運送業の未来:緑ナンバートラックと自動運転の可能性

公開日:2023年3月18日 / 更新日:2024年3月19日

【お気軽コラム:運送業のトレンド記事をホームページ記事作成のプロにお願いして作成したものをアップするコーナーです。法的な厳密な点は監修してないので、ネット記事のまとめとして雰囲気把握のために気楽にご覧下さい:トラサポ鈴木】

【トラック自動運転の動向は? 運送業界に与える影響やメリット・デメリットを解説】

運送業界の働き方改革が2024年4月~スタートし、ドライバー不足や物流の遅れが懸念されています。この問題に解決につながるのではと期待されているのが、トラックの自動運転です。

自動運転にはレベルがあり、現在では自動運転レベル3の「条件付き運転自動化」からレベル4の「高度運転自動化」へと移行しています。レベル4ではドライバーでなくシステムによって監視され、システムが自動運転タスクを特定の条件のもとで行います。

そして、2025年には高速道路での完全自動運転を目指しており、それが実現されると物流業界や運送業にも大きな影響があるでしょう。

今回は、物流業界の要であるトラックの自動運転に向けたメリット・デメリット、現時点で自動運転は、どこまで実証実験が進んでいるのか、自動運転が運送業界に与える影響法律や技術的な問題について解説します。

トラックの自動運転とは

トラックの自動運転とは言葉の通り、人の手を使わずにトラックが自走することです。
その歴史は意外に古く、アメリカでは1950年頃からすでに、自動運転の研究がはじめられています。

自動運転には5つのレベルがあり、レベルによって自動化される内容が異なります。

出典:国土交通省

レベル1:運転支援(自動ブレーキ、前の車について走る、車線からはみ出さずに走る)
レベル2:特定条件下での自動運転(レベル1の支援を複数組み合わせて実行できる、遅い車を追い越す、高速の分合流ができる)
レベル3:条件付き自動運転(自動運転できるが、システムの要求に対してドライバーのサポートが必要)
レベル4:特定状況下における完全自動運転(限定されたエリア内などで完全自動運転できる)
レベル5:完全自動運転(どのような条件であっても完全自動運転できる)

現在、普通車の多くにレベル1、レベル2の機能がついています。そのため、自動運転の力を実感されている方も多いと思います。

日本では、2020年4月に、レベル3の自動運転が許可。2023年4月には、道路交通法の改正により、レベル4の自動運転が一定状況下で解禁されました。これにより、トラックの自動運転実装が近づくのではと、期待が高まっています。

トラック自動運転に関する日本の取り組み

経済産業省、国土交通省は物流問題の解決を目指して、「トラックの隊列走行の社会実装に向けた実証」プロジェクトをスタートしています。2016年~2020年まで続けられたこの実証実験では、後続トラックを無人にした状態での隊列走行に成功しました。

この成果をもとに現在は、2025年度以降に高速道路でのレベル4自動運転トラックの実現、 2026年度以降の実用化・社会実装を目指しています。

自動運転トラックの実装にそなえ、新東名に自動運転専用レーンを設ける計画もあります。大型トラックをつかった自動運転の実験もはじまっており、レベル4の自動運転トラックが高速道路を走行できる未来を目指し、準備が進められています。

トラックの自動運転が抱える問題

トラックの自動運転化を目指し、国を挙げて施策が行われていますが、法律や技術的な問題もあります。

レベル4の自動運転自体は、道交法改正によって解禁されましたが、自動運転の許可を得るには煩雑な手続きが必要です。「特定自動運行」を実施するにあたり、都道府県公安委員会からの許可を得たり、経路などの運行計画を提出したり、といった手続きが求められます。

出典:国土交通省/特定自動運行に係る許可制度の創設について

技術については、2027年を目処にアメリカで、量産型トラックにレベル4自動運転を搭載する、というニュースもあります。

日本でもアメリカの自動運転トラック企業の日本支社「TuSimple JAPAN(トゥーシンプルジャパン)」が、自動運転の実証実験を行っています。

一方で、大型のトラックならではの運動特性(急停止や急な操舵が難しい)などの問題もあり、どこまで人の手でサポートするのか、どうしたら安全に走行できるのかなど、解決するべき課題が残されています。

自動運転トラック導入のメリット・デメリット

自動運転トラックが導入されると、運送業界にどのような影響があるのでしょうか。
メリット・デメリットをそれぞれたしかめておきましょう。

自動運転トラック導入のメリット

自動運転トラックが普及すると、無人で荷物を運べるため、ドライバー不足を解決できます。ドライバーの労働時間を減らしたり、運送業者の人件費削減につながったり、といった点もメリットです。

緑ナンバーのドライバーのことを常時選任運転者と言います。常時選任運転者になるには単に運転免許があればいいだけでなく、初任適性診断、15時間座学20時間実技研修の初任特別指導、運転記録証明の取得、入社時健康診断が必要です。また、毎年、常時選任運転者へは指導監督指針12項目の安全運転教育もしなければなりません。ただでさえドライバー不足なのに、一般運転者でないそのような義務まで果たさなければならないのですから、緑ナンバー事業者はとても大変です。従って、そのような資格がない自動運転トラックオペレーターのような人がもっと容易に雇えるのであれば大きなメリットがあります。

自動運転のトラックは、休息なしで走り続けられるという良い部分もあります。導入後は、寝不足などによる事故や人為的ミスを未然に防ぎながら、決まったルートをつねに決まった速度・時間で走行可能です。

導入後は、自動院展後ラックが物流の遅れを軽減し、効率よく荷物を運べる未来の担い手になると予測されています。

自動運転トラック導入のデメリット

自動運転トラックを実現するには、安全な運行が欠かせません。隊列走行中に割り込まれるリスク、高速道路に落下物などが落ちていた場合のリスクなど、確実に回避できる方法を検討できない場合、実現が難しくなります。

安全運転のため、多くのセンサーやカメラが必要になり、車両一台あたりのコストが高額になる恐れもあります。停止後の再発進や合流など、現状では人の手を借りなければ困難な部分が多い点もデメリットです。

トラックの自動運転には賛成? それとも反対?

物流問題を解決する手段として、注目を集めるトラックの自動運転ですが、賛成意見、反対意見がそれぞれあります。どのような声が寄せられているのか、生の声を集めてみました。

トラック自動運転への賛成意見

トラック自動運転への賛成意見として、トラック事故が減る、輸送の安全性が高まる、といった声が多く寄せられていました。自動運転によって、一般車が高速道路を安心して走れるようになるのでは、という期待が高まっています。その他にも、悪質な違反が減りそう、ヒューマンエラーを防げそうなど、安全性についての好意的な意見がみられました。

トラック自動運転への反対意見

トラックの自動運転が、ドライバーの働き方改善につながると言われる一方で、自動運転が普及したら仕事がなくなるのでは? という働き手側の反対意見が多くみられました。またドライバー以外の意見では、本当に安全なのか不安、事故が起きたときに誰が責任を取るのか、といった部分も指摘されています。

まとめ1

トラックが自動運転で荷物を運ぶ時代が、すぐそこに迫ってきています。
物流業界で働くドライバーの労働時間や負担軽減、そしてトラックの安全な運行のために、課題やデメリットを改善できる施策が急がれています。

自動運転の研究・実験は世界中で取り組まれており、アメリカサンフランシスコでは完全無人タクシーが一部地域でテスト走行しています。日本の自動運転トラックも、今後どんどん進化を遂げて、私たちの暮らしを支えてくれそうです。

【参考サイト】

警察庁/自動運転トラックの社会実装に向けた現状と課題

経済産業省/高速道路におけるトラックの後続車無人隊列走行技術を実現しました

東京工科自動車大学校/自動運転ってどんなもの?歴史と実用化時期を紹介!

TEPCO/自動運転レベル4解禁で訪れるニューワールド

日経クロステック/大型トラックの自動運転レベル4、TuSimpleが日本で2024年に実現か

fulllosdweb/アメリカントラックは自動運転が当たり前に? 米国最大手メーカーが量産車に「レベル4」自動運転機能搭載

トラックニュース/TuSimple/1000m先まで認識する自動運転トラックを公開

トラックの自動運転の動向とは

トラックといえば、ドライバーの仕事を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。現在、トラックのドライバーは高齢化や慢性的な人手不足が問題となっており、長時間労働による事故も増えている状況です。

2023年のトラックの自動運転の収益は、世界で約131億アメリカドルでした。これからますます市場規模が拡大することが予想されていて、2031年までに412億ドルを達成するといわれています。

トラックの自動運転はドライバーが減っている今、ニーズが高く技術が発展するにつれてより成長していくことが見込まれます。最近ではオンラインでの買い物が増えているため、運送業は需要が高い業界です。

さらに高いレベルのトラックの自動運転が実現すれば、トラックドライバーの負担が軽減するとともに事故を減らし、より便利な生活ができるようになるでしょう。

自動車の自動運転の歴史

トラックの自動運転の歴史は意外と古く、アメリカのGM社が世界博覧会で近未来の構想を発表したのが始まりです。そして、1950年代に入ってから実現に向け動き出し、1960年代にはアメリカのスタンフォード大学によって遠隔制御技術の研究開発が進められました。

日本国内でもアメリカに続いて自動運転の研究開発が進められ、アメリカではこの時期には人工知能を用いた研究が始まっています。

1980年代後半には、ただ自動運転の研究が進められるだけでなく、「交通課題の解決」にも注目しながら研究がさらに進められました。

1995年にはアメリカのカーネギーメロン大学のロボティクス研究所が開発した「NavLav 5」というミニバンを改造した車でワシントンD.C.からサンディエゴまでの約98%を自動運転することに成功しています。

そして、2000年代に入ると自動運転のレベルが跳ね上がり、SAE自動運転レベルが6段階のレベルが世界でも確立されています。現在では、無人自動タクシーの競争が激しくなるほど、自動運転が浸透してきました。

トラックの自動運転は自動車全体の自動運転よりは浅く、2019年に隊列走行を可能にするため、法律が整ったばかりです。国土交通省では、2025年以降にトラックの自動運転を商業化しようという動きになり、インフラを整えています。

トラックの自動運転に関わる3つの法律を解説

それでは、トラックの自動運転を実現するためには、どのような法律を確認しておくべきなのでしょうか。基本的な3つの法律について解決します。

道路交通法

2023年4月に改正された道路交通法では、自動運転レベル4の特定の条件下によるシステムによる自動運転の法改正が行われました。

レベル4では事故が起きたときに責任の所在をどうするか、ドライバーや自治体などはどのように責任を持つかなど、未だに法整備が整っていない部分もあります。

ただし、トラックに関してはレベル4に引き上げられるのはこれからです。現在では、トラックも2025年から2030年の間にレベル4の自動運転が実現する可能性があるとされています。

道路運送車両法

車両の自動運転を実現するにあたり、道路運送車両法の一部も改正する必要が生じています。具体的には、下記の法律が追加されているので確認しておきましょう。

  • 保安基準対象装置への自動運行装置の追加
  • 分解整備の範囲の拡大と点検整備に必要な技術情報の提供の義務付け
  • 基準適合性審査に必要な技術情報の管理に関する事務を行わせる法人に関する規定の整備
  • 自動車の特定改造などに係る許可制度の創設

これらの改正された法律は、自動運転をするために欠かせないものであるため、法の整備が検討されました。自動運転を行う車両には自動運行装置が必須となり、さらに監視などほかの体制も整えなければならないため、管理に関わる規定も整備しなければなりません。

電波法

トラックや自動車の自動運転で、電波法も2030年を目安として改正する動きとなっています。電波法では、自動運転向けとして一部の電波を割り当てることを検討しており、具体的には5.9GHz帯のうち、最大30メガヘルツ(MHz)幅の割り当てが検討されています。

ただし、これにもまだ課題がありほかの電波に干渉してしまわないか、導入前に調査していく必要があるでしょう。電波法は、自動運転に関する法の整備にはまだ少し時間がかかりそうな法律のひとつです。

トラックの自動走行システムの公道実証実験の事例

株式会社T2は、今後のトラックドライバーの労働力不足を懸念し、トラックの自動運転の開発を行っている会社です。

2023年4月14日には、東関東自動車道谷津船橋IC〜湾岸習志野IC間の高速道路で、トラックの自動走行の実証実験を行いました。今回の実験はレベル4自動運転技術の実現を目指したもので、実験は成功しています。

この実験では自律走行に成功していますが、株式会社T2は今後も実験を重ねていくことで運送業が安心してトラックの自動走行システムを導入できる未来を目指します。

トラックの自動運転の技術的問題とは

トラックの自動運転がほかの車両と比較して自動運転の実現が進んでいないのは、トラックの自動運転には技術的な問題が多いからでしょう。トラックは大型であり、ほかの自動車と役割も異なります。

トラックの自動運転を実現するときに課題となる4つの問題について確認してみましょう。

何か問題が起きたときにすぐ有人対応ができない

トラックの自動運転では、事故が起きたときなど自動だけでは完結できないトラブルが生じたときにどう対応するかが大きな課題となっています。そして、自動運転できるトラックを普及させるためには、この課題をクリアしなければいけません。

緊急性の高い問題が起きたときに有人対応ができない点は、自動運転のデメリットにもなります。

ほかの技術も組み合わせなければいけない

トラックの自動運転ではカメラやセンサーのほか、顧客からの質問に自動で応答するシステム、マイク、非常連絡ボタンなど組み合わせなければいけない技術も多いのが特徴です。

そのため、実現には必要な技術が機能を揃えなければいけません。また、何かあったときの対応はどうするかなどの制度も整えなければいけないなど、トラックならではの安全面についての課題が多いため、ほかの車両と比較してトラックの自動運転のレベルは低くなっています。

監視体制をつくらなければいけない

これまでのドライバーによる運転ではドライバーがいるため、監視する必要はありませんでした。しかし、トラックがシステムによって運転されるようになれば、そのシステムを監視する役割の人が必要になります。

なぜなら、自動運転の安全性が高まってきたとはいっても何も起こらないとは限らないからです。したがって、遠隔型自動システムによって監視体制をつくり、何かあったときには監視する人が遠隔運転をできるようにするとともに、運行の判断をしていきます。

また、自動トラックは完全無人で遠隔監視となるのは相当先のことでしょう。実現するとしてもしばらくは車内有人監視体制となるでしょう。その場合、大型免許などは必要なくとも、監視専用の免許が創設されると考えるのが自然です。そしてその人がトラックの中に乗っている場合は”労働時間”となります。トラック運転手でなくてもトラックで運べるようになるのは、トラックの労働力不足の改善には役立つかもしれませんが、「基本なにもしない労働」に対して高い給料を払うことは考えづらいことを考えると、この監視員は責任重大の割には求人のニーズは少ないかもしれません。

事故時における応急処置が課題となる

トラックの自動運転では、事故時における救護活動が課題となります。トラックは大型の車両ということもあり、事故が起きたときには被害が大きくなることも少なくありません。

交通事故では、救護活動の迅速さと正確さによって人の命を救えるかが左右されます。これまでの救護活動であれば、事故の原因となったドライバーが近くにいたためすぐに救護活動を行うこともできました。

しかし、自動運転の場合は無人であるため、救護活動を行うまでに時間がかかってしまうことが課題となります。

トラックの自動運転は、ドライバーの居眠りや運転の操作ミスによる事故を軽減できるメリットがあります。しかし、事故の原因はトラックだけでなく相手側の不注意で起こることもあるため、自動運転が事故をゼロにできる訳ではありません。

トラックの自動運転が運送業に与える影響とは

トラックの自動運転が実現することによって、運送業や物流業界に大きな変化がもたらされます。実際に、トラックの自動運転が実現するとどのような影響があるのか、具体的な3つのポイントに絞ってご説明します。

慢性的な人材不足の解消

運送業は長時間労働や重労働であるため、現在でも慢性的なドライバー不足が起こっています。今の人材不足が長く続くと、将来的にはドライバー不足によって指定された時間に荷物が届かないなどの影響が生じる可能性も高いといわれています。

トラックの自動運転が実現すると、運転をシステムに任せられるため人が運転しなくても良い仕組みがつくれます。また、有人だと必須とされていたドライバーの休憩時間も削減でき、24時間トラックを動かせるようになるでしょう。ただ運転をしていない時間が完全に労働でない時間になるとは考えづらく、その間は体力的には楽だとして安い給料であればドライバーの給与総額が減ってしまえば意味がありません。自動運転中はフェリーに乗っているときのように拘束時間から除外されるなどの特例が同時にルールとして設けられなければ意味が無いでしょう。

自動運転によってトラックを動かせる時間が長くなることによって、荷物が早く届くなどのメリットが得られます。

運送会社のコスト削減

トラックの自動運転によって、運送会社のコスト削減もできます。長時間労働が問題視されているドライバーを雇用すると人件費が高額になりますが、自動運転によってそのコストを削減することが可能です。

また、自動運転は低燃費でトラックを走行させることもできるため、経費の削減ができるでしょう。特に、人件費は運送業の総コストの60%~70%を占めるとされています。

その人件費を削減することによって、運送業ではコスト全体の30%~50%を削減に成功することが期待できるでしょう。

居眠り・ミスによる事故の減少

トラックのドライバーは長時間労働になりがちで、労働時間も不規則ですよね。なかには、1日の労働時間が15時間以上になるケースもあり、過労による不注意や居眠りが原因で事故につながることも少なくありません。

そのような「ヒト」が起こすミスを防ぎ、交通事故のリスクを軽減するのが自動運転です。交通事故を起こしてしまうと命の危険があるだけでなく、事故渋滞を引き起こしたり車両の修理に費用がかかったりします。

運送業で自動運転できるトラックが多数導入されるようになれば、居眠り・ミスによる事故の減少はもちろん、それによる業界全体のコスト削減にもつながるでしょう。

トラックの自動運転のメリット・デメリットとは

トラックの自動運転はほかの自動車よりも実現をするのが少し遅く、2025年以降にレベル4に引き上げるために公道実証実験を重ねています。トラックの自動運転を実現するためのメリット・デメリットそれぞれを知っておきましょう。

メリット

トラックの自動運転のメリットは下記の通りです。

  • 人件費が大幅に削減できる
  • 運送業で問題となっている人手不足が解消できる
  • コストカットができる
  • ドライバーの労働時間を減らせる
  • ドライバーのミスによる事故を減らせる

トラックの自動運転の実現に向けた研究開発が進められているのは、トラックの自動運転にはメリットが多いからです。特に、運送業の人手不足は深刻ですよね。

人件費やコストなどの問題が解消されれば、最近問題になっている運送業の倒産に歯止めをかけることにも期待が持てます。

デメリット

トラックの自動運転のデメリットは下記の通りです。

  • 実現に向けてインフラの整備が必要
  • 100%の自動運転の実現は難しく、ドライバーが運転するトラックのことも視野に入れた法律の改正が必要
  • 事故や問題が起きたときの対応への不安
  • 実現するには高度な技術が必要
  • 導入初期には高額な費用がかかる

トラックの自動運転が実現すれば一部のドライバーが職を失うといわれていますが、完全に無人にするのは難しく、現状が人手不足の業界であるためあまりその心配は必要ありません。

デメリットとしては、インフラや法の整備を整えることが難しいことが挙げられます。また、運送業の状況は厳しく中小企業や個人事業を始めとした運送業の倒産が相次いでいます。

この状況が改善しなければ、高度な技術を取り入れて自動運転ができるトラックの購入など、初期の投資が難しい企業も多いでしょう。

トラックの自動運転により予想されるドライバーの労働時間への影響

トラックの自動運転により、ドライバーの労働時間は半分くらいになるともいわれています。現在では、ドライバーは12時間以上働いている人も多いのが現状です。

そして、その時間のなかには長時間運転をしないための休憩時間や荷待ち時間も含まれるため、自動運転にすることによって「ヒト」の無駄な時間を削減できます。したがって、ドライバーの長時間労働がなくなり、残業時間は大幅に減るでしょう。

また、運送業のなかには人件費削減のために、「荷待ち時間」を休憩時間として労働時間に含める会社も少なくありません。したがって、トラックの自動運転によって荷待ち時間が削減できれば、ドライバーのサービス残業も減らせるといえます。

トラックの自動運転にはどのような意見がある?

トラックの自動運転はメリット・デメリットがあるだけでなく、安全にもかかわるので慎重に検討しなければいけない問題ですよね。賛成派・反対派それぞれの意見をご紹介します。

賛成派の意見

トラックの自動運転に賛成派の人は、トラックドライバーの負担を軽減したり事故を減らしたりできる点に期待しています。

最近は、自動車でも高齢者の運転が問題視されていますが、トラックドライバーの世代も高齢化が進んでいる現状がありますよね。そのような背景があることから、自動運転が進めばもっと事故を減らせると考えている人が賛成しています。

また、トラックドライバーの人手不足の問題が解消するとともに、渋滞の緩和になるのではという声もあります。

現在は消費者がオンラインで商品を注文する機会が増えたため、トラックに大切な荷物を預ける機会も増えていますよね。

その荷物の安全を守ったり時間通りに届けてもらったりするなど、サービスの質を高めることも踏まえ、トラックの自動運転が実現して欲しいと思う人が増えています。

反対派の意見

反対派の意見としては、自動運転のトラックが潰されてしまうほど大型の車がすぐ後ろを走行していたときの事故での対応や、ずっと有人で監視しなくてはいけないというシステムのイメージがしにくい運送業者もいます。

また、運送業ならではの意見では「貨物用」のトラックが開発されなければ導入を検討することもできないという意見があります。そのため、トラックの自動運転が実現したとしても、普及するのにはさらに長い年月がかかる可能性が高いでしょう。

また、監視だけでは不安だという声もあります。たとえば、異臭がするなどの不調は監視だけではわからないですよね。トラックドライバーが確認して万全の状態でトラックを出発させたとしても、走行中に何か不調が起こる可能性もあります。

反対派の意見は、このような安全面での不安や課題が多く指摘されています。

まとめ

トラックの自動運転は普通自動車の自動運転よりも進んでいない状態で、2024年問題に向けて開発が行われています。まだ課題が多く、実現に向けて実験を重ねることによって不安視されている点を解消していかなければいけません。

しかし、実現すればドライバーの労働時間の削減や交通事故の減少、環境にも優しいなどさまざまなメリットがあります。

自動運転そのものは長い歴史のなかで研究開発されていたもので、実現も目の前まできています。

【参考URL】

https://jidounten-lab.com/u_32604#google_vignette

https://jidounten-lab.com/u_japan-autonomous-laws-guidelines-matome

https://jidounten-lab.com/u_38173#_-4

ドラエバー

https://ainavi.jp/portal/work/automated_truck_driving/#index_id4

https://jidounten-lab.com/u_36605#_-2

https://ainavi.jp/portal/industory/self-driving-truck/

https://newscast.jp/news/0530942

https://regolith-k.com/topics/319.html

https://logiiiii.f-logi.com/series/management/autonomous-vehicle-regulations/

https://www.soliton.co.jp/lp/rp/

https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/council/jidounten/R02nendo/2020dai1kaiiinkaigishiryou2.pdf

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA027K00S3A600C2000000/