緑ナンバーバイク便の始め方と8色のプレートを行政書士が解説

公開日:2018年12月26日 / 更新日:2019年11月4日

どんなバイクが緑ナンバーを取れるのか。また、どんなケースで緑ナンバーを取得しなければいけないのか。ウーバーイーツなど個人事業主になったときの保障や義務などの解説。白、黄、ピンク、緑のナンバーについて解説します。

緑ナンバーバイク便

緑ナンバーバイク便

運送業専門行政書士鈴木隆広■この記事を書いた人:運送業専門行政書士「行政書士鈴木隆広」
神奈川運輸支局前、一般貨物自動車運送事業一筋10年の行政書士。平成30年1月には業界初の本格的運送業手続き専門書籍「貨物自動車運送事業 書式全書」が日本法令から出版される。【住所:神奈川県横浜市都筑区池辺町3620】

どんなバイク(オートバイ)で緑ナンバーが取れるのか?

俗にバイク便と言われる「バイクで荷物を運ぶ仕事に必要」なのが緑ナンバーです。要するに、運送業のトラックと同じ理由によって緑ナンバーが必要です。

ただし、バイクの場合は、一般貨物自動車運送事業ではなく、貨物軽自動車運送事業という区分になります。貨物軽自動車運送事業というのは、黒ナンバーの軽貨物トラック(赤帽、佐川の軽バンなどもそうです)が取得する事業であり、それと同じグループになります。

貨物自動車運送事業法より抜粋

  • 第2条第4号
  • 「貨物軽自動車運送事業」とは、他人の需要に応じ、有償で、自動車(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車に限る。)を使用して貨物を運送する事業をいう。
  • 第36条 貨物軽自動車運送事業を経営しようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、営業所の名称及び位置、事業用自動車の概要その他の事項を国土交通大臣に届け出なければならない。当該届出をした者(以下「貨物軽自動車運送事業者」という。)が届出をした事項を変更しようとするときも、同様とする。

同じ事業区分でも、軽トラックは黒ナンバーですが、バイクは緑ナンバーです。

緑ナンバーが取れるバイクとは?

次には、どんなバイクであれば緑ナンバーが取れるのか?また、バイク便をやるのであれば絶対に緑ナンバーが必要なのか?という疑問が湧きますよね。

実は、すべてのバイクで緑ナンバーが取れるわけではありません。
緑ナンバーが取れるのは排気量が125cc超のバイク(道路運送車両法で言う、軽二輪、小型二輪)のみです。

原付と言われる排気量125cc以下のバイク(原付一種・原付二種)は、緑ナンバーを取ろうとしても取れないのです。もっと正確に言うと、排気量125cc以下のバイクは運賃をもらって他人の依頼でモノを運ぶのに、なんの規制もないのです。従って、原付バイクは白ナンバーのままでバイク便をやっても構いません。

逆に言えば、排気量が125cc超のバイクでバイク便をしたい場合は、個人であれ法人であれ、法律的には緑ナンバーにしなければ違法行為となってしまいます。
なぜなら、そこには法律の規制が存在するからです。

個人事業主の義務やリスク

世界中で社会問題になっているウーバーイーツですが、労働者ではなく個人事業主になるということをしっかりと理解しておきましょう。
事前の調査をしないで足を踏み入れたあとに「そんなこと知らなかった」文句を言うのは筋が通りませんからね。筋が通らないということは文句を言っても誰も助けてくれないということです。

個人事業主は収入が保証されない

個人事業主ですから当然働いた分だけしかお金はもらえません。個人事業主は休んだらお金が入ってこないということです。
はじめは当たり前だと思うでしょうが、もしこれを本業にしたら「普通の労働者は有給があるのになぜ自分はないのか?」という理不尽な疑問を抱くようになってしまいます。
はじめから世の中のルールを肝に銘じておきましょう。

個人事業主は雇用保険や労災保険に入れない

個人事業主は原則、雇用保険も労災保険も入れません。
すなわち、収入がゼロになるどころか、ケガをしたら治療費がかかります。
サラリーマンでしたら、仕事中のケガであれば労災が下りますし、有給によって安心して療養できます。
個人事業主は、ケガをしたって高熱が出たって多少ムリをしてでも仕事をせざるを得ません。
サラリーマンと比べたら、安心感は天と地の差があります。
そのリスクを取ってでもやるほどの時給であれば良いでしょうけど、決してそんなことはないでしょう。

個人事業主は自分で確定申告する必要がある

サラリーマンは会社が勝手に年末調整してくれます。納税も勝手に源泉徴収して納めてくれます。
しかし、個人事業主は自分で確定申告しなければなりません。
そして、税金も源泉徴収されていないので、収入の中から自分で税金分の金額を逃がしておくという管理能力が必要です。
その負担は想像より大きなものです。

個人事業主はもらえる年金が少ない

個人事業主が加入する年金は当然、国民年金となります。
しかも、決して高給とは言えないこのバイクの収入。いったん入ってきた中から「後で自分で納めないといけない」という精神的苦痛が生じます。
サラリーマンでしたら、年金が引かれたあとの金額が自分の給料だと思えますが、個人事業主は最初に入金されたものが自分の給料だと思ってしまいます。そこから年金や社会保険を支払うのはかなりの精神的苦痛を強いられます。私自身も個人事業主ですが、あとから多額の税金を支払うのはかなりの苦痛です。
そして、国民年金ですから当然、もらえるときになっても金額はかなり低いです。前項の税金以外にも老後の資金を計画的に逃がしておかないといけません。
金銭管理能力がかなり高くなければ個人事業主はやっていけないわけです。
当然です。一人であっても事業主ですからね。

ウーバーイーツはシェアを握ったら一気にドライバーへの報酬を下げる可能性もある

最近のビジネスモデルはすべて同じです。
最初は赤字でもとにかくシェアを広げる。
そして、十分なシェアを広げて立場が強くなったら、自社の思い通りに外注費や手数料を増やしていく。
まだまだウーバーイーツは過渡期です。今はシェアを広げるために飲食店からの手数料は低く、ドライバーへの報酬は高いかもしれませんが、シェアを握ったら収益化していきます。
もちろん公正取引委員会がそれを黙って見過ごさないかもしれませんが、個人事業主が自分の運命を不明確な国家に期待するというのはどうかと思うところもあります。
個人事業主というのは労働者でなくあくまで社長です。
自分の運命にはすべて自分で責任を持たなければなりません。
そういった意味で、ウーバーイーツは仕事のすべてをウーバーが握っており、生殺与奪権があちらにあるわけですから、そもそも本質的な意味で個人事業主にはなれないのです。あっちの都合で個人事業主というノーリスクの人たちを集めて成り立たせるというビジネスモデルなのです。
安定する仕事ならば、社員ドライバーを雇った方が利益率は高くなるのです。それを外注にしている意味を考えてみてください。業務量が減ってきたら簡単に労働力を減らせることが目的なのです。
そして、注文がある程度のボリュームになってきたら、それこそ従業員ドライバーを雇っていくかもしれません。そうなったら個人事業主なんて一瞬で切られてしまいます。なぜなら、そういう契約だからです。
「今までこの状態が続いたから、未来もそれが続く」なんてことはありません。

少し未来を普通に考えてみましょう

自分の好きなときに働けて、バイクで食べ物を運ぶ気楽な仕事。
言ってみれば、働く方にとっても”都合の良い”仕事。つまり、誰でもできる仕事で高給が取れるはずありませんよね。なぜならばそこには市場原理が働くからです。
参入しやすい仕事というのはすなわち、報酬を下げても働く人が尽きない、だから報酬が上がらない。当然のメカニズムです。
また、すぐにできる仕事は長く続けていても技術が向上しないことを意味します。すなわち、長く続けても報酬は決して上がらないということです。
それを知らずに「これなら私でもできる」と簡単に手を伸ばすのはやめましょう。
このような仕事は本業にしてはダメで、あくまで「空いている時間」のプチ副業にとどめることをオススメします。本業にするのは短期的にも長期的に見てもとても大きなリスクがあることを正しく理解しておきましょう。

貨物軽自動車運送事業経営届出によって即日バイク便スタートが可能

では、バイクの緑ナンバーを取るためにはどうしたらよいのでしょうか。

手続きはそれほど難しくはありません。
営業所・事務所(自宅でも構いません)がある住所を管轄する運輸支局輸送窓口にて、貨物軽自動車運送事業経営届出運賃料金設定届を提出するだけです。
そこで、事業用自動車等連絡書という紙を発行してもらえば、その日のうちに、自分のバイクを番号変更して、緑ナンバーにすることができます。

貨物軽自動車運送事業経営届出~車検証記載変更&ナンバープレート変更は、一般の方でも、朝から動けば1日で完了します。

つまり、その気になれば、バイクさえあれば誰でも1日でバイク便を始めることができるのです。

バイク(オートバイ)緑ナンバー取得に必要な条件

<バイク便事業に必要な要件>

【営業所】
事務所とする住所の用途地域が市街化調整区域以外であれば、特に部屋の面積や設備等の規制はありません。用途地域を調べるには、市役所に電話して「用途地域を知りたいのですが」と言えば、すぐに教えてくれます。
【車庫】
車庫は営業所から2km以内にあることが必要ですが、普通は自宅近くの車庫を登録するでしょうから問題になることは少ないでしょう。車庫の面積についても、普通にバイクを置けるのであれば、まったく問題ありません。
【運行管理責任者】
特に資格や実務経験は必要ありません。ご自身を運行管理責任者として選任すればよいでしょう。
【バイクの台数】
1台から始められます。(緑ナンバーのトラック事業を始めるには5台のトラックが必要です)
【運転免許】
運輸支局では運転免許の提示は求められませんが、当然、対象とするバイクを運転できる運転免許を持っていることが必要です。

バイク(オートバイ)緑ナンバー取得に必要な費用

登録免許税などは必要ありません。
必要なのは、緑ナンバーのプレート代の約500円だけです。
書類関係が苦手で、ご自身で手続きするのが面倒くさい場合は、行政書士に依頼すると簡単です。行政書士の報酬相場は3万円~6万円程度です。

バイク(オートバイ)のナンバープレートの色はどんな色があるの?

<バイクのナンバープレートの色解説>

【50cc以下】
<プレートの色> 真っ白・紺字
原付50ccプレート
<名称> 原付一種
<必要な運転免許> 原付免許、普通自動車免許、小型限定普通二輪免許、普通二輪免許、大型二輪免許のいずれか
<手続きの役所> 市区町村の役所役場

【50cc超~90cc以下】
<プレートの色> 黄色ナンバー・紺字
原付二種90cc黄色ナンバー
<名称> 原付二種
<必要な運転免許> 小型限定普通二輪免許、普通二輪免許、大型二輪免許のいずれか
<手続きの役所> 市区町村の役所役場

【90cc超~125cc以下】
<プレートの色> ピンクナンバー・紺字
原付二種125ccピンクナンバー
<名称> 原付二種
<必要な運転免許> 小型限定普通二輪免許、普通二輪免許、大型二輪免許のいずれか
<手続きの役所> 市区町村の役所役場

【125cc超~250cc以下】※ここから高速道路を走行可
<プレートの色> 真っ白ナンバー(自家用)・緑字
軽二輪プレート自家用
緑ナンバー(事業用)・白字
軽二輪事業用プレート
<名称> 軽二輪(二輪の軽自動車)
<必要な運転免許> 普通二輪免許、大型二輪免許のいずれか
<手続きの役所> 各陸事の軽自動車検査協会

【250cc超】※ここから車検が必要
<プレートの色> 緑枠の白ナンバー・緑字(自家用)
小型二輪自家用プレート
緑ナンバー(事業用)白字
小型二輪事業用プレート
<名称> 小型二輪(二輪の小型自動車)
<必要な運転免許> 普通二輪免許、大型二輪免許のいずれか
※道路交通法のルールである運転免許は普通と大型の違いがありますが、道路運送車両法では同じ小型二輪自動車の枠になります。
<手続きの役所> 各陸事の登録事務所

【ミニカー】
<プレートの色> 水色・紺字
ミニカー水色プレート
<名称> 原付一種
<必要な運転免許> 普通自動車免許(※ミニカーの運転は二輪免許では運転できません)
<手続きの役所> 市区町村の役所役場
※50cc以下の3・4輪自動車でミニカーというものもあります。ピザ宅配バイクよりもちょっと幅の大きな3輪バイクや、セブンイレブンの出前で使う可愛い車には水色のナンバープレートが付いています。これから注意してみると、たまに走っていますよ。

※原付二種、軽二輪、小型二輪でも、トライクの場合は、普通自動車免許で運転が可能です。

50ccと125ccのサイズはどれくらい違うのか

  • ここ数年、小型限定の免許取得が簡単になったため、主婦の方が125ccバイクに乗っている姿をよく見るようになりました。私も最近、50ccの原付からピンクナンバーのバイクに乗り換えました。それまでは、大きさの違いがよくわかりませんでしたが、実際に乗るようになって当事者として見るようになると、50cc原付と125cc原付では長さが全然違います。50ccであれば余裕で切り返せたところも、125ccだと全然回ることができなくなりました。また、車体の重さがまったく違います。50ccであれば多少の坂は余裕で押して登れましたが、125ccだとほんの少しの坂でも押して登るのが至難の業です。

緑ナンバーは他にはどんな種類があるの?

緑ナンバーというのは、基本的には「運送事業」に使う自動車に付けなければならないものです。
運送事業には、大きく「旅客(人間を運ぶ)」用と「貨物(モノを運ぶ)」用に分かれます。バス、タクシー(介護タクシーも含む)は旅客自動車運送事業、トラックは貨物自動車運送事業と呼ばれます。
違法行為の象徴として、「白タク」というものがあります。白ナンバーの普通乗用車なのに、深夜に同じ方向に向かう何人かのお客さんを詰め込んで、自宅近くまで送って、お金をもらうことです。あれは、本来であれば緑ナンバーでなければいけない行為を、無許可の白ナンバーのままでやっているから違法なのですね。ウーバーが日本ではやらなかったのは、この規制をクリアできなかったからということです。
当然、許可業者でないので、二種免許を持っているとは限りませんし、必要な保険に入っているとも限りませんし、法定の研修も受けていませんし、定期点検整備をしているかもわかりません。

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