自家用?事業用?営業車?業務用?商用車?白/緑ナンバーの関係

公開日:2021年5月23日 / 更新日:2022年7月31日

自家用、業務用、商用車の違いと白/緑ナンバーの関係

運送業専門行政書士鈴木隆広【トラサポ主宰】運送業専門行政書士「行政書士鈴木隆広」 神奈川運輸支局前、一般貨物自動車運送事業一筋16年の行政書士。平成30年1月には業界初の本格的運送業手続き専門書籍「貨物自動車運送事業 書式全書」が日本法令から出版される。【本部:神奈川県横浜市都筑区池辺町3573-2-301】

白ナンバーと緑ナンバーの違い

トラックには白ナンバーと緑ナンバーがあります。
大前提として、事業用自動車には緑ナンバーをつけないといけないとされています。
では仕事で使う車はすべて緑ナンバーをつけなければいけないのでしょうか?
もちろんそんなことはありませんが、その違いを正しく理解している方はどれだけいるでしょうか。
「事業用」の意味の捉え方によって状況はまったく異なります。

自社の自動車が白ナンバーでいいのか緑ナンバーが必要なのかの判断基準にもなります。

今回は自家用、事業用、業務用、商用車のトラックの違いを解説しましょう。

営業車とは?

営業車と言うと4ナンバー小型貨物のADバンやサニーバンを思い浮かべるでしょう。
営業マンが客先に行く自動車です。

ADバン、サニーバン、小型貨物自動車4ナンバー

ADバン、サニーバン、小型貨物自動車4ナンバー

多くの資料やサンプル、商品、大きなカバンを持っていくのに大変便利ですよね。
これらは普通は「トラック」とは呼ばず「バン車」と呼ぶでしょうが、4ナンバーなので立派な「貨物自動車」です。
仕事に使うので「事業用」と言ってもおかしくありませんね。
ではこの車は本当は緑ナンバーをつけないといけないのでしょうか?

もちろんそんなことはありません。

自家用と事業用の違いとは?

正確に話すために、自家用と事業用の違いを理解しましょう。
これは「事業用」と「それ以外」で分けられます。
「事業用」とはつまり、貨物自動車運送事業法で決められている以下の用途に使う車のことです。

「事業用」=「貨物自動車運送事業用」

  • ・他人の需要に応じ、有償で、自動車(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車を除く。次項及び第七項において同じ。)を使用して貨物を運送する事業

要するに「事業用」の「事業」とは「貨物自動車運送事業」の「事業」ということです。

簡単に言えば、自分の荷物や自社製品だけ載せるのは「自家用」になるわけです。
お金をもらわないで他人のものを運ぶときを想像するとこんなタイミングでしょう。なにかのついでで「じゃぁ持って行ってあげますよ」というケースです。従って事業用ではありません。毎日他人の物を無料で運ぶことなんてないでしょうから、これで大体イメージわくと思います。
※毎日無料で他人の物を運ぶことを本当に無償でやっているなら問題ありませんが、その相手からなにかしらのルートでお金をもらっていたら「運賃」としてもらわなくてもグレーか黒のあたりにいることを認識してくださいね。

営業車?業務用?商用車の違いとは?

では、営業車や業務用、商用車という言葉は結局なんなのでしょうか。
これらは法律用語でないので正確な定義はありませんが、次のように説明できると思います。

営業車

なにを運ぶかは関係なく、仕事に使う車。特に営業マンが使う車。4ナンバー小型貨物自動車。

営業車のイメージ

営業車のイメージ

業務用

トラックの中でもモノを運ぶことがメインなものではないでしょうか。
ただし運ぶものは、自分・自社・他人のモノかどうかは問いません。

2トントラックのイメージ

2トントラックのイメージ

軽バンのイメージ

軽バンのイメージ

商用車

営業車、業務用含めて貨物自動車全般を商用車と言っていると思います。
そして、積載量が車検証に載っている自動車は基本的には緑ナンバーにすることもできます。

まとめ

いかがだってでしょうか?

「事業用」という言葉が曖昧だからこのような誤解や不安が生じてしまうのです。

営業車も業務用も、商用車はすべて白ナンバーでも緑ナンバーになりえるわけです。
「事業用」=「貨物自動車運送事業用」=「他人のものをお金をもらって運ぶことを仕事とする仕事用」と理解すれば間違いありません。

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