運行管理補助者の選任方法、点呼の権限(一般貨物自動車運送事業)

公開日:2020年4月5日 / 更新日:2020年7月23日

運行管理補助者は全体の3分の2の点呼をすることができます。補助者になるための資格、点呼で問題があったときの対処、必要な手続き、補助者は一般講習受講義務あるかなど詳しく解説

運行管理補助者の解説

運行管理補助者の解説

運送業専門行政書士鈴木隆広【トラサポ主宰】運送業専門行政書士「行政書士鈴木隆広」 神奈川運輸支局前、一般貨物自動車運送事業一筋14年の行政書士。平成30年1月には業界初の本格的運送業手続き専門書籍「貨物自動車運送事業 書式全書」が日本法令から出版される。【本部:神奈川県横浜市都筑区池辺町3573-2-301】

運行管理補助者とは

運行管理補助者とは、その名の通り一般貨物自動車運送事業の運行管理において、運行管理者をサポートする人のことです。
しかし、なんでも代わりにできるのかというとそうではありません。補助者がなにができてなにができないのかはルールで明確に決まっているのです。

補助者の権限・業務

貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について以下のように運行管理補助者の存在について記載されています。

補助者の権限

  • 補助者は、運行管理者の履行補助を行う者であって、代理業務を行える者ではない。
    ただし、点呼に関する業務については、その一部を補助者が行うことができるものとする。

つまり、運行管理補助者は基本的には一人で運行管理の仕事をすることはできません。あくまで運行管理者がいることが前提で、そのサポートをすることが仕事です。
その中で、「点呼実施」のみ「単独で」実施することが可能と書いてあります。
しかし、点呼の際に酒気帯びや睡眠不足などなにも問題が無い場合は良いとしても、問題がある場合は補助者では判断することができません

同じ解釈及び運用の中に書いてある内容を見てみましょう。

【貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用】より抜粋

  • 補助者が行う補助業務は、運行管理者の指導及び監督のもと行われるものであり、補助者が行うその業務において、以下に該当するおそれがあることが確認された場合には、直ちに運行管理者に報告を行い、運行の可否の決定等について指示を仰ぎ、その結果に基づき各運転者に対し指示を行わなければならない。
    イ.運転者が酒気を帯びている
    ロ.疾病、疲労、睡眠不足その他の理由により安全な運転をすることができない
    ハ.無免許運転、大型自動車等無資格運転
    ニ.過積載運行
    ホ.最高速度違反行為

つまり、運行管理者が休んでいる場合でも、点呼時になにか問題があった場合は携帯電話・IT機器などで連絡が取れるようにしておく必要があるわけです。

特に乗務前点呼を補助者が代行する場合、イとロのケースがあり得るパターンでしょう。

このような問題が出てきた場合、補助者はどうすればいいのでしょうか?

運行管理補助者による点呼の流れ

点呼結果で問題が無ければドライバーは業務開始してよいでしょう。
しかし、点呼で問題がある場合は補助者が判断をすることはできません。必ず運行管理者に判断を仰ぐ必要があります。

もしアルコールが検知されてしまったら?

社内ルールにて「1回目のアルコール検知で検出された場合、30分後にもう一度検査」等が制定されていればそのルールに基づき、再度検知した上で呼気からアルコールが検知されなければ業務開始で良いでしょう。しかし、再度検知されたら運行管理者に判断を仰ぐ必要があります。

運行管理者補助者は3分の2まで点呼可能

運行管理補助者は3分の2まで点呼ができるというのは多くの方がご存知かと思います。
さて、それは30日のうち20日というように1日単位なのでしょうか?
それとも単純に述べ回数の3分の2まで大丈夫なのでしょうか?

回数単位で考えるのが正解です。
つまり、10人のドライバーの乗務前と乗務後の2回、つまり延べ20回の点呼の場合。
たとえば朝だけ10人全員について運行管理者が乗務前点呼し、帰庫時の乗務後点呼は全て補助者が実施するという形態も問題ありません。

1日単位と考えると使い勝手が悪いですが、そのように柔軟に活用することで運行管理者の負担を減らすことができます。