車両制限令第5条2項道路3.7メートルでの車庫申請

公開日:2019年2月26日

幅員証明イメージ

 

幅員証明を取りました。

幅員証明イメージ-2

幅員証明イメージ

3.7メートル5条2項です。
普通に計算すると通行可能な車両幅は
(3.7-0.5)÷2 = 1.6(メートル)
です。
1.6メートルってホンダのフィットも通れません。

この件、他の行政書士(運送業専門とうたっている行政書士)が幅員証明見て、すぐに諦めてしまったので、うちに来てくださった案件です。

幅員証明で車両制限令通りに計算するとNGだとすぐ諦めてしまう中途半端は人が結構多いです、悲しいことです。

いつもの通り、通行認定を出せば軽くOKでしょ!
と思いきや、○○市の担当部署はその制度を知りませんでした。
「乗用車であればいいですけどトラックはちょっと・・・」
なぬ!?
いやいや、車両制限令は乗用車とか貨物車とか関係ないのです。

で、予定の5台車検証をFAX送って、「どの車なら通れますか?」と聞いたところ、以下のような回答が返ってきました。
(車両幅は179cmの2tから213cm4t、249cm大型までありました)
うち、179cm,183cmのは大丈夫という回答が来ると思いきや、杓子定規の1.6m。
で、よくわかりませんが、路肩の1メートルを加算したとしたら2.1mまではOKかもしれませんが、車両制限令に抵触しているかどうかの判断は運輸支局という意味不明の回答。

一応、この文書を運輸支局の○○さん(この人が一番一般貨物の話をわかってくれます)に聞いたら、
「確かに、○○市の言ってることは間違っていますね。車両が通れるかどうか判断するのは道路管理者(=○○市)です」
という回答。
「ですよねー!ありがとうございました」と私。

で、○○市にを以下の文書をFAXしました。

幅員証明に対する申立

幅員証明に対する申立

要するに、全員違法状態であることを知っていて、それを放置したら自治体として怠慢じゃないの??ということを暗示しています。
お客さんとの相談次第ですが、言うこと聞いてくれなかったら、この道路を使うほとんど全員(軽自動車以外。軽自動車の最大幅は148cm)が違法行為をしているということになりますよね?
そういう旨を電話で話しました。

すると、
「車両制限令は運送事業に関わることなので、自家用車は関係ありません」
などと!
車両制限令は道路法の政令で、そこから飛んで道路交通法で”自動車”という語が定義されています。
すなわち、自家用も事業用も関係ありません。
その旨を伝えると「不勉強ですみません」と謝られました。

というか、○○市からのFAXで1.6メートルと書いてしまった時点で行政としては詰みなんですよね。。。
「ということは?」からの三段論法で「ほぼ全員違法状態を認めてます」ということになるじゃないですか。

ということで、道路の種別自体を変えさせようとしました。
※葛飾区では実際、5条1項極小道路にしてもらったことがあります。
なぜなら、通行認定をうちのお客様だけ受けたとしても、それはそこを使う人たちの違法状態を放置している現状は変わらないからです。
だから「5条1項極小道路にするのがWIN&WINでしょ?」という理論で攻めています。

○○市の担当も無知なので、あまりいじめると可哀そうな気もするので
「運輸支局から照会が来たときに、通れますと答えるので」
と言っているので、そこを落としどころにするか、どうしようか。
週明けにまた上司と相談してから、○○市から連絡が来るということになっています。

それを受けて、運輸支局に申請をしました。

運輸支局から○○市に電話してもらったところ、
○○市の担当者から口頭で
「2mまでだったらOK」
という言葉をもらったということだったのですが、
それで輸送担当上長に確認したら、あれはおそらく
「なんでもいいから書面をもらえ」
と言われたようで、運輸支局の担当者も○○市に
「なんでもいいので書面を!」
と訴えていたようです。

○○市の担当者と私が話したときにそれを聞きました。
で、私はこう言いました。
「一番楽なのは、『○○市では前例がないのでそのような書面は出せません』と言っちゃえば、運輸支局も『はい、そうですか』と言うと思いますよ」
と助け船を出しました。
それとともに、埼玉と横浜で通行認定が出た書類をFAXで参考に送ってあげました。

で、結局のところ、○○市はきっと運輸支局にそう言っても、運輸支局の輸送担当は、なぜか頑として譲らなかったのでしょう。
翌朝、電話がかかってきて、
「いろいろと協議した結果、4.7mの半分の2.35mまでだったら通行認定出させていただきます」
ということでした。
また、道路管理者として、一応違法状態を知ってしまったからにはそのままというわけにもいかなかったのでしょう。

従って、249cmの車両はムリですが、231cmの車両はなんとか通れるようになりそうです。

私も最終的には
「そこを通りそうな人たちから署名もらってくるよ」
的なことをほのめかせながら話したので、○○市も頑張ってくれたのでしょう。
理想の5条1項極小道路指定替えまでは行けませんでしたが、まぁこれでヨシとしましょう。
あんまり融通が利かなかったら「噂の東京マガジン」に投書しようと思っていました(笑)。