新規許可申請時には社会保険、雇用労災保険加入済みでなければいけないのか


当然、法人は従業員が何人だろうと社会保険の加入義務があります。

その大前提はあるとして、現実問題、社会保険に入っていない会社もあります。

その会社が一般貨物自動車運送事業新規許可する場合のお話です。

この話を知らない行政書士であれば、「申請時には入っておいて下さいね」と無難な方に転んでしまい、お客さんに経済的不利益をもたらしますね。

もちろん、その行政書士は法令上間違ったことは言っていません。

でもお客様の側からするとどうなのでしょう。

社会保険の会社負担はドライバーさんが5人でも結構な金額になります。

それが許可下りるまでなんだかんだ6か月だったら100万円行っても全然おかしくありません。

こういうところで、専門の行政書士とそうでない行政書士の違いが出てきます。

そもそも、新規許可申請時ではドライバーさんは「確保予定」というチェック欄があります。

許可下りてからドライバーさんを雇うという可能性も充分あるのですから当然ですよね。

だから、社会保険に加入していないといけない云々の前に、ドライバーさんを雇っていなくても許可は下りるのです。

それは運行管理者や整備管理者についても同じです。

それらを申請時点で雇用していなければいけない、と言っている人もいますが、そもそも確保予定で申請できるわけですし、もっと言えば法人ができていなくても申請~許可までできるわけですからね。

今の制度では、運輸開始前確認報告の添付書類として社会保険や雇用労災保険の書類が求められているので、そこまでに入っておく必要があります。

それがないと連絡書が発行されないので、緑ナンバーがつきません。

逆に言えば、社会保険に入ってなくても許可が下りるまでは進みます。

以前は、ドライバー全員が社会保険に入っていなくても、会社として入って入れば緑ナンバーつけることができました。

しかし、運輸開始前確認報告という手続きが平成27年に始まったので、ドライバーさん個人個人が社会保険に加入済みであること、ドライバー人数が雇用保険に入っていることを証明しないと、緑ナンバーが付けられなくなってしまいました。

少し話は脱線します。

相場より報酬金額が安い行政書士は要注意です。

一般貨物自動車運送事業新規許可申請であれば、目安として30万円以下の報酬のところは一般貨物自動車運送事業新規許可申請をしっかりサポートしてくれると思わない方がよいと思います。(当然、リーズナブルな料金でもしっかりやってくれる人も存在しないとはいいませんが。一般的傾向です)

盲目的に申請前に社会保険加入が作業フローに入ってしまった行政書士がいたら、その誤りに気付くのは至難の業でしょう。

だって、それでも当然、許可は下りるのですから。

運送事業者さんの立場に立てば、「無難な方を取る」行政書士と「グレーぎりぎりまで攻める」行政書士のどちらの行政書士がいいのか、ということになります。

無難な方を取る行政書士が好きな運送会社さんももちろんいると思います。

そういうところは相性になってくるのでしょう。

運送事業は現実とルールがかい離しているので、「正論」だけ言う行政書士は役に立ちません。

正論を知ったうえで、どのようにギリギリでお客様を正常なレールに近づけるのか、そして手を取り合って将来的に正常レールに乗るまでを一緒に行くのが専門の行政書士の役割ではないかと思っています。

ただ、あまりに運送事業者さんの側に寄ってしまい「グレーでなく黒」のところまで手を出してしまう行政書士もいます。

そういう行政書士は結局、嘘を嘘で上塗りしていかないといけなくなるので、お客さんにも嘘をついて長期的に見ればお客様に迷惑をかけることになります。

運送事業者さんがそのような観点で行政書士を見極めるのは難しいと思いますが、「あれ、この人無難な方を選んでないか?」と思ったらズバっと問いただしてみてください。

逆になんでもかんでも「大丈夫ですよ」と言う行政書士も「ほんとにそれ大丈夫なの?」とズバっと問いただしてみてください。

なんでもかんでも大丈夫なんてことはあり得ません。

そういう行政書士は「サービス」というものを勘違いしている人です。

結局、「本当にお客様にとっていいこと」は「そのとき目の前のその場だけ」お客様を気持ちよくすることではなく、時には正論を掲げて「本当はこうしなければいけないのですよ」と言ってくれる行政書士の方が、本当の意味で将来のお客様のことを考えているのだと思った方がいいです。

「耳が痛い言葉であるほど、今の自分に意味があることを本当は自分が一番よく知っている」ということですね。

もし、数十万円の報酬で安い方に頼んだせいで先ほどの社会保険料100万円とかそんなものでは全然済まない経済的不利益を被るリスクが全然上がることは知っておくべきでしょう。

どの仕事でもそうですが、特に行政書士のような専門サービス業は、安いところはそれなりです。

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