自民党トラック議連が貨物自動車運送事業法改正案を公表

公開日:2018年11月27日

運送業専門行政書士鈴木隆広■この記事を書いた人:運送業専門行政書士「行政書士鈴木隆広」
神奈川運輸支局前、一般貨物自動車運送事業一筋10年の行政書士。平成30年1月には業界初の本格的運送業手続き専門書籍「貨物自動車運送事業 書式全書」が日本法令から出版される。【住所:神奈川県横浜市都筑区池辺町3620】

自民党トラック議連が貨物自動車運送事業法改正案を公表し、臨時国会での成立を目指しています。
http://cargo-news.co.jp/cargo-news-main/1296

荷主企業への運送会社への配慮義務を規定するということですが、こういう対策はルールだけ作って形骸化するのは目に見えています。
しかし、ここ数年、荷主勧告が明文化されたりしてますし、昨年の標準約款改正もおそらく本格的な荷主企業への義務賦課の布石だと思われます。
運送会社は、「そんなルール作ったって意味ないよね」というスタンスでなく、しっかり勉強して、”その時”に備えておきましょう。”その時”はそれほど遠くないかもしれません。

2023年までの時限的標準的運賃表の策定は、今回改正の大きな目玉だと思います。
しかし、本来は企業努力である運賃を国が決めること自体が時代の流れに反しており、国際競争力の低下となります。外国資本が本気で入ってきたときに、国で運送業者を守って軟弱化するルールは中長期で見たら意味がありません。
一つの荷主の荷物だけ運んでいる企業と、混載して運ぶ企業では、同じ重さの荷物でも当然損益分岐点が異なります。
そのあたりをしっかり考えても、”適正な運賃”を策定するのはかなり難しいこととなります。
そして、必要以上に運賃が高くなれば、物価が上がり、経済が冷えます。それはみんなが望まないところでしょう。

事業許可にかかる欠格期間を2年から5年に延長事業の休廃止にかかる手続きの事後届出制から事前届出制への改訂、は違反事業者へのペナルティ強化という側面です。今後ますます監査が厳しくなるでしょう。
このタイミングで、すべての運送会社は対面点呼、適切な日報記録、拘束時間13時間以下をメインに仕事のやり方を変えていかなければいけないでしょう。
社会保険に入っていないなんてもってのほかです。全員がしっかり社会保険に加入ししょう。

休廃止届が事前届になると、なぜ監査逃れになるのでしょうか。
事前届であっても、もし、監査後すぐに廃止届を提出した場合、これは事前届になります。それでは、結局監査逃れができてしまいます。おそらく、監査により許可取り消しになるほどの行政処分が下ってしまう違反内容である場合は、「監査より前の事前届が必要」となるのでしょう。そうでなければ、実質的に事前届にする意味がありません。

監査後に廃業届ができなくなる

監査後に廃業届ができなくなる

新規許可申請の基準では、安全性の確保や車両の台数、車庫の規模などについて、経済的基礎(事業用資金等)の許可基準を明確化することとなっています。
このあたりは、今現在も明確に決まっているのですが、最低台数の増加や事業用資金の計算方法の改訂などが絡んでくるのか、しっかり見定めておかないといけませんね。
もしかしたら、営業所と車庫の距離が離れている場合に、本当に対面点呼ができる体制を可能人するための人員配置及びそれを実現するための資金計画を求められる可能性もあります。

とにかく、全事業者がコンプライアンスを遵守しない言い訳に「適正運賃がもらえない」と言わないようにするためには、現状より3割ほど高い運賃が必要です。
今回の「標準的運賃」がその水準に近くなることを期待します。

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