• 運行管理者と整備管理者について

運行管理者と整備管理者について

はじめに

お客様

一般貨物自動車運送事業の許可を取るには運行管理者と整備管理者が必要と聞きましたが

行政書士

その2つの管理者は運送事業にとって最重要と言ってもいい人たちですね

お客様

具体的にはどんな人がいればいいんですか?大変なんですかね?

行政書士

それぞれ資格があります。ていねいに解説していきましょう。

運行管理者を確保する

 運行管理者資格者証

運行管理者の必要人数

運行管理者はひとつの営業所ごとに、一定の台数ごとに必要な人数が決まっています。


車両台数必要な運行管理者人数
1~29台1人
30~59台2人
60~89台3人
90~119台4人

トラックが大体30台につき、1名必要になります。

新規許可申請時は普通は1名でしょう。

当然、最初から50台で申請する方は2名以上いなければなりません。

平成29年12月から一般貸切バスは台数に関係なく2名必要になったので大変ですが、貨物はまだ1名ですね。

そして、昔は通常の一般貨物自動車運送事業でも4台以下になったら運行管理者を外せたときもありましたが、今は1台でも運行管理者の選任が必要です。

1台からできる霊柩や一般廃棄物処理業は1営業所に4台までであれば運行管理者は不要です。

(霊柩や一般廃棄物も「運行管理責任者」は設置しなければなりませんが、特別な資格は不要です)

逆に言えば、霊柩や一般廃棄物処理業での緑ナンバーも1営業所が5台以上になったら運行管理者が必要です。

しかし、運行管理者になるにはかなり高いハードルがあります。

新規許可取ろうと思っても、運行管理者がいなければお話になりません。

それを説明していきましょう。

運行管理者試験に合格して運行管理者になる

一番多いケースは運行管理者試験に合格することでしょう。

基本的には毎年3月と8月に試験があります。

(運行管理者試験については運行管理者試験センターにお問合せください)

試験に合格していても、運行管理者資格者証を持っていなければ選任できません。

運行管理者資格者証もすぐには発行されず、数日はかかります。

試験に合格したら、運行管理者資格者証の発行方法が一緒にもらえるので必ずすぐにもらいましょう。

しかし、運行管理者は決して簡単な資格ではありません。

それ以外の方法について考えて見ましょう。

実務経験5年で運行管理者資格を手に入れる

国家資格に合格するだけでなく、現在(平成30年3月)は5年の実務経験というルートもあります。

NASVAの基礎講習1回と一般講習4回、合計5回を5年のうちに運行管理補助をしながら実務経験を積めば運行管理者資格者証をもらえます。

つまり、試験に合格しなくても運行管理者になれるのです。

既存の運送事業者さんは5年なんてあっという間に過ぎるのでぜひ補助者さんを5年で運行管理者に増やしてください。

詳しくは「運行管理者は国家試験に合格した人でなければいけないか」をご覧ください。

新規許可申請時点で運行管理者はいなければいけないの?

新規許可申請時に運行管理者を雇用していなければいけない、と書いてあるホームページもあります。

しかし、平成30年3月時点では少なくとも全国的にそんなことはありません。

まだ、運行管理者がいなくても、申請中に試験に合格するなり、誰か他の人を探すという方法もあります。

これ、意外とウラ技です。

運行管理者の仕事

女性ドライバーイメージ

貨物自動車運送事業輸送安全規則の第20条で決められています。

・過積載について従業員に対する指導及び監督を行うこと。
・貨物の積載方法について、従業員に対する指導及び監督を行うこと
・通行許可について、運転者に対する指導及び監督を行うこと。
・運転者に対して点呼を行い記録・保存し、並びにアルコール検知器を常時有効に保持すること。
・運転日報について、運転者に対して記録させ、及びその記録を保存すること。
・運行記録計(タコメータ)を管理し、及びその記録を保存すること。
・運行記録計(タコメータ)が必要な車輌について、記録することのできないものを運行の用に供さないこと。
・事故が起きた場合、それを記録し、及びその記録を保存すること。
・運行指示書を作成および管理。(2泊3日以上の運行の場合のみ)
・運転者台帳を作成し、営業所に備え置くこと。
・乗務員に対する指導、監督及び特別な指導を行い、記録及び保存を行うこと。
・運転者に適性診断を受けさせること。
・異常気象時等の場合の措置を講ずること。
・運行管理補助者に対する指導及び監督を行うこと。
・国土交通省などから定められた事故防止対策に基づき、事業用自動車の運行の安全の確保について、従業員に対する指導及び監督を行うこと。

超大事な仕事ですね。

運行管理者はたとえばドライバーを対面点呼したときに、体調が最悪で仕事に重大な支障が出そうだと思ったら運転させない、という判断をしなければなりません。

もちろん、そのためにはもしかしたら仕事を延ばしてもらうか、外注を使うか、他のドライバーを割り当てなければならないでしょう。

いずれにしろコストがかかる判断です。

でも、安全には代えられません。

だから運送事業者は運行管理者にしっかりと独立した権限を与えなければいけません。

運行管理者がやることと、運転者にやらせて管理することなど、「やる」と「管理」が異なりますね。

全部が全部、運行管理者が作成しなければいけない、ということではないということです。

運行管理補助者とは?

NASVAの3日間の基礎講習を受けると「補助者」になれます。

運行管理者のすべての仕事をできるわけではありませんが、点呼を代務することができます。

しかし、すべての点呼を補助者だけで回していいわけではありません。

その営業所で選任されている運行管理者が全体の3分の1以上は対面点呼しなければなりません。

つまり、3分の2までは補助者で点呼してよいということになります。

また、補助者は違う営業所を兼任できるので、運行管理者より柔軟に点呼ローテーションを組めます。

もし、対面点呼の際に健康上の不安などがあったら正規の運行管理者に判断をあおぐ必要があります。

問題があったときの運行可否判断は補助者はできないということです。

運行管理補助者のオススメ利用法

解説する女性の写真

早朝、夜間の対面点呼は大変ですよね。

でも、大変だからといってやらなくていけないわけではありません!

でも、運行管理者が一人で全部対面点呼するとなるとその運行管理者は睡眠時間2時間くらいになってしまいます。

ということでオススメなのは、定年退職した方をパートで雇い、基礎講習を受けてもらう。

その方に夜の11時~朝方5時くらいまで対面点呼を実施していただく。

時給1200円で1日6時間=7200円。

23日で約17万円。

夜中の仕事をしっかり対面点呼してコンプライアンスを守れるなら高い経費でないと思いませんか?

2年に1度の研修を受ける義務があります

運行管理者に選任された人は2年に1度、NASVAの一般講習を受けなければなりません。

トラック時報などでは注意喚起のページがありますが、役所から通知はしてくれなくなりました。

忘れずに受ける必要がありますね。

車両の車検やドライバーの健康診断などの年間スケジュールに一緒に記載管理するのがよいと思います。

ちなみに補助者はこれの受講は義務でなく、運行管理者が教育すれば済みます。

もちろん、補助者も一緒に行った方が会社にとってよいのは当然のことです。

NASVA運行管理者一般講習サイト

統括運行管理者とは?

1営業所に運行管理者が2人以上いるときは、「統括運行管理者」を選任しなければなりません。

複数人数いることで指揮系統・責任の所在があやふやになってしまうと問題があるので、その営業所の運行管理責任者として「統括運行管理者」を選任してください。

運行管理者選任届の様式

選任届様式(表) 選任届様式(裏)

上記のPDFダウンロードはコチラから。

その他

運行管理者資格を持っていれば役員法令試験は受けなくてもいいか

新規申請時には運行管理者、整備管理者、運転者は雇用していなければならないか

運行管理者は最低一人は役員でなければいけないか

 

整備管理者を確保する

整備管理者

整備管理者の必要人数

整備管理者は運行管理者とは異なり、トラック台数によって変わりません。

1営業所に1人いれば法的には問題ありません。

運行管理者は対面点呼やたくさん自分が動かないといけない仕事があるからトラック台数によって仕事が増えるのでしょう。

整備管理者は、日常点検はきっと運転者が実施するのが普通でしょう。

その上での管理や、日常点検の際に異常があった場合に忙しくなるだけなので、台数が増えてもそこまで負荷があがらないのでしょう。

ただし、非効率に管理していればもちろん業務量が多くなるので、管理手法の効率化していく必要があるでしょう。

ちなみに軽貨物は10台以上になるときに整備管理者を選任しなければなりません。

9台から10台に増車するとき、整備管理者がいないと増車ができないので注意が必要です。

整備管理者になるには?

整備管理者に選任するのも2パターンあります。

整備管理者選任前研修を受け、実務経験2年以上で選任する

整備管理者選任前研修修了証イメージ

もっとも多いパターンがこちらかと思います。

整備管理者選任前研修は各運輸支局で申し込みます。

毎回、発表されてから結構すぐに満席になってしまうので、発表されたらすぐに申し込むことをオススメします。

この研修は半日で終わり、特に難しい試験もないので行けば終わります。

たまに「整備管理者選任後研修」の手帳で大丈夫と思っている人もいます。

あれは名前が良くないのですが、選任されてないのに選任後研修という名称なので、もう整備管理者の資格があるように聞こえます。

しかし、整備管理の一般的な講習なので、その研修ではダメなんですね。

注意が必要です。

とは言え、運行管理者とは異なり、半日の研修だけ行けば取れる資格なので難易度は全然違います。

ただ、整備管理者選任前研修を受けても肝心の実務経験がなければ選任できないので、どこかで2年以上の実務経験を積んでいる必要があります。

ちなみに実務経験はトラックの整備の実務経験が必要ではないか、と思うのですが、意外とそういうわけではありません。

実務経験証明書の車種は

・オートバイ

・オートバイ以外(乗用車、軽自動車、軽トラック、大型トラック、トレーラ等)

の2つにわかれています。

従って、軽トラックについて2年以上の整備業務経験があるだけでもルール上は10tトラックの整備管理者になることができます。

ちょっと不思議な感じがありますが、車が進化してきたこともあり、このような規制緩和になったようです。

そのために、整備管理者選任前研修をしっかり受講する必要があるわけですね。

【実務経験について】

実務経験の場合、特に運送事業者での実務経験が2年なければいけないわけではありません。

白ナンバーの自動車でも整備の実務にカウントされます。

関東運輸局に内部的な取り扱いを確認したところ、明文化はされていませんが、「整備管理者を選任している事業者での実務」というものを求めているとのことでした。

国土交通省関東運輸局の整備管理者制度の解説では「点検又は整備に関する実務経験」とは、以下のものをいいます。

・ 整備工場、特定給油所等における整備要員として点検・整備業務を行った経験(工員として実際に手を下して作業を行った経験の他に技術上の指導監督的な業務の経験を含む。)
・ 自動車運送事業者の整備実施担当者として点検・整備業務を行った経験

「整備の管理に関する実務経験」とは、以下のものをいいます。

・ 整備管理者の経験
・ 整備管理者の補助者(代務者)として車両管理業務を行った経験
・ 整備責任者として車両管理業務を行った経験
とあります。

「整備工場、特定給油所等」の「等」にあたるのが、自家用自動車にて整備管理者を選任している事業者ということでよいのかと思います。

自動車運送事業者には道路運送法から考えると「貨物軽自動車運送事業」も入っていますが、貨物軽自動車運送事業は10台未満の場合、整備管理者を選任する必要がありません。

だから9台までで整備管理者を選任していない貨物軽自動車運送事業者のところで、実務を2年以上経験した人がよいのか悪いのか。

この点については微妙なラインとなるのかも知れません。

国家資格整備士で選任する

国家資格というのは自動車整備士技能検定に合格した人のことです。

1級~3級であればよく、ガソリン、ジーゼル、シャシ、エンジンどれでも大丈夫です。

この場合は実務経験はなくても選任できます。

整備士の分類について詳しくは「一般貨物自動車運送事業とは」の整備管理者の解説箇所をご覧ください。

整備管理者の仕事

トラック整備イメージ

貨物自動車運送事業輸送安全規則の第20条で決められています。

・日常点検について、その実施方法を定め、実施させること
・日常点検の実施結果に基づき、自動車の運行の可否を決定すること
・定期点検について、その実施方法を定め、実施させること
・日常点検、定期点検又は随時必要な点検の結果から判断して、必要な整備を実施すること又は整備工場等に実施させること
・定期点検又は前号の必要な整備の実施計画を定めること
・点検整備記録簿その他の記録簿を管理すること
・自動車車庫を管理すること
・上記に掲げる業務を処理するため、運転者及び整備要員を指導監督すること

超大事な仕事ですね。

日常点検は整備管理者がやらなければいけない、というわけではありません。

多くの場合、ドライバーが実施するでしょう。

だから整備管理者の主な仕事は、管理や計画のところになってきます。

定期点検は整備工場に出さないといけないのかというと、そういう決まりはありません。

しかし、分解整備の箇所をどうするかという懸念は残ります。

整備工場とどのような形で実施するのがベストか相談するのがよいでしょう。

新規許可申請時点で整備管理者はいなければいけないの?

新規許可申請時に整備管理者を雇用していなければいけない、と書いてあるホームページもあります。

しかし、これも運行管理者と同様に平成30年3月時点では少なくとも全国的にそんなことはありません。

そもそも、会社が登記されてなくても一般貨物自動車運送事業許可申請ができる制度があるくらいなので、「雇ってないといけない」なんてことはありえないわけです。

「運送業専門」と書いてある行政書士のホームページでも偽りの情報が載っていることもよくあるので、難しいですねー。

整備管理者選任届の様式

選任届様式(表) 選任届様式(裏)

上記のPDFダウンロードはコチラから。

運行管理者も整備管理者も様式は同じです。

運輸局によっては別々の様式のところもあるので各管轄の様式を運輸局から取り寄せてください。

実務経験での選任の場合に必要な書類

整備管理者実務経験証明書(見本) 実務経験証明書の様式ダウンロードはコチラから。

整備管理者選任に添付する書類

整備管理者選任届出書に添付する書類の様式ダウンロードはコチラから。

まとめ

一般貨物自動車運送事業には運行管理者も整備管理者も必須の人材です。

運行管理者は試験合格くするのであれば相当の覚悟をもって勉強しなければ合格は難しいです。

半面、整備管理者は半日の研修で大丈夫なので、ぜひ日程調整して多くの従業員を行かせてあげてください。

これから一般貨物自動車運送事業の新規許可を取ろうとしていて、このサイトで勉強している人はまずはなによりも運行管理者をお持ちの方を確保するか、なんとか頑張って試験に合格してください。

そうでなければ、許可が下りたとしても緑ナンバーが付けられません。

この2種類の管理者には、責任が伴いますので、安全の運行のために厳しい内部監査をお願いします。

 

 

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