2026年2月10日「自家用ダンプカーの貨物自動車運送事業法における取扱いについて」
毎度のことですが、本ページに対する質問、クレーム等は一切受け付けません。お近くのトラサポメンバーに問い合わせることもしないでください。
わからないことがあれば最寄りの運輸局にお問合わせください。それにこの文書については運輸局自身が「わからないことは聞いてください」と言ってるのでむしろガンガン運輸局に質問してあげてください。
2026年2月10日、国土交通省 物流・自動車局 貨物流通事業課長から「自家用ダンプカーの貨物自動車運送事業法における取扱いについて」という事務連絡が各団体に通知されました。
全文は本記事末尾に転載します。
冒頭にこんな強気な文章があり、内容を期待させます。ワクワク。
改正法は、違法 白トラ」を行う者に関する従前の取扱いを変更するものではありませんが、特に個人事業主による自家用ダンプカーの利用が多い建設現場等における混乱が生じることのないよう、今般、自家用ダンプカーの貨物自動車運送事業法における取扱いを下記のとおり明確化することとしました
この文章を読んでいると全員が「ん??」と止まる場所があります、それがこちらです。
運転者が持ち込む自家用ダンプカーを使用する場合、運転者と建設関連会社等との間で、当該車両の業務上使用契約書の締結等の適切な措置が講じられているか・運転者が当該建設関連会社等の指揮命令下にあるか 等
この読み方、まずは「運転者」はその前にあるように「当該会社等と雇用関係にある従業員たる運転者(期間雇用又は日雇い雇用等の場合を含む。)」、つまり外注個人事業主はNGというのが素直です。ただし、そのあとにまた役所らしい怪しい書き方があります「雇用関係があるか否かについては、契約等の形態のみならず、使用従属性等の実態も踏まえて判断されることとなる。」ってオイオイ!契約等の形を取らずにダンプ組合が言っているような「労働者性の強い個人事業主」が含まれるような匂いを醸し出してます。さきほど明確化する、って言ったばかりなのに・・・。
そしてこれって絶対おかしくない?ってのが「業務上使用契約書の締結等」です。これで、車両使用料を給与と別にもらえるのであればなんでもアリになってしまいます。
冒頭の「混乱が生じることのないよう」とは逆にこっちは超混乱してるんですけど!!
ということで私は全国の運輸局に以下の質問状を投げています。期待して回答をお待ちください。
読者の方も、この質問をご自身の運輸局にぶつけてみてください。
「1.法の許可が不要となる運送の(2)建設関連会社等の生業と密接不可分であり、その業務に付帯するものとして運送を行う場合」について。
(A)ここでいう「建設関連会社等」は、建設現場において建設工事や解体工事を主に行う事業者が想定されていると思いますが、自社では〇建ゼッケンダンプを保有しているがその現場では建設や解体作業をほとんど行わず土砂等の搬出だけを請け負う場合は「生業と密接不可分であり、その業務に付帯するものとして運送を行う場合」に該当しますか?
(B)(A)が該当しないとした場合、とても軽微な解体工事として、具体的には1000円分の解体作業を請負い、実際に軽微な解体作業を行い、自社が解体した以外の他の業者が解体したもの(自社が解体したものの10倍以上の量)も一緒に運ぶ場合は生業と密接不可分と判断されますか?このとき、その10倍以上の量のものを運ぶのはその軽微な解体作業を受けるのに不可欠な依頼内容だとし、それ以外の仕事を当該会社は選べないため現実問題不可分だとします。
(C)(B)が法の許可が必要となるとする場合、以下の質問をします。自社が解体したものが重量または容量、もしくはその両方が運ぶ量の50%超であり、50%未満が他の会社の建設作業によるものの混合物を運ぶ場合、その行為は法の許可が不要となる運送に当たりますか?
「2.自ら運送を行っていると認められるための具備要件」(以下、X条件)の中で「運転者が持ち込む自家用ダンプカーを使用する場合、運転者と建設関連会社等との間で、当該車両の業務上使用契約書の締結等の適切な措置が講じられているか」の部分に当然疑問が生じます。そこで箇条書きで質問をします。
まず、ここでは大前提のように「当該会社等と雇用関係にある従業員たる運転者(期間雇用又は日雇い雇用等の場合を含む。)」とありますが同時に「社会保険等の加入が必要な場合に社会保険等の加入や支払い等の適切な措置が講じられているか」と書いていることからその運転者は正社員(週5日40時間以上労働するもの)を求めていないことは明らかです。
(1)「運転者が持ち込む自家用ダンプカー」の車検証の所有者と使用者について
使用者は建設会社である必要がありますか?それとも当該運転者個人名でもかまいませんか?
(2)「運転者が持ち込む自家用ダンプカー」について、当該業務に当該車両を使用するための対価を当該建設関連会社から給与以外で受領することは問題ありませんか?
(3)(2)が問題ない場合、その業務において発生した燃料費や高速道路通行料などの変動費を当該建設関連会社から労務費以外で当該運転者が給与と別に受領することは問題ありませんか?
(4)「運転者に対する報酬が給与として支払われているか」とありますが、それはこの運転者が当該建設関連会社における作業の対価すべてについて給与として支払われていることが必要でしょうか?一部でも給与として支払われていればいいのでしょうか?
(5)もし(4)において一部が給与として支払われていればいい場合、極端な話、1か月のうち1時間分の労務について給与で受領し、残りは外注費として受領することは貨物自動車運送事業法における貨物自動車運送事業許可の無許可事業か否かという観点からして明らかに違法でしょうか?もしくは脱法ではあるがグレーの範囲のため即違法とはならないか?
(6)もし(5)のケースがX条件を満たさない場合、雇用保険の加入条件である「 1. 1週間の所定労働時間が20時間以上であること」に該当しない範囲、具体的には1週間の労働時間が19時間で(5)よりも多く給与として報酬を受け取ることになり、それ以外は(5)と同様に外注費として受領する場合はいかがでしょうか?
(7)もし(6)のケースがX条件を満たさない場合、雇用保険の加入条件以上~社会保険加入未満の労働時間で給与を受領し、それ以外は(5)と同様に外注費として受領する場合はいかがでしょうか?
(8)もし(7)のケースがX条件を満たさない場合、当該運転者(運転者として認定されていないかもしれませんが便宜上そのように呼びます)の当該建設関連会社での総作業時間の51%を労働時間とし給与として受領し、それ以外の作業時間については外注費として受領する場合はいかがでしょうか?
これは私見です。
白ダンプ個人事業主を集めた組合はその「労働者性」を訴えて今まで白ダンプ行為を正当化してきました。それに終止符を打つのかどうかが今回の通知文書「「自家用ダンプカーの貨物自動車運送事業法における取扱いについて」の回りくどい文書では読み解けないので、その組合が想定するケースをあいまいにせず明文化して確認しています。上記の(2)と(4)について今回の文書で明記されていない限り、どうにでも解釈が可能です。もし私の質問のまず(2)及び(3)が問題なければ簡単に白ダンプを続けることができます。また特に(5)が「明らかに違法」という回答でなければ、今までとほとんどなにも変わらず、それらの組合員は以下の対応で白ダンプ行為を続けることでしょう。逆に言えば国土交通省として個人事業主の白ダンプをそのまま生き残らせる意思があるのであればそのような取扱いを公式見解として出したということなので社会の法的秩序は安定して良いと考えます。はっきりしないのが一番良くないことです。
・雇用契約書は締結し労働契約は成立し、建設関連会社は労働条件通知書を交付する
・1か月に1時間分だけを労務とし、1時間分だけ給与として支払う
・上記1時間以外の作業についてはすべてを外注費として支払う
・車両使用料として給与と別に支払うため支払総額を今までと同じようにするのはどうにでもなる
・1か月に1時間しか労働しないので当然社会保険にも雇用保険にも加入する義務はない
「2.自ら運送を行っていると認められるための具備要件」に列記してある内容をすべてクリアできてしまいます。
「自家用ダンプカーの貨物自動車運送事業法における取扱いについて」
- 事 務 連 絡
令和8年2月10日
建設業者団体の長 殿
資材関連事業(セメント・生コン、合材)団体の長 殿
骨材関連事業(砕石、砂利)団体の長 殿
各府省庁主管担当課長 殿
各都道府県主管部局長 殿
各政令指定都市主管部局長 殿
各市町村主管部局長 殿
主要民間団体の長 殿
(単名各通)
国土交通省 物流・自動車局 貨物流通事業課長 - 自家用ダンプカーの貨物自動車運送事業法における取扱いについて
- 昨年6月に成立した 貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律」(令和 7 年法律第 60号。以下 改正法」という。)による改正内容の一部が本年4月1日から施行されることとなっており、この中で、いわゆる違法 白トラ」に運送委託を行った荷主等に対する規制が新たに適用される予定です。
改正法は、違法 白トラ」を行う者に関する従前の取扱いを変更するものではありませんが、特に個人事業主による自家用ダンプカーの利用が多い建設現場等における混乱が生じることのないよう、今般、自家用ダンプカーの貨物自動車運送事業法における取扱いを下記のとおり明確化することとしましたので、関係団体におかれましては、会員各位に周知いただきますようお願いいたします。 - 記
建設現場等で使用するダンプカーについては、①他人の需要に応じ、②有償で、③貨物の運送を事業として行う場合には、貨物自動車運送事業法(以下 法」という。)の許可が必要となりますが、下記の1. (1)又は (2)のいずれかに該当し、2.の要件を具備した場合には、法の許可が不要となります。
なお、個別の事案の判断に当たっては、下記を参照いただいた上で、判断に迷われる場合には、下記のお問い合わせ窓口までご相談ください。
また、法の許可が不要となる場合であっても、運転業務に主として従事する労働者については、 自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(改善基準告示)が適用されることにご留意ください。
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1.法の許可が不要となる運送
(1)建設関連会社等が自ら所有する貨物を自ら運送する場合
自ら所有する貨物を自ら運送する場合には、自社のニーズや発意に応じて運送が行われることが通常であり、運送行為の対価も発生しないことから、上記①及び②に該当せず、法の許可は不要となる。
<具体例>
・土砂等販売業者が、販売するために購入した土砂等を、自社と雇用関係にある従業員(期間雇用又は日雇い雇用等の場合を含む。)に運搬させる場合
(2)建設関連会社等の生業と密接不可分であり、その業務に付帯するものとして運送を行う場合
他者が所有する貨物であっても、下記ⅰ)~ⅲ)のいずれにも該当する場合には、業としての運送を行っているとは言えず、上記②及び③に該当しないと整理できることから、法の許可は不要となる。
ⅰ)建設関連会社等の生業と密接不可分であり、その業務に付帯して行われる運送であること
ⅱ)上記ⅰ)の生業に付帯して行われる運送と認められるための具備要件として、当該生業を営む建設関連会社等が自ら運送行為を行うこと(同一の者が当該生業と当該運送行為とを一貫して行うこと)
ⅲ)名目の如何を問わず、運送行為の対価としての有償性がないこと
<具体例>
・建設工事を請け負った建設関連会社等が、自社の行う建設工事に付帯する業務として、当該建設工事で発生する残土等を、自社と雇用関係にある従業員(期間雇用又は日雇い雇用等の場合を含む。)に運搬させる場合
・土砂等販売を代行する個人事業主が、当該個人事業主の行う土砂等販売代行に付帯する業務として、販売する土砂等を当該個人事業主が運搬する場合
2.自ら運送を行っていると認められるための具備要件
上記1.(1)(2)において、建設関連会社等が自ら運送を行っていると認められるためには、当該会社等と雇用関係にある従業員たる運転者(期間雇用又は日雇い雇用等の場合を含む。)に運送行為を行わせることが必要である。
雇用関係があるか否かについては、契約等の形態のみならず、使用従属性等の実態も踏まえて判断されることとなる。少なくとも主な判断基準としては、
・建設関連会社等と運転者との間で労働契約が締結されているか
・運転者に対して労働条件通知書の交付がなされているか
・運転者に対する報酬が給与として支払われているか
・社会保険等の加入が必要な場合に社会保険等の加入や支払い等の適切な措置が講じられているか・運転者が持ち込む自家用ダンプカーを使用する場合、運転者と建設関連会社等との間で、当該車両の業務上使用契約書の締結等の適切な措置が講じられているか
・運転者が当該建設関連会社等の指揮命令下にあるか 等
があるが、労働契約や労働条件通知書等に関する詳細は、最寄りの労働局・労働基準監督署にご確認いただきたい。
【参考:フローチャート図(※1)】 
- 【参照条文】
〇貨物自動車運送事業法(平成元年法律第八十三号)(抄)
(定義)
第二条 この法律において 貨物自動車運送事業」とは、一般貨物自動車運送事業、特定貨物自動車運送事業及び貨物軽自動車運送事業をいう。
2 この法律において 一般貨物自動車運送事業」とは、他人の需要に応じ、有償で、自動車 (三以以上の軽自動車及び二以の自動車を除く。次項及び第七項において同じ。)を使用して貨物を運送する事業であって、特定貨物自動車運送事業以外のものをいう。
(一般貨物自動車運送事業の許可)
第三条 一般貨物自動車運送事業を経営しようとする者は、国土交通大臣の許可を受けなければならない。
【お問い合わせ窓口】
主たる事務所を管轄する地方運輸局等にお問い合わせください。








