標準貨物自動車運送約款改正、やるべきこと全解説
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平成31年4月1日から、また、標準貨物自動車運送約款が改正されました。
今回は、商法改正による改正です。どんな約款が改正対象なのか?運送事業者はなにをすればよいのか?わかりやすく全解説します。
改正の内容
国土交通省は、標準貨物自動車運送約款等の一部を改正する告示(平成31年国土交通省告示第321号)のためのパブリックコメント募集が終わり、その結果を元に、平成31年4月1日新しい標準約款が施行しました。
改正の対象約款
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- ・標準貨物自動車運送約款(平成2年運輸省告示第 575 号)
- ・標準宅配便運送約款(平成2年運輸省告示第 576 号)
- ・標準引越運送約款(平成2年運輸省告示第 577 号)
- ・標準貨物軽自動車運送約款(平成 15 年国土交通省告示第 171 号)
- ・標準貨物軽自動車引越運送約款(平成 15 年国土交通省告示第 172 号)
- ・標準霊きゅう運送約款(平成 18 年国土交通省告示第 1047 号)
- ・標準貨物自動車特定信書便運送約款(平成 27 年国土交通省告示第 1163 号)
- ・標準貨物軽自動車特定信書便運送約款(平成 28 年国土交通省告示第 247 号)
改正した項目
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- (1)電磁的方法による送り状の提供
- (2)危険物に関する通知義務
- (3)運送賃の請求権
- (4)運送人の損害賠償責任
- (5)損害賠償の額
- (6)高価品に関する特則の適用除外
- (7)運送品の供託・競売等
- (8)荷受人の権利の行使による荷送人の権利の喪失
- (9)運送人の責任の消滅
- (10)貨物引換証
- (11)その他所要の改正(表現の適正化等)
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国土交通省がパブリックコメントを募集したときのページはこちらをクリック。
運送事業者がやるべきこと
平成29年11月4日新しくなった標準約款を使っている事業者
今回新しくなった、平成31年4月1日版の標準約款を「営業所」に掲示します。
もし、「主たる事務所」が「営業所」と異なる場合は、主たる事務所にも掲示します。
平成31年4月1日版の標準貨物自動車運送約款ダウンロードはこちらをクリック
その他の標準約款については国土交通省サイトもしくはお近くのトラック協会にて入手していください。
平成29年11月4日標準約款改正時に独自約款認可を受けている事業者
今回の商法改正の趣旨を反映させた独自約款を作成し、改めて認可を受ける必要があります。
先ほど説明した、改正した項目の変更内容に対応できるように、運輸支局と相談しながら、独自約款を変更した上で、改めて運輸支局に提出し、認可を受けてください。
運輸支局から届いている通知について
平成31年3月終わり頃、全国的に以下の旨の通知書が運輸支局から各事業者に届いています。
この通知書は全事業者に届いているわけではなく、平成29年11月4日版標準約款変更の際の手続きを行っていない事業者に届いているようです。
しかし、運輸支局がこの通知を準備している間にちゃんと手続きをした事業者にも、この通知が届いてしまっているために、多くの事業者が混乱しています。
とは言え、平成29年11月4日の際に、適切な手続きをした事業者であっても、標準約款が変更されたということは、最新版の標準約款を掲示する義務があるので、最新版を掲示しておきましょう。
もし監査が入ってしまったときの選択
トラック協会の巡回指導であれば、指摘後すぐに対応すれば問題ありませんが、運輸支局の監査の場合はそうはいきません。その選択によって結果が変わります。
もちろん、今すぐに「運賃設定届を提出し、新しい標準約款を掲示する」もしくは「今回の商法改正にも対応した独自約款にて認可を受ける」かのいずれかの手続きをするのが最善ですが、知識として以下のことを知っておきましょう。
新しい標準約款を使います、と言う
監査で「標準約款改正に伴う手続きがされていませんね?」と指摘されたときに「新しい標準約款を使います」と言った場合の違反事項は以下の通りです。
違反事項と行政処分
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- ・運賃料金変更届未提出 初違反:警告(再違反:10日車)
- ・約款の掲示義務違反 初違反:警告(再違反:10日車)
要するに、こちらであれば、初違反の場合は行政処分とはならず、「警告」どまりとなります。
独自約款を使います、と言う
運賃設定届を出さないくらいなので、独自約款を使うこだわりがあることは稀でしょうが、監査員に「標準約款改正に伴う手続きがされていませんね?」と指摘されたときに「独自の約款を使います」と言ってしまった場合の違反事項は以下の通りです。
違反事項と行政処分
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- ・約款の認可申請違反 初違反:20日車(再違反:40日車)
こちらの場合、初違反でも20日車(1台が20日間)トラックを停められてしまいます。
これを考えると、「新し標準約款を使わない方がペナルティが大きい」という結論になりますね。
本当の監査の場合、この一言が命取りになるので、基本的には「新しい標準約款を使います」ということを頭に入れておく方がよいと思います。