ドライバーは暦日24時間を含まないと休日にならない!はホントか? | 運転者の休日の取扱い

公開日:2023年1月31日

運送業者に労基(労働基準監督署)やトラック協会適正化指導員が来て、ドライバーの休日について「暦日24時間を含まないと休日にならない」という指摘がされることがあります。果たしてそのとおりなのでしょうか?

たしかに休日は暦日でなければならないという大原則があります。

労働基準法で言う休日の原則

  • 休日は、原則として暦日(午前0時から午後12時までの継続24時間をいう。)で与えなければなりません。しかし、番方編成による交替制(8時間3交替勤務のような場合をいう。)を導入するような場合、以下の要件を満たせば休日は暦日ではなく、継続した24時間を与えれば差し支えないとされています(昭和63年3月14日付け基発1450号)。
    (イ)番方編成による交替制によることが就業規則等により定められており、制度として運用されていること。
    (ロ)各番方の交替が規則的に定められているものであって、勤務割表等によりその都度設定されるものではないこと。

しかしドライバーは8時間3交替勤務ではありません。

そうするとやはり役人の言うことは正しいのでしょうか?

下の図だと、1日目の仕事で途中最後の積み込みが手間取ってしまい、予定より遅く翌日の1時までまたがってしまいました。2日目には23時間休みが取れてるし、翌日も9時間しっかり休んで、合計32時間なのに、たった1時間はみ出しただけで休日ではなくなってしまうのでしょうか?(休日は4週で4日付与しなければなりません。その貴重な1日が認められなくなるのはとても困ります)

暦日でない休日のケース

暦日でない休日のケース

改善基準告示の解説でよく見る「改善基準のポイント」には以下のように書いてあります。

改善基準告示のポイントの休日についての解説抜粋

改善基準告示のポイントの休日についての解説抜粋

運転者の「休日は、休息期間+24時間の連続した時間をいいます。ただし、いかなる場合であっても、この時間が30時間を下回ってはなりません」

要するに休息期間8時間+24時間=32時間が最低限必要とだけ書いてあります。(30時間とあるのは分割休息を想定した特例なのでここでは触れません)これが暦日を含まないといけないのかどうかには触れていないのです。従ってこの記載だけで「32時間まとまっていれば暦日をカバーしなくてもいいんだ」と思うのは早計です。なぜならこの文章は「32時間以上まとまってないと休日にならないよ」とだけしか言っておらず、暦日についてはなにも触れてないからです。

このままでは役人が「でも休日は暦日という大原則があるから!」と言われたら対抗できません。。。

しかし、改善基準告示の原文を見ると、このような例外規定がされています。

自動車運転者の労働時間等の改善のための基準について(平成元年三月一日)(基発第九三号)

  • ロ 休日の取扱いについて
    法第三五条に規定する休日は原則として暦日を単位として付与されるべきものであるが、自動車運転者については、その業務の特殊性から暦日を単位として休日を付与することが困難であるため、休息期間に二四時間を加算して得た労働義務のない時間、すなわち通常勤務の場合には連続した労働義務のない三二時間を、隔日勤務の場合には連続した労働義務のない四四時間を休日として取り扱うこととしたこと。

いやぁ~、ありましたね!!よかったよかった。
やっぱりまとめ資料だけでなく原文にあたらないといけませんね。だから労基の人も勘違いしてるのでしょう。

ということで、労基の人などに「暦日じゃないから休日扱いにならないよ!」と言われて困っている人は、この告示を教えてあげましょう。

運転者の休日は暦日をカバーしなくても、休息期間+24時間で大丈夫です。

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