一般貨物自動車運送事業の始め方を行政書士が解説!

公開日:2018年9月30日 / 更新日:2018年11月9日

一般貨物自動車運送事業とは国土交通大臣の許可を受けて行う仕事です。一般貨物自動車運送事業とはなにか?許可取得の要件[車庫・営業所]など、法令試験合格方法、許可までの流れ、最後に毎年の報告書・変更届・運賃料金表まで完全公開します。

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運送業専門行政書士鈴木隆広■この記事を書いた人:運送業専門行政書士「行政書士鈴木隆広」
神奈川運輸支局前、一般貨物自動車運送事業一筋10年の行政書士。平成30年1月には業界初の本格的運送業手続き専門書籍「貨物自動車運送事業 書式全書」が日本法令から出版される。【住所:神奈川県横浜市都筑区池辺町3620】

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一般貨物自動車運送事業の許可

一般貨物自動車運送事業を行うには人・モノ・金について8つの条件をクリアして、国土交通大臣の許可をもらわなければなりません。
沢山あって大変ですが、社会的に重要な仕事であることの裏返しでもあります。
このページでは「一般貨物自動車運送事業とは何か?」を始めに理解したあとに、申請から許可証交付までの流れ、最後に許可要件を確認しましょう。

一般貨物自動車運送事業とは?[意味と法律]

一般貨物自動車運送事業とは一言で言うと以下の説明になります。
「トラックで他人・他社から運賃をもらってモノを運ぶ仕事」
【該当ケース】運賃をもらって、建材屋さんからペンキを工事現場までトラックで運ぶ仕事
【非該当ケース】パン屋さんがスーパーに自社製品を納品するようなトラックでの仕事

根拠となる法律(貨物自動車運送事業法第2条第1項)

  • 一般貨物自動車運送事業とは、他人の需要に応じて有償で、自動車(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車を除く)を使用して貨物を運送する事業であって、特定貨物自動車運送事業以外のものを言います。

経営許可申請書作成の準備から許可証交付までの流れ

一般貨物自動車運送事業をはじめるには、国土交通大臣の許可を得なければなりませんが、なにを準備してどこに経営許可申請書を提出すればいいのかわかりませんよね。そこで、準備から緑のナンバープレートを取り付けるまでを13段階に分けてわかりやすく解説します。

一般貨物自動車運送事業許可証取得までの流れ

申請の準備~緑ナンバープレートの取付まで全体を把握しましょう!

  • 1.許可要件の確認
 5台のトラック、営業所、車庫、運行管理者、整備管理者、必要資金などを要件通りに準備します。許可要件について詳しくはコチラをクリック
2.経営許可申請書類の準備、作成(※行政書士に依頼すると楽で確実です。お問合せはお問合フォームフリーダイヤル0120-546-784までお気軽に!!)
 賃貸借契約書、見積書、残高証明書、幅員証明書、図面等を作成準備します。
3.管轄の運輸支局を通じて運輸局に申請する
 申請書と添付書類を整えて2部提出します。
4.運輸局での審査
 この審査が3~5か月ほどかかります。
5.申請月の翌月以降の奇数月に役員法令試験を受験する
 登記されている常勤役員の一人が合格する必要があります。
法令試験は2か月に一度奇数月に実施され、合格率は50~80%です。
6.2回目の残高証明を提出(申請から約2~3か月後)
 申請時の資金計画の必要金額を下回らないようにしましょう。
7.申請から3~5か月後くらいで許可が下りる
 許可が下りたら、許可証交付式にて許可証を受け取ります。
8.登録免許税12万円を国土交通省に納付する
 運輸局から送られてくる納付書にて12万円を支払い、支払証明書を運輸局に返送します。
9.運行管理者と整備管理者の選任届を提出
 運行管理者資格者証、整備管理者資格者証を添付して運輸支局に選任届を提出します。
10.運輸開始前確認報告を提出する
 社会保険や雇用労災保険の加入証明と運転免許証を準備します。
11.事業用自動車等連絡書を運輸支局輸送担当にて発行してもらう
 車検証を事業用にするために必要な連絡書を車両台数分準備します。
12.車検証を自社名義の緑ナンバー事業用に書き換える
 委任状などを用意して車検証を書き換えます。ナンバー変更の必要があれば、トラックを管轄の運輸支局・登録事務所に持ち込みます。
13.運輸開始届を提出
 緑ナンバーでの事業を開始したら、緑ナンバー書き換え後の車検証を添付し、運輸支局に運輸開始届を提出して一連の流れが完了します。

以上、まとめたように13段階もの手続きが必要で、その期間は準備を含めて最低でも6か月以上かかる大変な作業です。(上記、13段階PDFダウンロードはこちらをクリック

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国土交通省の公示基準

全てのルールの具体的な根拠は各地運輸局の公示基準となります。
ここでは大元である国土交通省の公示基準を以下に掲載します。この文書がすべての根拠となっているわけですね。

許可の要件

許可までの流れがわかったところで、一般貨物自動車運送事業の許可要件をしっかり確認して準備をしましょう。尚、これについて緑ナンバー取得方法の記事にて詳細を解説しているのでこのページでは詳細は割愛し、概要のみ解説します。

一般貨物自動車運送事業の許可要件

  • 1.経営者の条件
 一般貨物自動車運送事業の許可取り消しを受けていたらNGなどの条件があります。また、役員が法令試験に合格しなくてはなりません。
2.運行管理者の選任
 1営業所に1名以上、運行管理者資格者証を持っている人の選任が必要です。
3.整備管理者の選任
 整備士または整備管理者選任前研修修了者の選任が必要です。
4.運転者の雇い入れ
 車両台数以上の常時選任運転者の雇い入れが必要です。
5.営業所、休憩睡眠施設の確保
 運行を管理できる建物施設が必要です。
6.車庫の確保
 規定の広さや前面道路をクリアした車庫が必要です。
7.5台以上のトラックの確保
 1営業所に5台以上のトラックの配備が必要です。
8.必要資金の証明
 2か月以上の運転資金を証明するための残高証明の提出が必要です。

法令試験の概要[過去問・合格率・日程]と合格方法

一般貨物自動車運送事業の許可を得るには、役員が法令試験に合格する必要があります。概要や合格基準などを確認しましょう。

一般貨物自動車運送事業法令試験合格対策

誰が受験するか

申請者が法人であれば、登記されている常勤役員のどなたか一人が受験してください。
個人事業主として申請しているのであれば、事業主本人だけが受験できます。

実施の日程

申請した月の翌月以降の奇数月に試験開催となるので、2か月ごとの開催となります。前月後半になれば、運輸局に電話して試験日を教えてもらうことができます。
この時期になれば、運輸局から試験日程の郵便が届くので、絶対にその日程を休まないようにしてください

出題範囲

貨物自動車運送事業関連と経営者として必要な法令についての知識が確認されます。具体的には以下の法律の中から出題されます。

法令試験の試験範囲

昨今のコンプライアンス強化を背景に、平成20年から役員法令試験が復活しました。貨物自動車運送事業法を中心に運送業を経営するために必要な法令知識が問われます。

  • (1)貨物自動車運送事業法
  • (2)貨物自動車運送事業法施行規則
  • (3)貨物自動車運送事業輸送安全規則
  • (4)貨物自動車運送事業報告規則
  • (5)自動車事故報告規則
  • (6)道路運送法
  • (7)道路運送車両法
  • (8)道路交通法
  • (9)労働基準法
  • (10)自動車運転者の労働時間等の改善のための基準
  • (11)労働安全衛生法
  • (12)私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律
  • (13)下請代金支払遅延等防止法

合格基準と試験概要

1回の新規許可申請で、法令試験に2度不合格になると申請自体を取下げなければなりません。取り下げるとまた再申請となり、許可取得が半年遅れることとなるので絶対に合格しなければなりません!

法令試験の試験概要

  • ・50分で30問
  • ・合格基準は30問中24問正解(※つまり6問しか間違えられないのです)
  • ・設問方式は○×方式及び語群選択方式

正確な知識があれば、50分で30問は時間が足りないということはありません。逆に正確な知識がないと、いくら条文集をめくっても合格はできません。

合格率と難易度

合格率は地域や開催月によって異なりますが、全国的に大体6割~7割です。

試験対策テキストと過去問題

トラサポではオリジナルテキストと各運輸局で実際に出題された過去問題1年分をご提供します。

トラサポ行政書士からの回答!

【特典!!】トラサポ行政書士に一般貨物自動車運送事業許可申請をご依頼いただいたお客様には、無料で過去問題をご提供します!!

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許可取得後の手続き[事業報告書・実績報告書・変更届]

一般貨物自動車運送事業の許可を取得してもそれで終わりではありません。
毎年の報告書、なにか変更があったときの変更届・変更認可申請などが必要なのでそれらについて代表的なものを解説します。

事業報告書の内容と提出時期

事業報告書とは、毎年の決算内容を運送事業用に編集して作成するものです。
提出時期:決算月の月末から100日以内に提出する必要があります。例えば3月末決算であれば7月9日が期限です。
>さらに詳しい解説と事業報告書の書き方についてはこちらをクリック

事業実績報告書の内容と提出時期

毎年7月10日までに前年4月1日から本年3月31日までについて、走行距離や輸送トン数などの輸送実績を報告しなければなりません。
>さらに詳しい解説と事業実績報告書の書き方についてはこちらをクリック

変更認可申請

運送事業を長く経営していると車庫を増やしたり、営業所を新設したり事業計画を変更することがあるでしょう。そのような場合、変更の認可申請が必要なものと変更届で済むものがあります。以下に認可が必要な代表的な手続きをまとめました。

変更認可申請が必要な代表的なキッカケ

    • ・営業所の新設・引越
    • ・車庫の新設・引越
    • ・利用運送をするかしないか
    • ・合併・分割・譲渡譲受

また、変更認可申請と変更届の処理期間の違いも簡単にまとめました。

変更認可申請と変更届の処理期間の違い

変更認可
1~2か月かかるものが多い
変更届
基本は事後届(提出したら即完了)。台数変更(増車・減車)届のみ事前届(提出したら即完了)

変更届

変更届は認可申請より軽微な変更の際に必要な手続きです。代表的な手続きをまとめました。

変更届が必要な代表的なキッカケ

    • ・役員の変更・追加・退任
    • ・住所の変更
    • ・車両台数の増車・減車
    • ・利用運送営業所の新設

貸切運賃料金表の解説とひな型

許可が下りたら運賃料金表を提出しなければなりません。運賃料金表のルールと提出先などについて解説します。

貸切運賃料金のルールとは

昔はタリフと呼ばれる標準貸切運賃料金表がありましたが、今はなんの基準もありません。自由な運賃料金を設定し、それを運輸支局に提出します。
提出期限は、自社の運賃料金を定めてから30日以内となっています。
その際、貨物自動車運送事業報告規則では以下を記載することが求められています。

運賃料金設定届の記載項目

    • ・名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
    • ・事業の種別(一般貨物自動車運送事業)
    • ・運賃及び料金を適用する地域
    • ・運賃及び料金の種類、額及び適用方法
    • ・実施日

貸切運賃表のひな型

実際に数字が入った貸切運賃表のひな形はなかなか見つからないと思うので、サンプルを提供することとしました。
>ご希望の方はお問い合わせフォームからメール送信お願いします。

許可番号や事業者番号の検索方法

普段、自社の許可番号を気にすることは少ないので、意外と知らないお客様が多いです。ここでは許可番号や事業者番号の確認方法をまとめました。残念ながらインターネット上で許可番号を検索できるサービスはありません。

自社の許可番号の調べ方

新たな荷主と契約を結ぶ際や、金融機関に融資を申し込む際など許可番号を求められる場合があります。
許可番号は許可証の以下の場所に書いてあります。
一般貨物自動車運送事業許可を取得したら、許可番号を自社のホームページに掲載しておくと、安心安全な企業であることを利用者へアピールできるのでオススメです!

事業者番号を検索できるサイトはコチラをご利用ください。

一般貨物自動車運送事業の許可番号と事業者番号

他社の許可番号や事業者番号の検索方法

運輸支局の輸送担当窓口に行けば、許可番号を教えてくれます。また、事業者番号も同様に窓口で教えてくれます。

事業者番号を検索できるサイトはコチラをご利用ください。

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その他よくある質問

許可が必要な仕事と許可が不要な仕事はなにが違うのですか?

白ナンバーと緑ナンバーの違いについての疑問

「自分の仕事は運送業の許可が必要なのかどうなのかよくわからない?」と不安な方も多いでしょう。ご相談が多いケースについて解説します。

【ケース1】産業廃棄物や一般廃棄物の収集運搬車は許可が必要か?

多くの場合、必要です。産業廃棄物や一般廃棄物の収集運搬車は許可を取っているからと言って、貨物自動車運送事業法上も問題ないということにはなりません。厳密に言うと他人のモノを運んでいるので一般貨物自動車運送事業が必要です。実際に緑ナンバーの廃棄物収集運搬車も走っています。

【ケース2】コンクリートミキサー車は許可が必要か?

多くの場合、必要です。この場合、自社のコンクリートであれば白ナンバーで大丈夫ですが、自社でコンクリートの工場を持っていないのであれば他人のモノを運ぶことになるので一般貨物自動車運送事業の許可が必要となります。

【ケース3】ダンプは許可が必要か?

多くの場合、必要です。この場合もケース2と同様で、自社のモノを運ぶのであれば白ナンバーで大丈夫ですが、他社から頼まれて土砂などを運ぶのであれば、他人のモノを運ぶことになるので一般貨物自動車運送事業の許可が必要となります。

【ケース4】車の修理工場が修理した車両を積載車で運ぶのは許可が必要か?

原則は許可不要です。確かに他人の車を運ぶのですが、この場合は修理がメインとなる仕事です。メインの修理に付随して運ぶという場合なので、原則としては一般貨物自動車運送事業の許可は不要です。

【ケース5】町工場が預かった鉄板を加工して納品するときは許可が必要か?

原則は許可不要です。この場合もケース4と同様で、メインの仕事は鉄加工であり、運搬はそれを納品するための付随業務です。従って、原則としては一般貨物自動車運送事業の許可は不要です。

【ケース6】親会社の荷物を運ぶときは許可が必要か?

親子会社やグループ会社であっても“他社”であることには変わらないので、許可が必要です。

まとめ

  • 一般貨物自動車運送事業行政書士よるワンポイント解説

    行政書士鈴木隆広

    自社の所有物を運ぶトラックは白ナンバーで構いません。そして、他社のモノでも運搬業務がメインでなく付帯作業であれば、原則として一般貨物自動車運送事業の許可は不要です。しかし、どこまでが付帯作業かについて明確なルールがあるわけではないので、都合の良いように解釈すると違法行為となってしまうので注意しましょう。

  • 一般貨物自動車運送事業許可申請ポイントを、マンガでわかりやすく解説!

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