2026年3月16日「廃棄物の処理と貨物自動車運送事業に係る許可等の関係について」:ゴミ収集と緑ナンバー問題
2026年2月10日に「自家用ダンプカーの貨物自動車運送事業法における取扱いについて」事務連絡が発出されました。
私が国土交通省と各自治体の環境行政および首長にしつこく「廃棄物収集運搬事業者の緑ナンバー問題をハッキリしてあげないと2026年4月から日本中にゴミがあふれるよ!文書を出してあげてよ!」という警告を一人で上げ続けていたことが実り、今回2026年3月16日、環境省から「廃棄物の処理と貨物自動車運送事業に係る許可等の関係について」と国土交通省から「貨物自動車運送事業法における廃棄物の運送に関する取扱いについて」事務連絡が発出されました。事務連絡の内容は、貨物法の理論はさておき日本中にゴミは溢れなくなりそうなので結果的には良かったと思います。
その事務連絡について解説していきます。
はじめは「貨物自動車運送事業に係る許可等に関する従前の取扱いを変更するものではありません。」という行政の無謬性の主張から始まります笑。でも今回は2月10日「自家用ダンプカーの貨物自動車運送事業法における取扱いについて」とは違って本質的に変化がありました。
毎度のことですが、本ページに対する質問、クレーム等は一切受け付けません。お近くのトラサポメンバーに問い合わせることもしないでください。
わからないことがあれば最寄りの運輸局にお問合わせください。それにこの文書については運輸局自身が「わからないことは聞いてください」と言ってるのでむしろガンガン運輸局に質問してあげてください。
全文は本記事末尾に転載します。
廃棄物の処理をする事業者がする運搬は密接不可分
廃棄物(廃棄物の処理及び清掃に関する法律第2条第1項に規定するものをいう。)の運送に関しては、廃棄物行政を所管する環境省から、廃棄物処理の主たる業務は、廃棄物の収集及び処分業務であり、廃棄物の運搬業務はこれらの業務を完遂するために付帯する業務であるとの見解が示されたところです。このため、廃棄物処理業者が、発注者である市町村や排出事業者と締結した包括的な委託等契約に基づき、廃棄物の運搬と、その他の廃棄物の処理(収集又は処分)を一体的に実施する場合において、当該委託等契約に基づく業務の一環として行われる運搬行為(※)については、自己の生業である廃棄物処理業務と密接不可分であり、その業務に付帯して行われる運送であるため、法の許可等を要しないものと解されます。
その上で、個別の各事案が上記の(※)に該当するかどうかについては、廃棄物処理の実施や委託等の手法が市町村や排出事業者ごとに異なることから、その実態を踏まえ、各市町村や排出事業者において適切に判断した上で、法令に則した業者を選定願います。
他方で、運送にあたって、収集又は処分を伴わない廃棄物の運搬行為のみを行う場合には、法の許可等が必要となることに留意してください。
平成10年までの廃棄物処理業者の緑ナンバー問題の答えとの違い
平成10年の事務連絡では以下のように書いてありました。
今後は廃棄物処理業者が自ら処理施設を保有し処理まで行うものであるかどうかにより判断するものとする。
具体的には、自ら処理施設を持たず、収集・運搬行為のみを行う場合においては自動車運送事業に該当することとなる
わかりますか?平成10年では「自ら処理施設を保有し処理まで行うもの」が求められていました。
平成10年の事務連絡は以下の書いてあるように「収集」は「処理」ではありませんでした。
「今後は廃棄物処理業者が自ら処理施設を保有し処理まで行うものであるかどうかにより判断するものとする。具体的には、自ら処理施設を持たず、収集・運搬行為のみを行う場合においては自動車運送事業に該当することとなる」
平成10年は「処理施設を保有し」と”施設”が必要だったので処理=処分だったのでしょう。施設なんてみんな持ってないですからね。今回のこの巧みな言い替えがスゴイです!やっぱり役人は頭いいんですよ、なかなかその頭の良さを使えないのが残念ですがやるときはやります!
今回、「処理(収集又は処分)」と”又は”を使ったところがミソです。平成10年では収集”及び”処分の場合は運送業許可不要と言っていたのですが、この”及び”を”又は”としただけであら不思議、収集運搬だけの事業者も運送業許可不要になってしまいました。
冒頭に「従前の取扱いを変更するものではありません」とありますが、本質的なとこが変わっとるやないかい!!って話ですね。これが行政の無謬性ってやつなんでしょうね。
↓↓↓平成10年事務連絡に基づいたゴミ収集緑ナンバー問題の詳細記事はコチラ↓↓↓
収集とは?
ここで「収集」という言葉が出てきましたが、廃棄物法の専門でない私には収集という行為の詳しくがわかりません。
収集はたくさんのものを集めて一つにする行為でしょうから、一旦「積み替え」されたものを処分施設まで運搬するのは収集でなく運搬だけになるのかはわかりません。とは言え、多く走っているパッカー車ゴミ収集車は明らかに収集しているからこの問題は大きな問題ではありません。
ちなみに、収集という言葉は廃掃法の中で、一般廃棄物についても産業廃棄物についても使われているので一般廃棄物のことだけではありません。
廃掃法では「分別、保管、収集、運搬、再生、処分等の処理」という「処理」の定義がありました。この中で素人にわからないだろうとすり替えたんですね。平成10年のときの「処理」は処分施設を保有することでしたが、「処理業務と密接不可分」と一旦抽象度合いを上げて、その「収集も処理だから密接不可分対象OK」とする霞が関の技術がすごいです。民間では詭弁でしかありませんが。
官僚、こういうときにはちゃんと頭を使うんですね、偉い!!これで全国のゴミ収集業者が白で良いということに明確になるのであれば行政のクリティカルヒット!!
あ、今、緑でやってる人たちは白に戻すんですかね。正直者がバカを見る・・・。
産業廃棄物収集運搬と一般廃棄物収集運搬での適用の違い
この事務連絡の中には産廃と一廃が言葉としてはわけられていません。
この事務連絡で明らかになった(と思いたい)一般廃棄物の自治体委託ゴミ収集パッカー車は、もう白で良いのだと個人的には思いますし、そう読めます。
一方、産廃イコール土建ダンプとするとすると、そちらは少し論理を飛躍させないといけません。
2026年2月10日の事務連絡ベースだと、建設現場では自らの建設行為にて発生した残土を運ぶならば白でOK。そうでなければ緑という整理でした。
しかし、今回2026年3月16日の事務連絡が土建ダンプにも通用するとなるならば、「建設現場でいろんな会社が建設行為で発生させて土砂(土砂の状態ではそれを白トラで運んでいい権利者は分散している)を収集する行為=「収集=処理」、を一旦してしまえば、運搬はそれに付随する行為」ということでもう白でいいじゃん!という理屈に転用されそうです。
残土は廃棄物なのか?
今回の事務連絡では廃棄物であれば収集運搬に運送業許可が不要と読めるものが出ましたが、残土はどうなるのでしょうか?
私は廃棄物の専門ではありませんが、残土は、産業廃棄物には該当しないとされています。ただし、工事で出た金属くずやコンクリートくず、木材など、産業廃棄物に該当するものが混入している場合はそれらを除去しなければ、産業廃棄物に該当するとされています。そういうことであれば、ぶっちゃけ現場で出たネジ一本を残土に入れてしまえば「産業廃棄物」になって、白ダンプで運搬行為していいよ、という理屈になりそうです。
廃棄物の処理と貨物自動車運送事業に係る許可等の関係について(周知)
事 務 連 絡
令和8 年3 月1 6 日
各都道府県・各政令市廃棄物行政主管部(局) 御中
環境省環境再生・資源循環局資源循環課
廃棄物適正処理推進課
廃棄物行政の推進については、かねてより格別の御尽力をいただき御礼申し上げます。さて、昨年6月に成立した「貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律」(令和7 年法律第60 号。以下「改正法」という。)による改正内容の一部が本年4月1日から施行されます。改正法においては、いわゆる違法「白トラ」に運送委託を行った荷主等に対する規制が新たに適用される予定ですが、これは貨物自動車運送事業に係る許可等に関する従前の取扱いを変更するものではありません。既に各自治体において地方運輸局等と整理がなされている場合において、当該整理を踏まえた対応を妨げるものではないことに留意ください。
この度、国土交通省から、別添のとおり標記について明確化する事務連絡(令和8年3月16 日付け国土交通省物流・自動車局貨物流通事業課長事務連絡。以下「国土交通省事務連絡」という。)が発出されましたので周知します。
一方、貨物自動車運送事業法(平成元年法律第83 号)の目的とする輸送の安全の確保等の趣旨等は、廃棄物の運搬と、その他の廃棄物の処理(収集又は処分)を一体的に実施する場合においても通底するものもあるところです。
ついては、貴部(局)におかれては、国土交通省事務連絡の内容について了知いただくとともに、貨物自動車運送事業法を参考にしていただく等して、廃棄物処理における安全の確保等に係る取組を進めていただくようお願いします。
また、貴管内市町村、排出事業者及び廃棄物処理業者に対し、国土交通省事務連絡及び本事務連絡の内容について周知をお願いします。
貨物自動車運送事業法における廃棄物の運送に関する取扱いについて
事務連絡
令和8年3月16日
各都道府県主管部局長 殿
各政令指定都市主管部局長 殿
各市町村主管部局長 殿
国土交通省 物流・自動車局 貨物流通事業課長
昨年6月に成立した「貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律」(令和7 年法律第60 号。以下「改正法」という。)による改正内容の一部が本年4月1日から施行されることとなっており、この中で、いわゆる違法「白トラ」に運送委託を行った荷主等に対する規制が新たに適用される予定です。
改正法は、貨物自動車運送事業に係る許可等に関する従前の取扱いを変更するものではありませんが、今般、貨物自動車運送事業法における廃棄物の運送に関する取扱いについて、廃棄物行政を所管する環境省にも確認した上で、下記のとおり明確化することとしましたので、宛先の皆様におかれましては、その旨ご留意いただくとともに、関係者各位に周知いただきますようお願いいたします。
記
貨物自動車運送事業法(以下「法」という。)においては、他人の需要に応じ、有償で、自動車を使用して貨物を運送する事業を行う場合には、法の許可等が必要となります。他方で、他人の需要に応じて運送を行う場合であっても、自己の生業と密接不可分であり、その業務に付帯するものとして運送を行う場合については、運送事業に該当するものとはいえず、法の許可等を要しないこととしております。
廃棄物(廃棄物の処理及び清掃に関する法律第2条第1項に規定するものをいう。)の運送に関しては、廃棄物行政を所管する環境省から、廃棄物処理の主たる業務は、廃棄物の収集及び処分業務であり、廃棄物の運搬業務はこれらの業務を完遂するために付帯する業務であるとの見解が示されたところです。このため、廃棄物処理業者が、発注者である市町村や排出事業者と締結した包括的な委託等契約に基づき、廃棄物の運搬と、その他の廃棄物の処理(収集又は処分)を一体的に実施する場合において、当該委託等契約に基づく業務の一環として行われる









