ドライバーが独立!!自分の営業ナンバー取得するための全てを専門行政書士が解説

公開日:2019年5月12日

運送会社勤務ドライバーの方。「いつまでもドライバーのつもりはない、いつかは独立!!」しかし、会社の作り方、緑ナンバーの取り方、必要なお金、わかりませんよね?会社の作り方から緑ナンバーの取り方まで知りたい方、必見です。全ての疑問を解決します。

ドライバーから独立して緑ナンバー取得!!

ドライバーから独立して緑ナンバー取得!!

運送業専門行政書士鈴木隆広■この記事を書いた人:運送業専門行政書士「行政書士鈴木隆広」 神奈川運輸支局前、一般貨物自動車運送事業一筋10年の行政書士。平成30年1月には業界初の本格的運送業手続き専門書籍「貨物自動車運送事業 書式全書」が日本法令から出版される。【住所:神奈川県横浜市都筑区池辺町3620】

 

絶対外せないチェック事項

ドライバーから会社をおこすのは当然大変なことですが、無茶ではあるかもしれませんが、無理ではありません!やるべきことをしっかりやれば、緑ナンバーは取れます。
しかし、やらないといけないことは山ほどあるので、すべてをチェックしようとすると途方に暮れて全く前に進みません。
まずは、絶対外せない項目だけチェックしましょう!!

<運送会社を作るための4大ハードル

まずは、最重要となるポイントからクリアできるかどうか考えて行きましょう。

  • 1.独立したら仕事を取れるメドがあるか
 今の仕事の下請けだけではそれは事業とは言えません。自分の人脈でそれを広げて行く強い気持ちが必要です。
2.運行管理者国家資格を持っているか
 他のモノは自分が頑張ればなんとかなりますが、運行管理者の資格者を見つけるのは容易ではありません。ご自身で運行管理者資格を取得するか、色々な人に声をかけて見つけてください。
3.整備士の資格を持っている、もしくは、点検整備の実務経験が2年以上あるか
 整備管理者選任前研修は試験でないので、運行管理者よりハードルは低いですが、その代わり2年の実務経験が必要です。
4.トラックとドライバーを5人以上揃えられるか
 トラックを5台を揃えるだけでなく、ドライバー5人以上を雇った上に社会保険にも加入させなければいけません。感覚では、手取りの3割増しが総人件費になると思った方がよいです。

現時点でこれらが揃ってなくても良いですが、申請してから許可が出るまでの半年以内にこれら4ポイントの全てをクリアできるメドが立っていなければ、スタートはまだ早いです。

これらをクリアできるのであれば、後述する許可要件を細かく確認していきましょう。

会社の作り方

個人事業主で緑ナンバーを取得しても良いですが、事業を大きくしていきたいと思っているのであれば、やはり株式会社もしくは合同会社を作るべきです。

株式会社と合同会社の違い

株式会社というのはよく聞くと思いますが、合同会社というのは聞きなれない言葉でしょう。どちらも“会社”という法人なのですが、以下のような違いがあります。

<会社形態によるメリットとデメリット>

  • 1.設立に必要な実費
 <株式会社>約20万円
 <合同会社>約6万円
2.設立後の負担
 <株式会社>決算の公告義務あり、役員任期があるため重任登記が必要
 <合同会社>決算公告義務なし、役員任期の定めなし
3.社会的信用
 <株式会社>大
 <合同会社>低い
4.銀行口座
 どちらも同様に作れます。しかし、どちらも都市銀行はともかく、信用金庫であってもどこでも口座を開けるわけではありません。

5.代表者の肩書
 <株式会社>代表取締役
 <合同会社>代表社員(名刺に”代表取締役”と書きたい方は株式会社にする必要があります)

普通は株式会社を作るお客様が圧倒的に多いです。
しかし、あのgoogleも合同会社なので、相手への信用を気にしないのであれば、合同会社でも全く問題ありません。

会社設立までの流れ

会社設立の流れ

  • ・次項で説明する社名等の情報を決定します
  • ・必要な書類を揃え、定款を作成します
  • ・公証公証役場で定款の認証をします(株式会社の場合のみ)
  • ・登記に必要な書類を作成します
  • ・法務局で法人設立登記の申請をします
  • ・約2~3週間後に法人登記完了
  • ・金融機関で法人の口座を作成

会社設立に必要なもの

【必要な情報】

    • ・社名
    • ・会社住所
    • ・事業目的(最低限、「一般貨物自動車運送事業」は入れましょう)
    • ・決算月
    • ・役員構成(1人で構いませんが、登記される役員が法令試験を受験する必要があります)
    • ・資本金額(何円でも構いません)

 

  • 【必要なモノ】

  • ・法人の実印となるハンコ
  • ・発起人(出資者)の印鑑証明
  • ・役員となる方の印鑑証明
  • ・資本金となる現金預金

これらを準備すれば、専門の行政書士や司法書士に依頼すれば法人設立をしてくれます。

会社設立までに必要な期間

定款の作成~認証まで最短で数日。
法務局への登記は司法書士の仕事ですが、申請書類作成~登記完了まで2週間~3週間程度。

法人謄本イメージ

法人謄本イメージ

一般貨物自動車運送事業の許可の取り方

名義貸しをしていて、自分の営業ナンバー取得を渋っている人安心してください。
今の時代、要件さえ揃えれば、営業ナンバーは必ず取れます!!

では、一般貨物自動車運送事業の許可はどのように取ればよいのか、一つずつ、一緒に確認していきましょう。

<一般貨物自動車運送事業の許可要件>
たくさんありますが、一つ一つ丁寧に準備すれば必ず許可が取れます!
  • 1.運行管理者の選任
運行管理者資格者証を持っている人が一人以上必要です。 運行管理者資格者証は以下の2つのどちらかの方法で取得できます。
・国家試験に合格する
・基礎講習1回と一般講習4回を5年間かけて受講し、運行管理補助者を5年経験する
2.整備管理者の選任
以下のいずれかの人が一人以上必要です。
・(2年以上の整備・管理等の実務経験)+(整備管理者選任前研修を受講)
・国家資格の整備士
3.運転者の雇い入れ
5名以上の運転者が必要です。 ※原則、運行管理者と別の人で5名以上で、全員が社会保険、雇用労災保険に加入する必要があります。
4.営業所、休憩睡眠施設の確保
特に面積や設備要件はありませんが、用途地域による制限があるので要チェックです。
5.車庫の確保
5台以上の事業計画車両全てを余裕を持って格納できる広さの車庫が必要です。 営業所からの直線距離の制限(5~20km。運輸局及び地域によって異なります)があります。
6.「5台以上」のトラックの確保
軽自動車でない、1,4、8ナンバーの積載構造がある貨物自動車が5台以上必要です。 自社所有である必要はなく、ローンやリースでも構いません。 リースもファイナンスリースだけでなくオペレーティングリース、メンテナンスリースでも構いません。
7.運転資金の確保
2か月分の運転資金、6カ月分の地代家賃、車両費及び1年分の税金・保険の現金が必要です。 地代家賃、人件費、車両費によりますが、一般的には最低でも600~1200万円の範囲の預金があることが必要です。
*2019年11月以降申請分より、「人件費、燃料費、油脂費、修繕費2ヶ月から6ヶ月」「車両費、施設購入・使用料6ヶ月から12ヶ月」「任意保険に対物200万円以上」と条件が変わるので、1500万円~2000万円の範囲の預金が必要になるでしょう。
<緑ナンバーの申請準備からナンバー登録までの流れ>
条件をしっかり確認したあとは、申請の準備~緑ナンバープレートの取付まで全体を把握しましょう!
  • 1.許可要件の確認
 5台のトラック、営業所、車庫、運行管理者、整備管理者、必要資金などを要件通りに準備します
2.申請書類の準備、作成(※行政書士に依頼するとすごく楽で確実です)
 賃貸借契約書、見積書、残高証明書、幅員証明書、図面等
3.管轄の運輸支局を通じて運輸局に申請する
 申請書と添付書類を整えて2部提出します)
4.運輸局での審査
 この審査が3~5か月ほどかかります
5.申請月の翌月以降の奇数月に役員法令試験を受験する
 登記されている常勤役員の一人が合格する必要があります
6.2回目の残高証明を提出(申請から約2~3か月後)
 申請時の資金計画の必要金額を下回らないようにしましょう
7.申請から3~5か月後くらいで許可が下りる
 その後、許可証交付式にて許可証を受け取ります
8.登録免許税12万円を国土交通省に納付する
9.運行管理者と整備管理者の選任届を提出
10.運輸開始前確認報告を提出する
 社会保険や雇用労災保険の加入証明や運転免許証の準備が必要
11.事業用自動車等連絡書を運輸支局輸送担当にて発行してもらう
12.車検証を自社名義の緑ナンバー事業用に書き換える
 委任状などを用意して車検証を書き換える。ナンバー変更の必要があればトラックを管轄の運輸支局・登録事務所に持ち込む
13.運輸開始届を提出
 緑ナンバーでの事業を開始したら、緑ナンバー書き換え後の車検証を添付し、運輸支局に運輸開始届を提出して一連の流れが完了します

以上、まとめたように13段階もの手続きが必要で、その期間は準備を含めて最低でも6か月以上かかる大変な作業です。(上記、13段階PDFダウンロードはこちらをクリック

一般貨物自動車運送事業者になることで新たに発生する負担

緑ナンバーを付けると、一般貨物自動車運送事業者としての多くの義務が課されます。
すでに緑ナンバー事業者で働いているので、日報などの帳簿は付けているかと思われます。
しかし、会社の社長としての責任が発生しますし、従業員も自分で募集をかけて自分で採用しなければなりません。しかも、辞めてしまうかもしれないのです。。。
大きなところについて、一つずつ丁寧に解説します。

様々な経費を考える必要があります

社長になると、サラリーマンのときでは見られなかったすべての出ていくお金が見えるようになります。
サラリーマンのときは、もらった給料の中で自分の家族を養えばよかったですが、社長は会社の売上の中から、会社と従業員全てを養わなければなりません。
具体的には以下のような経費が出ていきます。

車両の保険

トラックの自賠責保険は、自家用積載2トン超が28720円、事業用積載2トン超が39540円です。

任意保険については当然損保会社によって異なりますが、事業用トラックの方が大幅に高くなります。

帳簿・点呼・教育・診断

一般貨物自動車運送事業者になると、毎日の義務が格段に増えます。しっかりやらなければ行政処分で車両を停止させられてしまいます。

対面点呼・点呼記録簿

出発時と乗務終了時に、必ず運行管理者による対面点呼をしなければなりません。

日報(乗務等の記録)

毎日、乗務日報を記録しなければなりません。ドライバーの協力が不可欠です。

運転者台帳

ドライバーを雇い入れたら、運転者台帳を作成しなければなりません。

初任運転者の適性診断の受診

ドライバーを雇ったら、始めの1回だけでよいので、NASVA等で初任運転者の適性診断を受ける必要があります。
適性診断を受診できる機関についてはこちらを参照してください。

初任運転者適性診断を受診できる機関リスト

3か月点検

一般貨物自動車運送事業用のトラックは、3カ月定期点検を実施しなければなりません。

初任運転者の特別な指導

適性診断とは別に、15時間以上の講習と20時間以上の添乗等による実技指導をしなければなりません。

ドライバー12項目研修

毎年、以下の12項目について運行管理者を中心として、ドライバー全員に教育をした上で、議事録を残さなければなりません。

ドライバー教育12項目

  • ・事業用自動車を運転する場合の心構え
  • ・事業用自動車の運行の安全を確保するために遵守すべき基本的事項
  • ・事業用自動車の構造上の特性
  • ・貨物の正しい積載方法
  • ・過積載の危険性
  • ・危険物を運搬する場合に留意すべき事項
  • ・適切な運行の経路及び当該経路における道路及び交通の状況
  • ・危険の予測及び回避並びに緊急時における対応方法
  • ・運転者の運転適性に応じた安全運転
  • ・交通事故に関わる運転者の生理的及び心理的要因並びにこれらへの対処方法
  • ・健康管理の重要性
  • ・安全性の向上を図るための装置を備える事業用自動車の適切な運転方法

健康診断

毎年、ドライバー全員に最低1回の健康診断を受けさせなければなりません。
休日に行ってもらうのは難しいでしょうから、なんとか勤務日に仕事を調整し、受けに行ってもらうようにしなければなりません。
基本的にはその時の給料は支払うべきです。

事業報告書・事業実績報告書の提出

毎年、運送事業の決算情報を報告する「事業報告書」と、走行距離や輸送トン数等を報告する「事業実績報告書」を提出しなければなりません。

その他、一般貨物自動車運送事業者になった場合にやらなければいけないことについては、以下のページをご覧ください。

車両停止行政処分のリスク

一般貨物自動車運送事業となると、たった一人のドライバーの違法行為をきっかけに監査が入り、会社に対して行政処分が下されます。
それにより、複数台の車両が停止処分になるというリスクもあります。
しかし、その間もドライバーには当然給与を補償しなくてはなりません。
大きなトラックを運行する一般貨物自動車運送事業は、当然、その義務や責任もとても大きくなるというわけです。

一般貨物自動車運送事業許可を取った場合のメリット

一般貨物自動車運送事業の許可業者になるということは、さきほど説明したように、負担やリスクが存在しますが、サラリーマンはいくら頑張っても天井がありましたが、社長になれば無限のチャンスがあります

本気で仕事を取りに行ける

事業規模向上!!

事業規模向上!!

一般貨物の許可を取れば、大きな商談もあるでしょう。
一般貨物自動車運送事業者になるということは、組織になる準備が整ったということです。本当の経営者になるということです。
それにより、社員の福利厚生を厚くすることもできますし、会社としてのブランディングも更に強める選択肢は増えていきます。
「会社にする」ということは、それまでとは全く次元が異なるステージです。
会社一丸となり、物流の一翼を担う組織を遠慮なく作っていきましょう。

トラック協会に入れる

一般貨物自動車運送事業は、都道府県単位と全国単位でトラック協会があります。
切磋琢磨できる会社の社長と出会えるチャンスも格段に広がりますし、運送事業の未来を一緒に語る仲間もできるでしょう。

全日本トラック協会

グリーン経営認証やGマーク

経営陣の気持ち次第で、既に準備されている「良い会社を作る方法」が様々用意されています。
Gマークロゴ グリーン経営認証ロゴ

※全日本トラック協会、エコモ財団より引用

まとめ

真面目に働けば給料がもらえたサラリーマンの状態から、例え売上が少なくても従業員に給料を払わなくてはいけない社長になるというのは、別の生き物になるということです。
しかし、自分の理想の場所に行くためには、すべてを自分で決められる”社長”という立場になるしかありません。
トラサポと一緒に、自分が考える良い会社を作りましょう!!
強い気持ちさえあれば、クリアできないハードルなんてありません。

行政書士

チャンスがあるのであれば、ぜひ一般貨物自動車運送事業の許可取得にチャレンジしましょう!

  • 一般貨物自動車運送事業許可申請ポイントを、マンガでわかりやすく解説!

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