「霊柩限定」寝台車の緑ナンバー取得の方法
葬儀社さま、葬儀関係者さま。「外注が多くなってきたのでそろそろ自社で緑ナンバー寝台車を取得したい」と思っていませんか?緑ナンバーの取得要件、メリットなどきちんと解説。緑ナンバー寝台車・霊柩車を自社で取りたい、専門家に頼みたい方は必見!!
はじめに
寝台車の外注費もバカにならなくなり、自社で緑ナンバー申請しようと思っていますがどうすればいいですか?
寝台車、霊柩車の緑ナンバーの要件等についてわかりやすく解説しますね。
目次
許可の有効期限
許可取得要件と期間(車両、運行管理者、整備管理者、営業所、車庫、資金、法令試験、期間)
個人事業主でも緑ナンバーは取得できるのか
運転免許の関係
緑ナンバー取得のメリットとデメリット
緑ナンバーの取得にかかる費用
まとめ
許可の有効期限
許可の期限はありません。
一回取れば更新不要です。
緑ナンバー取得要件と期間
許可を得るためには、ざっくり言うと
・1台以上の霊柩車または寝台車
普通登録自動車の霊柩車か寝台車が必要です。
申請時点はナンバーがついていなくても大丈夫です。
申請時点は8ナンバーでなく3ナンバー、5ナンバーの乗用車で、許可後に改造~検査して8ナンバーにするという流れも問題ありません。
軽自動車は一般貨物自動車運送事業許可ではなく貨物軽自動車経営届出(=黒ナンバー)で大丈夫です。
すなわち、軽自動車では一般貨物自動車運送事業(=緑ナンバー)は取れません。
・運行管理者
ひとつの営業所に緑ナンバーが4台までは運行管理者は不要です。
5台以上に増やすときは運行管理者と整備管理者の選任が必要です。
運行管理者資格者証を持っている人が選任できます。
運行管理者資格者証を取るためには運行管理者国家試験に合格するか、5年の実務経験で資格者証を取得するかのどちらかです。
・整備管理者
ひとつの営業所に緑ナンバーが4台までは運行管理者は不要です。
5台以上に増やすときは運行管理者と整備管理者の選任が必要です。
国家資格の整備士、もしくは整備管理者選任前研修を受け自動車の整備・管理の実務経験が2年以上ある人が整備管理者になれます。
・営業所、休憩施設
設備などの要件は厳密に決められていないのですが、用途地域(工業地域、商業地域など)によってできない場所があります。
市街化調整区域だと原則認められません。
・車庫
計画車両が前後左右50cmずつの余裕をもって置けること。
前面公道の幅員が十分広いこと。
営業所との距離
車庫は営業所から5km~20kmの各運輸局で決められた距離範囲内になければなりません。
・必要資金
賃料、車両リース料などによって大きく変わるのですが、一般的なのは150~300万円くらいの残高証明が必要になります。
人件費 6か月分 |
燃料油脂費 6か月分 |
車輌修繕費 6か月分 |
車両費(一括購入の場合は全額。割賦の場合は頭金+12か月分。リース料の場合は12か月分) |
営業所家賃 12か月分 車庫賃料 12か月分 一括購入の場合は全額。割賦の場合は頭金+12か月分。 |
自動車税、重量税、取得税 1年分 |
自賠責保険、任意保険 1年分 |
登録免許税 12万円 |
申請時と申請してから3か月後くらいの2回、残高証明の提出が必要です。
・役員法令試験
登記されている常勤役員の一人が新規許可申請後の役員法令試験に合格しなければなりません。
複数の役員が受けることはできず、受験者は一人だけを選ぶ必要があります。
個人事業主で申請の場合は、事業主本人が合格しなければなりません。
役員法令試験の試験形式
時間は50分、合計30問が出題されます。
合格基準は8割なので24問正解が必要です。
役員法令試験の試験範囲・課目
①貨物自動車運送事業法
②貨物自動車運送事業法施行規則
③貨物自動車運送事業輸送安全規則
④貨物自動車運送事業報告規則
⑤自動車事故報告規則
⑥道路運送法
⑦道路運送車両法
⑧道路交通法
⑨労働基準法
⑩自動車運転者の労働時間等の改善のための基準
⑪労働安全衛生法
⑫私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律
⑬下請代金支払遅延等防止法
役員法令試験の合格率・難易度
合格率は以前は30%などと低かったですが、最近は60~80%の合格率になっています。
一般貨物自動車運送事業許可取得までにかかる期間
役所が出している標準処理期間というものでは3~5か月とあります。
こう書かれると「3か月で許可が下りたらいいな」と思いたいのが人情ですが、実は審査も細かくなっているせいもあり、4か月で下りれば早いくらいで、スムーズに進んで5カ月かかることもおかしくありません。
申請なんてやったことない事業者さんは当然のこと、慣れていない行政書士だと半年~10カ月かかるはザラです。
運転免許の関係
ご遺体はモノなので霊柩車は一般貨物自動車運送事業ということでした。
一方、生きている人を運ぶのは旅客運送事業です。
タクシーやバスなどですね。
それら旅客を運送するには二種免許が必要です。
霊柩車はヒトではなくモノを運ぶので二種免許は必要ありません。
緑ナンバー取得のメリットとデメリット
ざっくり言うと
メリット
外注費がなくなるというのが最大のメリットでしょう。
1カ月に霊柩・寝台業者に支払っている外注費を考えれば、行政書士への報酬+登録免許税+車両費・維持費なんてすぐに回収できてしまいますね。
デメリット、義務
・貨物自動車運送事業法のルールに基づいて各種帳簿をつけなければいけない。特に毎日の日報と点呼記録簿は積み重ねが必要。
・ドライバーに毎年決まった研修指導教育をしなければいけない。
など。
一般貨物自動車運送事業許可を取得するのであれば、その前に「取ったあとはなにをしなければいけないのか」しっかり学んでおかないといけませんね。
緑ナンバーの取得にかかる費用
ざっくり言うと
・登録免許税 12万円
・ナンバー代 1台につき1500~2500円くらい
・印紙 1台につき0~500円(検査通す場合は3000円ほど)
が実費となります。
自社でやるとしたら費用はこれだけです。
法人設立するところからだと、法人設立で普通は30万円くらい(司法書士報酬含む)。
霊柩車・寝台車の一般貨物自動車運送事業許可を行政書士に依頼する場合:30~45万円くらいが相場です。
まとめ
霊柩車・寝台車の場合、申請件数自体が少ないので経験している行政書士自体も少ないです。
だから、お客様の環境もなかなか理解するのも難しいでしょう。
トラサポは業界屈指の霊柩・寝台車許可実績があります。
「寝台車の仕事は夜も落ち着いて眠れない」
「いつ出動するかわからないからお酒もなかなか飲めない」
「安置所ビジネスもできたらいいなぁ」
「最近は家族葬が多くなったりコンパクトは葬儀が多くなって価格競争が激しい」
という声や葬儀業界の話もお客様からよく聞いて知っています。
きっといろいろなお話しをスムーズに進められることをお約束します。