一般貨物自動車運送事業の役員法令試験 徹底解説 | 運送業 緑ナンバー
役員法令試験、絶対不合格できず不安ですよね?法令試験は誰が受験できるのか、試験の概要、試験範囲、試験対策方法(効率的な勉強方法、どのくらい勉強したらいいのかの目安、問題の選別方法など)、難易度、日程・合格率などについて解説します。
【トラサポ主宰】運送業専門行政書士「行政書士鈴木隆広」 神奈川運輸支局前、一般貨物自動車運送事業一筋16年の行政書士。平成30年1月には業界初の本格的運送業手続き専門書籍「貨物自動車運送事業 書式全書」が日本法令から出版される。【本部:神奈川県横浜市都筑区池辺町3573-2-301】法令試験の日程
法令試験は申請前に受けることはできません。原則、以下のように奇数月の実施となっています。
申請の種類による法令試験の日程
- 新規許可
- 申請した月の翌月以降の奇数月
- 譲渡譲受
- 月の始めに申請すると当月の終わりが試験日になることもあります。そうでなければ申請した月の翌月以降の奇数月
運輸局ごとの試験日程のご案内(あくまで基本ルールです)
- 北海道運輸局 ※基本は奇数月の20日
- 東北運輸局 ※基本は奇数月の20日
- 関東運輸局 ※基本は奇数月のどこかの水曜日(月2回実施)
- 北陸信越運輸局 ※基本は奇数月の20日
- 中部運輸局 ※基本は奇数月中旬
- 近畿運輸局 ※概ね中旬に実施。会場の都合により都度調整
- 中国運輸局 ※第4水曜日
- 四国運輸局
- 九州運輸局 ※概ね20日前後で調整
- 沖縄総合事務局
譲渡譲受の際は試験日が最短で当月の終わりになることがあるので、申請する前にぜひ運輸局に確認してください。
「試験勉強する暇がない!!」
というと頑張って申請しても不合格になれば結局認可が遅くなってしまいます。
試験の通知はいつ来るのでしょうか?
関東運輸局の場合は、試験日の2週間前程に通知が発送されます。
また、試験日が変更になる可能性もゼロではありません。
大変ですが、日程調整できるようにしておきましょう。
法令試験の日にどうしても外せない用事ができたらどうすればいいでしょうか
基本的にはどのような事情があっても配慮されません。法令試験の案内通知には、「欠席の方は必ず事前にご連絡ください」と書いてあるので、連絡すればなんとかなるのかな?と思いますよね。
実際はなんともならず、事前連絡したとしても「欠席=不合格」です。
※現在はコロナ下なので欠席しても不合格扱いにならないケースもあります。運輸局に相談してください。
一般貨物自動車運送事業新規許可申請前に役員法令試験を受けることはできますか?
「役員法令試験に合格した後に安心して一般貨物自動車運送事業の許可申請を出したい」ということをよく聞きますが、残念ながら役員法令試験は一般貨物自動車運送事業新規許可申請した後にしか受けることができません。
法令試験は誰が受けられるのか?
登記されている常勤役員が法令試験を受けなければなりません。
つまり登記されていない執行役員は受けられない、ということです。
注意!!※運行管理者の資格をお持ちでも法令試験は受けないといけません。
常勤役員ということは、役員構成もはじめから検討しておかないといけないということですね。
しかも2回、不合格もしくは欠席を続けると申請を取り下げさせられます。
そうなるともう一度申請しなおしですから最悪半年近くも許可が遅くなる計算になります。
同じ会社の役員2名以上が同時に受験できますか?
残念ながら同じ会社から2名が同じ試験日に受験することはできません。同じ会社からは登記されている常勤役員1名で受験してください。
個人事業主での申請の場合は誰が受けられますか?
個人事業主での申請、社長はその人なので、個人事業主しか受験できません。たとえ配偶者(夫、妻)が役員のように共同経営していても、社長は一人です。
法令試験の概要
実際の法令試験の時間や問題数は以下の通りです。
役員法令試験の概要
-
- 50分で30問
- 合格基準は8割正解。30問中24問正解(※つまり6問しか間違えられないのです)
- 設問方式は○×方式及び語群選択方式
以前は紙媒体であれば持込み可能でしたが、今後は試験会場で配られる条文集だけを頼りに戦わなくてはなりません。
どの申請で法令試験に合格しないといけないのか
一般貨物自動車運送事業新規許可申請、譲渡譲受認可申請、相続認可申請、合併や分割認可申請の際に登記されている常勤役員が頑張って合格しなければなりません。
ただし、譲渡譲受、合併、吸収分割の場合であって存続会社が一般貨物許可を保有している場合は法令試験は免除されます。
受験会場はどこなのか
原則は運輸支局ではなく、運輸局での受験となります。
しかし、東北運輸局は1回目不合格の人の2回目は運輸支局で受けるようなので、管轄によって若干異なります。
合格発表はいつなのか
合格発表については通常、試験実施日の1週間後程度に郵便で通知が来るので、ちゃんと郵便受けを確認するようにしましょう。
中部運輸局など、一部の運輸局では、当日にしばらく待っているとその場で発表されるところもあります。
法令試験の合格率・難易度
法令試験の合格率はどのくらいですか?
以前は30%などと低かったですが、最近は50~80%の合格率になっています。合格率は低くありませんが、勉強しなければ合格はムリだと思います。30問のうち8割正解しなければならないので6問しか間違えることができません。
一問一答ですから、しっかり勉強すれば時間が足りないということはありません。
しかし九州運輸局は令和4年に合格率10%前後でした。実際に私も50分で解いてみましたが、これは素人が合格できる試験ではありません。相当な訓練が必要です。
試験対策方法
運輸局によって問題の傾向や合格率がかなり異なりますが、共通の勉強方法は同じです。
1.過去問題を何回もしっかり解く
過去問題を記憶するだけでは合格できませんが、まずはどんな問題が出るのか知らなければお話になりません。
少なくとも1年分を3回は解くようにしましょう。
そうすることで自然と何回も出る問題がわかり、どの部分でひっかけてくるのかがわかるようになります。
2.条文集をすぐ開けるようにする
運行管理者と最も異なる点は記憶で解くのでなく、条文集を開いて解くという点です。
つまり、記憶で解けない問題が出されるということです。
条文集も若い番号の条文であれば比較的時間をかけずに探せるでしょうが、数問は後ろの方の条文の問題が出ることがあります。それらの問題の中では、運輸局によってはよく出る問題が決まってるものもあるので、過去問題を研究してそのような問題は条文の数を記憶する必要があります。
50分で30問を解くということは、1問を90秒で進んで行かなければなりません。
条文が探せないで数分かかってしまうとそれだけで合格率はガクンと落ちてしまいます。
60秒で条文を探せなければ次の問題に進む勇気も必要でしょう。
3.解けなくても良い3問を正しく捨てること
30問中6問は間違えて良いわけです。
30問中毎回3問くらいは「解けなくても仕方ない」問題があります。
それは条文が探しづらかったり、複数の条文の組み合わせだったり、信じられない場所のヒッカケだったり、問題文が長すぎたり、いろいろな仕掛けをしてきます。
それらを解こうとすると5分くらい平気で使ってしまいます。
そんなことしていたらあっという間に時間はなくなってしまいますから、正しく3問を捨てられるようにすることが大切です。
4.記憶で解ける問題を増やす
特に時間や日数の数字については間違っていたら即×にできるものもありますから、それらを増やすことが時短につながります。
また、認可や届出の区別の問題は条文集から開くのは至難の業ですから記憶するのが得策でしょう。
5.どれくらい勉強すれば合格できますか?
過去問題を繰り返し解いた後で、全ての過去問題について記憶でなく、本番と同様にちゃんと条文集で探して解いて、45分で27問確実に正解できるところまで勉強すればかなり合格には近くなっているはずです。
その他
それ以外にも細かいテクニックがたくさんあって、それらを駆使して合格ラインギリギリから3問くらい余裕を持つことができます。
そもそも〇×問題なのでなにも準備しなくても15問は解けるわけです。合格24問まであと15問中の9問をどうやって正解するか。そうなると細かいテクニックでの3問によって合格がかなり近くなります。
ぜひ過去問題をしっかり研究分析してください。
法令試験の試験範囲
法令試験の流れや時期はわかりましたが、実際どのような内容が出題されるのでしょうか?まとめてみました。こう見ると”法”ばかりでやる気をなくしますね。。。
試験会場で渡される条文集は厚さ2cmほどもあり、とてもじゃないですが専門家であっても調べることはできないでしょう。だからテキストや過去問題で事前に十分に勉強することが必須です。
法令試験の試験範囲
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- (1)貨物自動車運送事業法
- (2)貨物自動車運送事業法施行規則
- (3)貨物自動車運送事業輸送安全規則
- (4)貨物自動車運送事業報告規則
- (5)自動車事故報告規則
- (6)道路運送法
- (7)道路運送車両法
- (8)道路交通法
- (9)労働基準法
- (10)自動車運転者の労働時間等の改善のための基準
- (11)労働安全衛生法
- (12)私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律
- (13)下請代金支払遅延等防止法
その他よくある質問
試験会場にテキストは持ち込み可能ですか?
昔はテキスト持ち込みが可能でしたが、今は持ち込みはできません。
だから過去問を繰り返し勉強することが大切です。
役員が運行管理者に資格を持っていれば法令試験は免除になりますか?
残念ながら免除になりません。
本番は過去問題の使いまわしですか?
残念ながら、何パターンかの試験問題の使いまわしではありません。そして、個々の問題も全く問題が出ることもありますが、聞かれていること自体は同じですが、少し言い回しが違うこともあります。
要するに、本質的に問題を理解しないと正解にたどり着けないことも多くなってきました。
過去問題の問題数が30問より少ないのですが?
第2部の問題は1問で複数のことを問われることがあります。
例えば、問20にア~オの5つの枝問があれば、それは5問分となります。
従って、”問”自体は30より少なくても、実際の( )の数を数えると30となるのです。
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