白ナンバーダンプと緑ナンバーの違い、緑ナンバーにする方法
白ナンバーでダンプを動かしている事業者様。ゼネコンやプラントから緑ナンバー取って欲しいと言われませんか?どんな場合に緑ナンバーが必要か、緑ナンバーにしたらどんなデメリットがあるのか。自社で緑ナンバー取得検討しているお客様は必見です。
2026年2月10日「自家用ダンプカーの貨物自動車運送事業法における取扱いについて」事務連絡・通達、2026年3月16日「廃棄物の処理と貨物自動車運送事業に係る許可等の関係について」事務連絡・通達にも触れて解説します。
ダンプ事業者が緑ナンバーの新規許可を取得する件が増加中
2025年3月、大阪万博で「無許可で運送業を営む男性らに不正に名義を貸したなどとして、運送会社の代表取締役の男や運転手ら13人が検挙されました。名義を借りた業者は大阪・関西万博の建設工事で土砂などを運搬して」(ヤフーニュース)いました。岐阜県でも2025年7月に「「白トラ」歴10年以上の親子を容疑で逮捕 土砂を有償運送、下請けさせた会社役員も逮捕」(産経新聞)とありました。こちらは下請させた方も「無許可営業”幇助”」で逮捕されてることが注目かと思います。その他にも全国で同様の逮捕が続発しており、ダンプ業界は戦々恐々となっています。
関東運輸局のダンプとゼッケンに関して白ナンバーと緑ナンバーの区分に対する見解はこうです。
鈴木Q:「建」ダンプがその工事現場で当該会社が建設業作業を一切行わず、廃材や土砂等の運搬のみを依頼された場合(現にそのような業務は国内に夥しく存在しますが)、その運搬行為には貨物自動車運送事業許可が必要と考えますが、いかがでしょうか?
運輸局A:運送業許可が必要です
関東運輸局は「建」ダンプは、自社が建設業許可を保有し、その建設業行為で出た土砂等の運搬であれば「建」ダンプつまり白ナンバーダンプで運賃をもらって運んでよいとしてますが、建設行為が無く、単に土砂の運搬のみを単独で依頼された場合に運ぶのは完全に違法としています。
特に道路建設プラントなどは、道路材料を運ぶダンプ事業者に対して緑ナンバーの取得を強く要請しています。
トラック協会も白ナンバーダンプに対して態度を厳しくして、パトロールを強化しています。
白ナンバーダンプと緑ナンバーダンプの違い
世の中のダンプは同じような仕事をしているのに、白ナンバーダンプも緑ナンバーダンプもいずれも多く走っています。
白ナンバーと緑ナンバーで何が違うのでしょうか?
法律による違い
まず、緑ナンバーとは何かということについて、法律を見てみましょう。
緑ナンバーは法律で「一般貨物自動車運送事業」と言います。
貨物自動車運送事業法第2条
-
- 「一般貨物自動車運送事業」とは、他人の需要に応じ、有償で、自動車を使用して貨物を運送する事業であって、特定貨物自動車運送事業以外のものをいう。
要するに、お金をもらって他人のモノを運ぶためには、緑ナンバーが必要ということです。
では、なぜ多くのダンプが白ナンバーで走っているのでしょうか?
結論としては、白ナンバーダンプが許される根拠は存在しません。
白ナンバーで許されるためには「自社のモノを運んでいる場合」のみに限られます。つまり、土砂等を自社で買い取って自己所有にするのであれば、白ナンバーで運んで大丈夫ということです。
逆に言えば、土砂等を買い取らないのであれば、すべてのトラックが緑ナンバーを付けなければならないということです。
産業廃棄物収集運搬業の許可を持っていれば問題ないか?
ゴミを運ぶには、産廃の許可が必要です。建設現場で出た土砂・ガレキ等を運ぶために、多くのダンプ事業者は産廃収集運搬許可を取得しているでしょう。(ここでは産廃と一廃の区別は触れません)
しかし、その許可があるからと言って、一般貨物自動車運送事業許可が不要ということにはなりません。産廃の方は環境省、一般貨物自動車運送事業は国土交通省と2か所に監督されるべき会社になるというだけのことです。

産廃許可と一般貨物の関係
ゼッケンを持っていれば緑ナンバーは必要ないか?
大型ダンプ(最大積載量が5トンまたは車両総重量が8トンを超える)は「土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防止等に関する特別措置法」に基づき、 国土交通大臣(使用の本拠を管轄する運輸支局長)へ使用届出を提出して、表示番号(ゼッケン)の指定を受けることとなっています。
俗に言う〇建(マルケン)などというものです。
これも、大型ダンプにはゼッケンを付けなければいけないという義務があるだけで、ゼッケンが付いているからと言って、残念ながら白ナンバーで仕事をしていいということにはなりません。
白ナンバートラックで仕事をしているとどんな罰則があるの?
貨物自動車運送事業法違反となり、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金という大変重い罪となります。
そして、もし、罰金でなく懲役刑になってしまったら、懲役が終わってから5年経過しなければ、緑ナンバーの新規許可申請ができません。
白ナンバートラックに仕事を依頼した会社にはどんな罰則があるの?
2028年から施行される貨物自動車運送事業法第65条の2では明確に違反行為として記載がされました。
現在は、「無許可営業の幇助」という理由で逮捕された事例があります。
定款の目的について
定款の目的に「貨物自動車運送事業」が記載されていない場合は、一般貨物についての目的追加をしなければなりません。
「貨物自動車運送事業」もしくは「一般貨物自動車運送事業」と言う目的を追加しなければなりません。
2026年2月10日時点白ダンプ緑ナンバー問題最新情報はこちら
2026年2月10日に発出された事務連絡・通達「自家用ダンプカーの貨物自動車運送事業法における取扱いについて」について詳細に解説したページはこちらからお読みください
2026年2月10日時点白ダンプ緑ナンバー問題最新情報ページへ
一般貨物自動車運送事業者になることで新たに発生する負担
緑ナンバーを付けると、一般貨物自動車運送事業者としての多くの義務が課されます。
白ナンバーダンプで仕事をしているので、一般の会社としての義務は果たしているので、社会保険などは変わりません。
しかし、任意保険料はアップします。特に大きく異なるのは、緑ナンバー事業者としての帳簿等の義務のところです。
大きなところについて、一つずつ丁寧に解説します。
消費税対象経費の減少
もし、白ナンバーダンプの仕事を外注費で払っている場合、消費税課税売上から、それらの外注費を引いているはずです。
例えばその外注費が全て自社従業員の給与になり、消費税対象経費でなくなることを考えてみましょう。
つまり、今までより多くの消費税を支払わなくてはならなくなります。
例えば、今まで5000万円の売り上げがあって、4000万円の外注費だったとしたら、5000万-4000万=1000万円からその他消費税控除対象経費を引いた金額に対して消費税を納めていました。
従って、多くても収める消費税は80万円程度でした。
しかし、一般貨物自動車運送事業になると、従業員給与は消費税控除対象経費となりません。
5000万円の売り上げであれば、労働分配率が50%として人件費が2500万円となります。するとその2500万円分は少なくとも消費税控除売上とならないわけです。
つまり、今の例であれば、ざっくり言えば2500万円の消費税8%=200万円の消費税を余分に納めることになるということです。
租税公課経費が増えるので、法人税は逆にその分だけ減ります。
このあたりの詳細については、税理士と綿密に相談するようにしてください。
車両の保険
トラックの自賠責保険は、自家用積載2トン超が18230円、事業用積載2トン超が24100円です。
任意保険については当然損保会社によって異なりますが、事業用トラックの方が大幅に高くなります。
帳簿・点呼・教育・診断
一般貨物自動車運送事業者になると、毎日の義務が格段に増えます。しっかりやらなければ行政処分で車両を停止させられてしまいます。
多くのダンプ事業者さんは、この帳簿関係の負担が最も異なってくると思います。
対面点呼・点呼記録簿
出発時と乗務終了時に、必ず運行管理者による対面点呼をしなければなりません。
日報(乗務等の記録)
毎日、乗務日報を記録しなければなりません。ドライバーの協力が不可欠です。
運転者台帳
ドライバーを雇い入れたら、運転者台帳を作成しなければなりません。
初任運転者の適性診断の受診
ドライバーを雇ったら、始めの1回だけでよいので、NASVA等で初任運転者の適性診断を受ける必要があります。
3か月点検
一般貨物自動車運送事業用のトラックは、3カ月定期点検を実施しなければなりません。
初任運転者の特別な指導
適性診断とは別に、15時間以上の講習と20時間以上の添乗等による実技指導をしなければなりません。
ドライバー12項目研修
毎年、以下の12項目について運行管理者を中心として、ドライバー全員に教育をした上で、議事録を残さなければなりません。
ドライバー教育12項目
- ・事業用自動車を運転する場合の心構え
- ・事業用自動車の運行の安全を確保するために遵守すべき基本的事項
- ・事業用自動車の構造上の特性
- ・貨物の正しい積載方法
- ・過積載の危険性
- ・危険物を運搬する場合に留意すべき事項
- ・適切な運行の経路及び当該経路における道路及び交通の状況
- ・危険の予測及び回避並びに緊急時における対応方法
- ・運転者の運転適性に応じた安全運転
- ・交通事故に関わる運転者の生理的及び心理的要因並びにこれらへの対処方法
- ・健康管理の重要性
- ・安全性の向上を図るための装置を備える事業用自動車の適切な運転方法
健康診断
これは白ナンバーでも同様です。
毎年、ドライバー全員に最低1回の健康診断を受けさせなければなりません。
休日に行ってもらうのは難しいでしょうから、なんとか勤務日に仕事を調整し、受けに行ってもらうようにしなければなりません。
基本的にはその時の給料は支払うべきです。
事業報告書・事業実績報告書の提出
毎年、運送事業の決算情報を報告する「事業報告書」と、走行距離や輸送トン数等を報告する「事業実績報告書」を提出しなければなりません。
その他、一般貨物自動車運送事業者になった場合にやらなければいけないこともたくさんあります。
車両停止行政処分のリスク
白ナンバートラック事業者は、違法行為があったとしても、会社に対して行政処分が下されることはありません。
しかし、一般貨物自動車運送事業となると、たった一人のドライバーの違法行為をきっかけに監査が入り、会社に対して行政処分が下されます。
それにより、複数台の車両が停止処分になるというリスクもあります。
大きなトラックを運行する一般貨物自動車運送事業は、当然、その義務や責任も白ナンバートラック事業より格段に大きくなるというわけです。
一般貨物自動車運送事業許可を取った場合のメリット
一般貨物自動車運送事業はさきほど説明したように、負担やリスクが存在しますが、白ナンバーのときと比べて本格的に運送事業を拡げられるチャンスがあります。
運送部門を拡大できる

事業規模向上!!
白ナンバーのときでは運送部門を公に営業することは無理でした。
しかし、一般貨物の許可を取れば、本当の運送事業についていくらでも営業できます。
今までの白ナンバーダンプだけのときと比べて、ゼネコンの仕事も大きく受けられるようになるでしょう。
どんどん仕事を取っていきましょう!!
トラック協会で活躍できる
緑ナンバーの運送事業者となれば、一層切磋琢磨できる会社の社長と出会えるチャンスも格段に広がりますし、運送事業の未来を一緒に語る仲間もできるでしょう。
グリーン経営認証やGマーク
Gマークとは、白ナンバーでは取り組めない準公的なブランディング手法です。
経営陣の気持ち次第で、既に準備されている「良い会社を作る方法」が様々用意されています。

※全日本トラック協会、エコモ財団より引用
まとめ
白ナンバートラックから緑ナンバートラックを取得するためには、多くの負担があります。
しかし、事業の可能性は、そこで新たに発生する負担のみで考えるべきではないでしょう。
緑ナンバーを取れば、大きなチャンスが広がります!
考えるべきは、収支の問題と、その負担を適法に処理できる人的資産を確保できるかどうかという問題を、建設的に考えるべきであり、なによりも「その仕事をやりたいかどうか!!」です。
強い気持ちさえあれば、クリアできないハードルなんてありません。


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