上の緑ナンバーがある場合は必要ですし、整備管理者の選任も必要です。

霊柩車の運転に二種免許(運転免許)は必要か?

タクシーやバスを運送するには二種免許が必要ですが、霊柩車はヒトではなくモノを運ぶので二種免許は必要ありません。

霊柩車の区分の中には「バス型」というものもあります。

ニットクさんのホームページにトヨタコースターのバス型霊柩車があり、わかりやすいです)

バス型の多くは車両の後部に棺用のドアがあり、後方から棺を入れます。

普通の霊柩車は助手席に一人のご遺族というケースが多いと思いますが、バス型で大きいので、ご遺族などが一緒に何人か乗ることができるものです。

関東運輸局と神奈川運輸支局に確認したところ、このようなケースでも旅客の運賃を取らなければ二種免許は不要ということでした。

旅客運賃を取るには貸切旅客自動車運送事業の許可が必要になりますからね。

どこかのホームページでは貸切バスと一般貨物(霊柩)の許可がないとバス型は導入できないと書いていましたが、そのようなことはなくバス型でも普通に輸送担当窓口で増車手続きをしてくれるとのことでした。

霊柩車の自治体ごとの台数規制ってあるの?

霊柩車は自治体によって存在できる台数が決まっている、という話をたまに聞きます。

実際、神奈川県の横須賀の方でそういうことがあるとおっしゃっていたお客様がいたので、横須賀市その他色々な自治体に確認したのですが、そのような台数総量規制は確認できませんでしたし、しっかり許可が下りました。

昔はそのようなルールがあったのかもしれませんが、少なくとも現在運輸局が「この区域の台数がいっぱいだから許可しない」ということはありません。

ただ、宮型霊柩車については、葬儀社や住民等により、現実問題として進入禁止のところも多くありますよね。

人間最後は全員死んでしまって必ず霊柩車のお世話になるのに不思議だと思います。

白ナンバーを緑ナンバー霊柩車に名義変更するのに必要な車検と必要書類?

白ナンバー車両を緑ナンバー霊柩車に名義変更するケースについて解説しましょう。

流れとしては、構造変更検査に合格してから名義変更の移転登録をすることになります。

霊柩車は構造変更検査を受けてから登録をする

車検は2年です。

自賠責保険も8ナンバーですが特種四・三ではなく霊柩車の枠で加入してください。

移転登録(車検証の名義変更)に必要な書類は

【旧所有者】
・譲渡証明書(実印押印)
・委任状(実印押印)
・印鑑証明(原本、発行から3か月以内。車検証と住所等が変わっている場合は法人履歴謄本などでつながる公文書)
・現在が緑ナンバーの場合は使用者の減車連絡書(発行から1か月以内)
【新所有者・新使用者=新規許可取得した事業者】
・印鑑証明(原本、発行から3か月以内)
・委任状(実印押印)
・増車連絡書(発行から1か月以内)
・自賠責保険証(原本、車検期間24カ月以上をカバーする期間があるもの)
・重量税納付書(重量税貼り付け)
・手数料納付書

 

となります。

運輸支局に行き、検査を受けて車検証書き換えの登録が終わるまで、大体2時間くらいあれば終わると思います。

それで緑ナンバーをつけて封印が完了すれば、晴れて自社名義の緑ナンバーとなります。

霊柩車で一般貨物自動車運送事業許可をご依頼の場合はクリックしてください

普通トラックの一般貨物自動車運送事業が霊柩事業をするには?

普通の一般貨物自動車運送事業の許可を持っていれば、霊柩事業はその限定なのだから、霊柩車を増車する分には簡単に増車できると思いきや、意外とできません。

・事業用自動車の種別追加

・霊柩事業に関して営業区域制限の許可条件変更

・霊柩自動車による運送は霊柩運送事業に限る旨の許可条件変更

という珍しい認可申請をしなければなりません。

認可申請なので当然1~3か月くらいかかります。

違う都道府県に営業所を新設したいときはどうするの?

前に説明したように、霊柩事業には都道府県内での営業区域制限がかけられていました。

では、他の都道府県に営業所を作れないのか。

そんなことはありません。

営業所・車庫の新設は普通の認可申請と同様に運輸支局の輸送担当に申請します。

それと同時に

・営業区域に関する許可条件の変更願

を申請します。

そうすることで、他の都道府県でも営業ができるようになり、営業所が認められることになります。

このめんどくさい手続きをご依頼の場合はご連絡ください。(0120-546-784 お気軽に!)

軽自動車を霊柩車にするには?

軽自動車イメージ

霊柩車に使える車種のところで話した軽自動車で霊柩事業をするときの手続きについて解説します。

軽自動車でも事業用の霊柩車にできます。

旅客の場合は軽自動車でも普通の自動車と同様、大変な手続きな「許可申請」が必要ですが、軽自動車の場合は届出(貨物軽自動車運送事業経営届出)をすればよく、即日で霊柩車の事業用ナンバー(黒の8ナンバー)が付きます。

要件もそれほど難しくなく、

・霊柩車の構造検査に受かる車両があること

・営業所と車庫があること

くらいをクリアすればほぼ黒ナンバーを付けられます。

ただ、軽自動車の霊柩用の標準約款は存在しないため、自分で約款を作成しなければなりません。

ちなみに軽自動車霊柩約款のひな形は下記の書籍巻末資料として掲載しているので、書籍をご購入の方はご自由にお使いください。

  • 一般貨物自動車運送事業許可申請ポイントを、マンガでわかりやすく解説!

人気記事

カテゴリー

運送業者様訪問記 (1)
貨物利用運送事業 (4)
運送事業者紹介 (2)
関連法令 (9)
自動車登録 (1)
霊柩車・寝台車 (2)
日記 (3)
緑ナンバー (16)
初めての緑ナンバー (2)
運送業界ニュース (7)
緑ナンバーの基本要件 (3)
一般貨物自動車運送事業 (114)
最新の法令 (7)
緑ナンバー実務ネタ (22)
過去の法令 (7)

新着