自社、下請会社が緑ナンバー必要なのか?簡単詳細に行政書士が解説

公開日:2018年11月24日 / 更新日:2020年2月17日

白ナンバーでモノを運んでるけど、これって緑ナンバー必要なのだろうか?長年、下請け会社にモノを運んでもらってるけど緑ナンバーが必要ならば取ってもらいたい。コンプライアンスを遵守したい!そんな方、必見です。

運送業専門行政書士鈴木隆広■この記事を書いた人:運送業専門行政書士「行政書士鈴木隆広」 神奈川運輸支局前、一般貨物自動車運送事業一筋13年の行政書士。平成30年1月には業界初の本格的運送業手続き専門書籍「貨物自動車運送事業 書式全書」が日本法令から出版される。【住所:神奈川県横浜市都筑区池辺町3620】

 

なぜ緑ナンバーを取る必要があるの?

緑ナンバーは、正式名称「一般貨物自動車運送事業」と言います。他にも「営業ナンバー」「青ナンバー」「貨物運送事業」「事業用トラック」と言うこともあります。
貨物自動車運送事業法という法律で以下のように定められています。

貨物自動車運送事業法第2条第2項

  • ・他人の需要に応じ、有償で、自動車を使用して貨物を運送する事業

他社 → 運賃もらって荷物を受け取る → トラック → 配送先

荷物の運送にお金が発生するのであれば、緑ナンバーのトラックでなければ、その仕事はできません。
白ナンバートラックで運賃もらっているのは、すべて違法行為となってしまうのです。

本当に緑ナンバーが必要かどうか、いくら調べてもわからない → 専門家の回答

国土交通省では法令適用事前確認手続という制度があり、「この行為は違法なの?」という質問に対して丁寧に答えてくれています。
そこでは、同じ悩みを持つ人がいくつも、微妙に異なる同様の質問をしています。
国土交通省は一貫してこのように答えています。

国土交通省の見解

  • 他人の需要に応じ、有償で、自動車を使用して貨物を運送する事業については、貨物自動車運送事業法に基づく許可等が必要となる。
    なお、当該運送行為が、その業務に付帯して運送行為が行われるものであり、当該運送行為が主要業務の過程に包摂しているものと認められ、名目の如何に関わらず有償性が認められない場合には、貨物自動車運送事業法上の許可等を要しないこととしているが、運送事業以外の事業に付帯して密接不可分のものとして行われるものであるかどうか、有償性を有するものであるかどうか等については、個々の事案ごとに判断することとなる。

難しいので図にするとわかりやすいと思います。

運送業以外の自己の生業と密接不可分及び包摂しているの意味

運送業以外の自己の生業と密接不可分及び包摂しているの意味

たとえば、冷蔵庫の修理を頼まれて修理をしたら納品しなくてはなりません。その運搬だって、人件費も燃料費も当然かかるので、その分のお金を全くもらわないで行うことはできません。
しかし、“修理業務”がメインで、その納品行為は密接不可分(すなわち、修理業務と分けることはできない)ですから、他人のモノをお金をもらって運搬したとしても、白ナンバートラックで構わないわけです。
自社製品を納品する場合も同様の理屈により、白ナンバートラックで大丈夫です。
しかし、たとえば運搬行為の方が大きな割合を占める場合はどうでしょうか?

運送業以外の自己の生業に包摂されているか微妙なケース

運送業以外の自己の生業に包摂されているか微妙なケース

このような場合は、「主要業務の過程に包摂しているものと認められ」るかどうかが判断できませんよね。
不安な場合は、以下のサイトから具体的に問い合わせをすることをオススメします。
国土交通省:法令適用事前確認手続照会及び回答事案

白ナンバートラックで仕事をしているとどんな罰則があるの?

貨物自動車運送事業法違反となり、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金という大変重い罪となります。
そして、もし、罰金でなく懲役刑になってしまったら、懲役が終わってから5年経過しなければ、新規許可の申請ができません。

白ナンバートラックに仕事を頼んでいる荷主にはどんな罰則があるの?

この場合、荷主に対して直接の罰則は規定されていません。
従って、無許可営業が国土交通省に発覚したとしても、罰せられるのは白ナンバートラック事業者だけです。現実問題、荷主企業は白ナンバートラックで運んでいることを黙認しているわけですが、法的に荷主企業に責任を請求することは難しいでしょう。
すなわち、残念ながら、白ナンバートラックは切り捨てられてしまうということになります。
なぜなら、荷主企業からしたら、「だから緑ナンバー取ってください、と何回もお願いしたじゃないですか・・・」としか言えないからです。
ただ、荷主企業についても、「違法業者と知っていながら仕事を任せていた」という悪評は避けられず、会社へのダメージは測り知れません。上場企業では、白ナンバートラック運送業者にモノを運んでもらう選択肢は、あり得ない話でしょう。

結論、白ナンバートラックで違法運送行為を続けることは、両者にとって全く良いことがないということになります。

荷主自社トラックを使って、運転手だけ別会社から手配するのは違法?

トラックの名義は、荷主(運ぶものの所有者)であり、ドライバーだけが他社従業員という形態が許されるかどうか、ということを考えましょう。

自社トラックを他社運転者が運転するのは違法なのか?のイメージ

このケースは微妙かもしれません。なぜなら、白ナンバートラックがモノを運搬することについて取り締まる法律がないからです。
おそらく、運転手の給料として、ふさわしい金額だけ支払っていれば、それ自体では問題ありません。雇用でなく外注ではありますが、その行為自体は法律で禁止されていません。

緑ナンバーを取るための条件ってなに?

緑ナンバーの取得条件や流れについて詳しくは、こちらをご覧ください。

ここでは、重要度が高いものの順番で、ざっくり解説します。

緑ナンバー取得の大きなハードル

  • ・運行管理者資格を持っている人がいること
  • ・トラックを5台準備できること(軽自動車除く)
  • ・トラック全台を格納できる車庫を確保すること
  • ・5名以上のドライバーを確保すること
  • ・ドライバー全員が社会保険に加入すること
  • ・6か月間分の運転資金(税金・保険は1年分。家賃・車両費は1年分)を確保すること
  • ・整備の実務2年以上経験者で整備管理者選任前研修を受けた人、もしくは国家資格整備士資格保有者を確保できること

これらの要件を整え、一般貨物自動車運送事業新規許可申請書を作成し、営業所を管轄する運輸支局に申請します。
専門の行政書士に依頼すれば約4~6カ月で許可が下ります。ご自身で申請するか、慣れてない行政書士が申請すると、平均10カ月~12カ月で許可が下ります。

緑ナンバーを取ったらしなければいけないことはなに?

白ナンバーでやっていたときから、緑ナンバーになったときに発生する大きな違いは以下の通りです。

緑ナンバー事業者になったときの大きな義務

  • ・役員従業員全員が社会保険に加入しなければならない
  • ・毎日、乗務前と乗務後に運行管理者による対面点呼を実施した上で、点呼記録簿に記録しておくことが必要(点呼記録簿エクセルダウンロード
  • 点呼記録簿イメージ

    点呼記録簿イメージ

  • ・毎日、日報を記録することが必要(日報エクセルダウンロード
  • 日報のイメージ

    日報のイメージ

  • ・車庫を拡大するときは運輸支局の認可が必要(1~3か月。白ナンバーのときは警察の車庫証明が数日で下ります)
  • ・運転者全員に初任運転者適性診断を受診させる必要があります
  • ・法定3か月車両点検の実施
  • ・全従業員に対して、年1回の健康診断
  • ・運転者台帳(雇い入れ時に作成、各種診断受診時等に更新)(運転者台帳エクセルダウンロード
  • 運転者台帳のイメージ

    運転者台帳のイメージ

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