日常点検は誰が実施すべきなのか
これ、結構微妙なんですよね。
まず、整備管理者が全部日常点検やらないといけないと気もしますが、そんなことはまずありません。
運転者さんが実施するで構いません。
運転者さん以外の従業員が実施する、これもOKですね。
本当は車両を運転するドライバーさんが点検するのがいいと思いますが、日常点検専門の人が車庫にいてもいいですよね。
さてここで、外注会社とかだったらどうか、というところです。これは根拠は調べ切れていませんが、神奈川運輸支局整備課はOKと言っていました(根拠条文は探せていません。ただ、日常点検を自社でやらなければいけないという条文はありません)。
だから、日常点検を夜中の2時くらいに全台数誰か嘱託の高齢者に任せて、その報告を整備管理者および運行管理者にメールや電話等で報告。
ドライバーさんは運行管理者にそれをもって「日常点検完了」確認を受け、対面点呼完了ということも可能です。
運行前の何時間以内に日常点検をしなければいけない、というルールもないですから。
日常点検完了確認を対面でやらなければいけない、というルールもありません。
そういう流れはアリと言えばアリです。
最近は夜中の対面点呼を高齢者嘱託みたいな人を正社員よりは安い時給で4時間くらい雇って運行管理補助者として点呼させる会社も増えています。
そうするとその人で3分の2まで対面点呼ができるということです。
少しはお金がかかりますが、そのように工夫することで法令をなんとかクリアすることが可能ということはお客様に提案することもあります。
その理屈と一緒で、日常点検もそういう人を雇うのは有力な選択肢でしょう。
上記根拠に関連して道路運送車両法ではこう書いています。
(使用者の点検及び整備の義務)
第四十七条 自動車の使用者は、自動車の点検をし、及び必要に応じ整備をすることにより、当該自動車を保安基準に適合するように維持しなければならない。
(日常点検整備)
第四十七条の二 自動車の使用者は、自動車の走行距離、運行時の状態等から判断した適切な時期に、国土交通省令で定める技術上の基準により、灯火装置の点灯、制動装置の作動その他の日常的に点検すべき事項について、目視等により自動車を点検しなければならない。
2 次条第一項第一号及び第二号に掲げる自動車の使用者又はこれらの自動車を運行する者は、前項の規定にかかわらず、一日一回、その運行の開始前において、同項の規定による点検をしなければならない。
とだけあります。
”使用者”というのは車検証の使用者つまり会社です。
会社は法人で自然人ではないなので当然会社自身は点検できません。
じゃぁ自然人が点検する。
それが従業員でなければいけないかどうか、というのはここには書いていません。
それが使用者の権原で外注に頼むこと自体がOKかどうか、ということがはっきり判明すれば正式に問題ないということになるのでしょうが、そこまでの根拠はありません。
しかし、「ダメ」ということは間違いなく書いていません。
ここでの”使用者”の義務は”保安基準に適合するように維持”管理することのみで、それを誰が実施するのかは別でいいのでしょう。
ただ、運輸支局はOKと言っています。