他社による共同点呼(受委託点呼)の解説

公開日:2021年6月25日 / 更新日:2021年10月18日

運送業者は乗務前と乗務後に運転者への対面点呼が必要ですが、特に早朝や深夜は大変で、他社の運行管理者が対面点呼してくれたらものすごく良いですよね?
それを可能にするのが受委託点呼の許可です。
受委託点呼の仕組みや要件、許可申請方法について解説します。

運送業専門行政書士鈴木隆広【トラサポ主宰】運送業専門行政書士「行政書士鈴木隆広」 神奈川運輸支局前、一般貨物自動車運送事業一筋13年の行政書士。平成30年1月には業界初の本格的運送業手続き専門書籍「貨物自動車運送事業 書式全書」が日本法令から出版される。【本部:神奈川県横浜市都筑区池辺町3573-2-301】

受委託点呼とは?(共同点呼)

他社の運行管理者・運行管理補助者に対面点呼してもらうと言っても全ての点呼を任せられるわけではありません。

【受託営業所】対面点呼の実施の依頼を受けた事業者

【委託営業所】依頼をする事業者

受託営業所で実施する点呼は、一営業日のうち連続16時間以内とし、委託営業所の運行管理者による点呼は、総点呼回数の3分の1以上でなければならない、とされています。

また、実施方法の細目には以下のように記載があります。

受託者の権限の範囲

  • ・受委託点呼実施者は、乗務前に係る受委託点呼において、運転者の状況、アルコール検知器による検知結果等から、当該運転者に運行を認めるべきではないと判断した場合は、当該運転者にその旨及び理由を説明した上で、速やかに、委託者に連絡しなければならない。
  • ・受託点呼実施者は、乗務前に係る受委託点呼において、法令違反を発見した場合は、受委託点呼を中止し、受委託点呼を受けている運転者に中止した旨及び理由を説明した上で、速やかに、委託者に連絡しなければならない。
  • ・委託者は、受委託点呼実施者から連絡があった場合において、法令違反がある場合は、委託者はその是正措置を講じた上で、委託営業所の運行管理者が点呼を行い、運行の可否を判断しなければならない。

つまり受託営業所が、委託営業所の運行管理補助者扱いになるようなイメージです。

対面点呼の際になにか問題があったら、必ず委託営業所の運行管理者が確認する必要があります。

受委託点呼の実施要件

受委託点呼の許可をもらうためには、受託営業所も委託営業所も要件を満たした上で点呼受委託契約を結び、運輸支局の許可を受けなければなりません。
また、危険物運搬などそもそも受委託点呼ができな運行もあります。

受託営業所の要件

Gマーク営業所であること

委託営業所の要件

「Gマークを取得している」、もしくは、「認可から3年以上経過しており、申請日前3年間及び申請日以降に第一当事者となる重大事故(自動車事故報告規則第2条各号に掲げる事故)を起こしていないこと、かつ点呼の実施違反に係る行政処分を受けていない」こと。

実施場所の要件

受託点呼の実施場所は、受託営業所又は受託営業所の車庫とし、点呼を受ける委託営業所の車庫との距離が5㎞以内であること

時間と受託営業所で可能な実施割合

受託営業所で実施する点呼は、一営業日のうち連続16時間以内とし、委託営業所の運行管理者による点呼は、総点呼回数の3分の1以上でなければなりません。

受委託点呼では実施できない運行

次の表中の危険物を運ぶ運行については、受委託点呼を実施することが認められていません。

自動車事故報告規則第2条第5号に掲げる次のものを積載する運行

  • ・消防法第2条第7項に規定する危険物
  • ・火薬類取締法第2条第1項に規定する火薬類
  • ・高圧ガス保安法第2条に規定する高圧ガス
  • ・原子力基本法第3条第2項に規定する核燃料物質及びそれらによって汚染された物
  • ・放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律第2条第2項に規定する放射性同位元素及びそれによって汚染された物
  • ・シアン化ナトリウム又は毒物及び劇物取締法施行令別表第2に掲げる毒物又は劇物
  • ・道路運送車両の保安基準第47条第1項第3号に規定する可燃物

また、「特別な許可(特殊車両通行許可、制限外積載許可等)が必要となる運行」についても受委託点呼ができません。

許可申請書類及び添付書類

受託営業所を管轄する運輸支局に以下の書類群を3部提出します。

許可申請書類と添付書類

  • ・管理受委託許可申請書
  • ・管理の委託受託契約書の写し
  • ・管理の報酬その他管理の実施方法の細目を記載した書類
  • ・受託事業者の安全性優良事業所認定証の写しの添付又は提示
  • ・委託事業者の安全性優良事業所認定証の写しの添付又は提示(Gマーク認定を受けている場合)
  • ・受委託点呼の実施場所と委託営業所の車庫との距離が分かる資料の添付又は提示(直線で5㎞以内であることが必要)
  • ・許可を受けるため満たすべき項目の自己点検表

自己点検表の中身

対面点呼に限られているか。

アルコール検知器に係る業務、点呼の実施記録に係る業務は委託され、受託者の責任となっているか。

委託者は、Gマーク営業所であるか、または、申請日前3年以内に「一当の重大事故」又は「点呼の実施違反」をしていないか。

受委託点呼の時間帯は、1営業日中16時間以内か。

委託者における委託先は一に限られているか。

危険物輸送や特別な許可が必要な運行は除外しているか。

受託者は、Gマーク営業所であるか。

受委託点呼実施者(運行管理者又は補助者)数は次式以上か。 1+{(受車数+委車数)÷30} 小数点以下切り捨て

受託者から委託者に、受委託点呼実施者の名簿等を提出することとなっているか。

運転者は受委託点呼実施者の指導に従い、委託者は受委託点呼実施者の助言を尊重することとなっているか。

委託者から受託者に、運転者名簿、運転者台帳写し、健康診断概要・病歴・服用薬に係る書類、点検整備記録簿の写し、緊急連絡体制表が提出されることとなっているか。

委託者から受託者に、一定期間前に、点呼を受ける予定の運転者等が分かる書類を提出することとなっているか。

委託者は、乗務前の点呼を受ける運転者に、当日の運行の計画について指示することとなっているか。

乗務前点呼時に、運転者から受委託点呼実施者に対し、前日の勤務状況、当日の運行計画、運転免許証、車検証、自賠責保険証を提示、日常点検の結果等を報告することとなっているか。

乗務後点呼時に、運転者から受委託点呼実施者に対し、乗務に係る自動車、道路及び運行の状況等について報告することとなっているか。

乗務前点呼で、運転者の体調不良等や法令違反を発見したとき、または、乗務後点呼で法令違反を発見したときは、委託者に連絡することとなっているか。

受託者において受委託点呼が実施できなくなった場合、直ちに委託者に連絡することとなっているか。

受委託点呼の実施記録について、記録・保存、写しの提供方法が、通達のとおり記載されているか。

双方の運行管理規程に、受委託点呼の方法等について規定することとなっているか。

個人情報の厳正な取扱いについて規定されているか。

受委託点呼を含めた総点呼回数の1/3以上を委託者の運行管理者が実施することとなっているか。

長期間、委託者の運行管理者と対面しない運転者に対し、指導・監督等を適切に行うこととされているか。

災害・気象警報が発令等された場合、委託者に連絡することとなっているか。委託者が運行をさせると判断したとき、委託者は安全のための措置を講ずることとなっているか。

委託者は受託者を定期的に調査管理することとなっているか。受託者は当該調査等に協力することとなっているか。

交通事故の対応は、委託者が行うこととなっているか。

受委託点呼の終了の要件が通達どおり規定されているか。

受委託の報酬は適切か。

受委託点呼実施期間は、3年以内となっているか。

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